第6戦 2008年7月27日(日)ツインリンクもてぎ北ショートコース(栃木県)
困難なコースレイアウト!
これを見事、攻略した川北忠が今シーズン3勝目をマーク!
今年の全日本ジムカーナ選手権も、今回で第6戦を迎えタイトルに王手を掛けるクラスも出てきている。上位同士の激しいトップ争いは、ほんの僅かの差が明暗を分ける終盤戦に突入している。
今回、第6戦の会場となったのはツインリンクもてぎ北ショートコース。ツインリンクもてぎはその名前でもあるように、代表する2つのコースがあり、インディカーレースなどで使用されるオーバルコースとフォーミュラーカーなどが走行するロードコースとで構成されている。このコース以外にも施設内には多彩なコースが設けられており、週末には様々イベントによってにぎわいを見せる日本を代表する国際的レーシングコースだ。今回、ジムカーナ選手権が開催される北ショートコースはその名の通り、2つの大きなコースの北側に位置していて、普段は主にカートレースの会場として使用されている。2本のストレートとテクニカルなカーブがバランスよく配された、高度なテクニックを要するコースである。
開催当日の天気は全国的に梅雨が明けたばかりで、夏らしい晴れ間の広がる天候では無く、いつ雨が降り出すか解らない分厚い雲が広がる中での戦いとなる為、ダンロップ勢がチョイスするタイヤは殆どがDIREZZA 03G S1コンパウンドを選択。N1クラスやSA1クラスではM1コンパウンドを選択する車両も見受けられた。N1クラスがスタートを切る午前8時の時点では雨はまだ降っておらず、気温は26度、路面温度は30度と時折吹く風で涼しさも感じられ、夏の次期は気温との戦いではあるが、今回は雨が一番の心配になっていた。午後の2本目の天候も雲がそのまま停滞し、気温も少し上がった30度、路面温度36度となっている。
クラス最多の今シーズン3勝目をマークした川北忠(RX-8)。
エントリーの多さではN2、N3に次いで3番目の多さとなる21名が参加されたSA1クラス。今回のコースレイアウトで最も苦戦を強いられたのはコース前半に設定された左へ大きく曲がった高速のコーナーから侵入する狭いコース上での180度のターンだ。この180度ターンを曲がり切れずパイロンに接触やバックギアを使用する場面が多々見受けられタイムに大きな影響を及ぼしていた。このクラスの優勝候補の一人、ダンロップユーザーの川北忠(RX-8)は1本目でこの180度ターンを曲がり切れずパイロンに接触してしまい順位を17位まで落としてしまう。1本目のトップは1分30秒280をマークした西野洋平(シビック)が獲得。続く2本目では各選手、思うようにタイムアップを図れず順位が大きく変わらない状況で、トップの西野も2本目ではミスを犯してしまいタイムが上がらないでいた。そして迎えるは最終走者の川北。その川北は1本目でミスをしていた事でもう後が無い状況。これで気持ちを入れ替える事が出来たのか、川北は2本目をノーミスでクリアしそのタイムに注目が集まる。その注目のタイムは何とこのクラスでは只一人となる1分29秒678のスーパーラップで優勝を獲得。ポイントランキングでもトップに僅か1ポイント差まで詰め寄り、シリーズタイトル獲得に期待が掛る。
今シーズン5戦中、4戦で表彰台へ上っている川北忠(RX-8)。
表彰後、「1本目をミスしてしまい、一時はどうなるかと思いましたが、マシンを仕上げてくれたチームの人達にも助けられ今回も優勝する事ができました。次回の浅間台がパイロンコースなので、是非とも前回のイオックスでのリベンジをしたい。」と川北はコメントを残している。
着実にポイントを積み重ねる鰐部光二(RX-7)が今季2度目の表彰台をゲット。
SA2クラスでは、ダンロップタイヤを履きポイントランキングも3位に着ける鰐部光二(RX-7)が1本目で渡辺公(S2000)が出した1分29秒台タイムに続き、3番手スタートを切る。続く2本目は、惜しくも自身のタイムを上回る事が出来なかったが1本目に出したタイムにより、見事、今シーズン2回目となる3位表彰台を獲得する事となった。
着実に表彰台へ登る結果を残す津川信次(ランサー)。
SA3クラスでは、ダンロップ勢はいつ雨が降りだすか解らない天候を考え、全車DIREZZA 03G S1コンパウンドをチョイスしての戦いとなった。1本目では、ポイントランキング3位に着ける西原正樹(ランサー)がトップタイムをマーク。これに続き、現在ポイントランキングトップを行くダンロップユーザーの川脇一晃(ランサー)も2番手と好調なスタートを切る。そして2本目での優勝争いは、現在のポイントランキング上位4名に絞られる事となる。その4人の中で最初に走るのはランキング3位の天満清(ランサー)がまずはスタート。天満は西原が1本目でマークしたトップタイムをコンマ124秒更新し、トップに立つ。続く走者はダンロップ勢の津川信次(ランサー)。津川もトップタイムをコンマ189秒上回り入れ替える形でトップに立つ。更には1本目でトップタイムを出した西原もトップタイムを塗り替え再びトップへ。そして残すは現在のポイントリーダーで昨年、ここもてぎの覇者である川脇を残すのみ、その川脇は中間計測でも西原のタイムには負けておらず、優勝に期待が掛る。その川脇はミス無くコースを走り切り、そのタイムに会場全体が注目。結果は4番手タイムとなってしまうが10ポイントを獲得。津川は見事2位に入賞しポイントランキングも2位をキープしタイトル争いが激化し始めた。
3位入賞の健闘を見せた梅村伸一郎(ランサー)。
ポイントランキングトップの菱井将文(ランサー)がタイトル獲得に大手を掛けているN4クラス。このタイトル獲得の対象となるのはダンロップユーザーでありラインキング2位の古谷哲也(ランサー)だ。そんな古谷は菱井以上のポイントを獲得するべくコースのイン側ぎりぎりまで攻める走りを慣行するが、1本目、2本目共にパイロンタッチを犯してしまいポイント圏外へ順位を落としてしまう。これによりN4クラスのタイトルは菱井が獲得する結果となる。ポイントランキング5位の梅村伸一郎(ランサー)が今季2度目の3位表彰台を獲得する活躍を見せてくれる等、強豪のダンロップ勢が顔を揃えるこのクラスは残り3戦でも更なる活躍が期待できそうだ。