第6戦 7月8日(日)イオックスアローザスポーツランド
北陸決戦で2クラス制覇!茅野選手は全勝でシリーズチャンピオン決定!!



 暑ささえ感じた北海道から、熱戦の舞台は北陸富山へと移った。県南西部に位置する南砺市、石川県との県境にそびえる医王山、その山懐に、全日本ジムカーナ選手権第6戦の舞台、イオックスアローザスポーツランドはある。

 冬はスキーのメッカとして、県内はもとより、日本中からスキーヤーの集うイオックスだが、シーズンオフは北陸モータースポーツの拠点として、ジムカーナの地方戦や走行会で賑わう。全日本ジムカーナの会場としてもすっかりお馴染みとなった。昨年は雨模様の中での開催となったが、今年は午後にほんの僅か小雨がぱらついた程度で収まった。曇天模様の空の下、気温も第1ヒート開始時は気温23℃、路面温度28℃と低く、晴れ間ののぞいた第2ヒート開始時でも気温28℃、路面温度40℃。路面状態も終始ドライコンディションという、比較的整った条件下での開催となった。

 しかし、イオックスアローザスポーツランド特設コースは決してイージーなコースではない。一見典型的なパイロンコースなのだが、コース内で高低差があり、レイアウトによってその傾向が全く変わってくる。しかも毎年路面の舗装が行われている為、前年のデータや経験を生かすことが出来ないのだ。さらに、今年はコース上にほこりが目立ち、この上にタイヤが載るとグリップ力が急激に低下してしまうというシチュエーション。このコースを各ドライバーがどのように攻略していくのかが、レース第1の見所だった。ダンロップユーザーは全車、フロント、リア共にドライコンディションで威力を発揮する「DIREZZA 03G」を選択、コンパウンドは路面温度が低温の際に生きるS1をチョイスした。

SA2クラス田原憲選手のRX-7が魅せた

 N1、SA1など第1ヒート序盤は、路面のほこりがはけておらず、また舗装の状態が荒かった事から、厳しいドライブを余儀なくされていたが、各車がラインどりをした部分だけはほこりが取り払われ、中盤以降はタイムアップの可能性が見え始めてきた。

 このラインを捕らえ、見事な走りを見せたのは、1600cc以上の2輪駆動車が競うSA2クラスで、すでに今期3勝を上げ、2戦で2位を獲得、圧倒的な強さを見せ付けている田原憲選手。このレースも好調で、第1ヒートでいきなり好タイムをマークした。路面状態が良化した第2ヒートでは、自身のベストラップを更新するマシンが続出したが、誰もこのタイムを破れず、2戦ぶり4度目の栄冠に輝いた。

「砂っぽいうえに、路面がバンピーだったが、よく(タイヤが)グリップしていた。1本目よりも(僅かにパイロンタッチしてしまった)2本目の方がいい走りが出来ていたのだけれど、勝ててよかった」と語る田原選手。好調はまだまだ続きそうだ。


 SA3クラスでも津川信次選手、川脇一晃選手、二人のダンロップユーザーが素晴らしい走りで観客を沸かせた。川脇選手が第1ヒートから果敢な走りで好タイムを叩き出すと、津川選手も第2ヒート、自身のタイムを1秒以上短縮する好走。津川選手が2位、川脇選手が3位表彰台を獲得した。

大記録を成し遂げた茅野成樹選手のランサーエボIXMR

 そして、いよいよN4クラス。全日本ジムカーナの規定では、各ドライバーのポイントは、自己ベスト6戦の得点で決定する。つまりシリーズ9戦中6戦に勝利すれば、自動的にクラスチャンピオンとなるのだ。この夢のような「完全優勝」に、シリーズ6戦目にして王手をかけているのが、茅野成樹選手。昨年もこの完全優勝を成し遂げているが、その間一度だけ、優勝を逃しているコースがあった。そのコースこそが、このイオックスアローザ。このレースは、開幕6連勝での完全優勝達成のかかったレースであり、また、昨年のリベンジマッチでもあるのだ。

同クラス3連覇、茅野選手の喜びのポーズ

 これだけプレッシャーのかかる状態にあっても、茅野選手はいたって冷静だった。「練習走行から、ほこりっぽい路面で、(ほこりに)乗り上げるとすべるのは判っていたが、はけてくれたのでタイムが伸びた。タイヤもよくグリップしていた。」とこの二日間を振り返る。第1ヒートで早々にトップに立つと、第2ヒートでさらにタイム更新に成功。貫禄のドライブで見事開幕6連勝、そしてクラス完全優勝を成し遂げた。また同クラス3位には古谷哲也選手が入っている。


 茅野選手のクラス3連覇、開幕6連勝の舞台として、このレースは多くの人々の記憶に残る事だろう。しかし、この余韻に浸る間もなく、もう次のレースがやって来る。北関東、盛夏のもてぎが、ドライバー、そして多くのモータースポーツファン達を待っている
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ニュルブルクリンク2014