ドライバー
第4戦 6月16日(日) オートスポーツランド スナガワ
晴天に恵まれたスナガワ戦で
DIREZZA ZIIが悲願の初優勝をサポート!


先月行われた全日本ダートラ戦同様、全日本ジムカーナでも、今年のスナガワは快晴に恵まれた。

開幕から西日本で3戦を消化した全日本ジムカーナは、一気に北上しての北海道が第4戦の舞台となった。「オールジャパンジムカーナ」の会場となったオートスポーツランドスナガワは石狩川の河川敷に広がるコースで、先月には全日本ダートトライアルラウンドも開催された、北海道のスピード競技コースのメッカ的な存在だ。広大な敷地に広がるコースを、今回は前半で外周をふんだんにつかった高速セクション、後半にはフリーエリアにパイロンを配置したスラロームセクションとメリハリのついた約1.6kmのコース設定となった。梅雨のない北海道ではあるが、快晴に恵まれたこの日の路面は完全ドライ。さらに日中は気温が27度近くまで上昇する夏日となり、タイヤには厳しいコンディションとなった。

学生時代を北海道で過ごした中村にとって、スナガワはジムカーナのイロハを覚えた思い出の地。初優勝するならここで、と決めていた思いをついに叶えた。

Sタイヤが禁止されているPN部門では、依然としてDIREZZA ZIIが威力を発揮している。全車がZC32S型スズキスイフトで争われるPN1クラスでは、このZIIがうれしい初優勝をサポートした。長いジムカーナ歴を誇る中村伸造(DLSPMURGスイフトITO)だ。第1ヒートでは、今季2勝を挙げている鵜飼洋一、2012年のチャンピオンである喜多治人をも押さえてトップに立った中村。昨年はタイトルを巡って熾烈な争いを展開した強豪のふたり。特に喜多は第1ヒートでパイロンタッチを喫してお り、第2ヒートでの巻き返しはもちろん予想された。中盤ゼッケンの中村は、まずは第1ヒートからタイムを0.333更新して、後ろゼッケンの走行を待つ。続く西野洋平、鵜飼はなんとコンマ3桁までまったくの同タイムでありながら中村には届かない。そして迎えた最終ゼッケンの喜多は、中村の1本目のタイムにも及ばない4位タイムと番狂わせ。逃げ切った中村がうれしい全日本初優勝を決めた。緊張した顔でポディウムの中央に立った中村は、「長いことジムカーナをやっていますが、やっと勝てました。非常にうれしいですし、本当にみなさんのおかげだと思っています。ありがとうございます」と中村は喜びを表すのが精一杯だった。

2年目の86での走りが決まってきた野口がスナガワで好リザルトを獲得した。

トヨタ86、スバルBRZが戦うPN3クラスは、山野哲也がSUPER GTセパン戦参戦のために欠場。強豪不在の間に好リザルトを狙う猛者が好機を逃さなかった。昨年から86を駆っている野口康通(itzzTAクスコ DLPA86)は、今季に入ってからセッティングの方向性が見えてきたのか、安定してポイントを獲得するなど上り調子。その野口は第1ヒートで、1分38 秒台をマークすると、このタイムがチャンピオン経験もある松本敏(itzz☆DL☆URG☆86)を0.382秒押さえての2位につける。さらに、シリーズリーダーの森嶋昭時にも0.256秒と迫った。しかし、第2ヒートでタイム更新を果たすことが出来なかった野口は、2位の座にも黄色信号がともるのだが、続く松本もタイム更新を果たすことが出来ない。結局、松本から逃げ切った野口が、クラス2位と大健闘を果たし、ダンロップ勢としては2-3フィニッシュを飾ることとなった。

優勝も見えていただけに第2ヒートでのパイロンタッチは悔しい限りだが、強豪勢を抑えての2位獲得の好結果は、勢いを見せつけた印象を与えた。

強豪揃いで激戦区のSA3クラスは、今季も開幕3戦すべてで勝者が異なる混戦模様。しかし、今回台風の目となったのは、川脇一晃が2011年にSA3タイトルを獲得したチャンピオンマシンである三菱ランサーエボリューションXで参戦する野島孝宏(DLレイズChalWMランサー)だ。そのマシンを駆りながら、なかなか結果につなげられていなかった野島だが、今回は公開練習からトップタイムを叩き出すなど絶好調ぶりを見せつけていた。その野島は、第1ヒートで1分30秒209を叩き出すと、強豪勢で最も野島に迫った天満清でも0.645秒及ばず、野島が首位に立つ。これで優勝も見えたかと思えた野島は第2ヒートに挑むが、なんと痛恨のパイロンタッチを喫し、タイム更新を逃してしまう。目前に迫った勝利は、第2ヒートでタイム更新を果たした天満に譲りはしたものの、野島がマークした第1ヒートのタイムには、現チャンピオンの西原正樹が更新したタイムも及ばず、野島の堂々の2位が決まった。

新マシンで、仲間と一緒に表彰台に立つという約束も果たした大橋。今季のSCクラスはますます盛り上がりそうだ。

改造範囲の広いSCクラスでは、前戦に続きプレジャーレーシングの師弟対決がクラスを盛り上げた。2012年チャンピオンの牧野タイソン(DL★PRS速心クスコランサー)は、前戦の名阪で、師匠とも言える大橋渡(DL奥伊吹PRSインプレッサ)に負けを喫しており、そのリベンジが果たせるのか注目が集まった。三菱ランサーエボリューションIXがベースのタイソン車に対し、大橋が駆るマシンは性格の全く異なるスバルインプレッサ。存分にチューンを施したエンジンで名阪では大橋が弟子のタイソンを抑えて2位に入っていた。そして注目の第1ヒート、前半セクションではトップタイムペースで快走しタイムを稼いだタイソンだったが、スラローム区間で追い上げた大橋がわずか0.002秒上回ってのトップタイム。第2ヒートでの決戦に注目が集まったが、なんと両者揃ってパイロンタッチに終わった。このため第1ヒートの順位がそのまま結果となったが、今回は大橋が優勝、タイソンが2位と、ダンロップ陣営に1-2フィニッシュをもたらした。その大橋は、「今年は新しくインプレッサを一から作り直して、4 戦目で勝つことが出来ました。SCクラスはここまで、毎戦勝者が異なり、シリーズ展開が大変面白くなっていますので、次戦以降もかき回して、面白いシーズンにしていきたいと思います」と頼もしいコメントを残した。


全日本ジムカーナ第5戦は、杜の都・仙台。「"ともに、前へ仙台"オールジャパンジムカーナイン仙台ハイランド」は、7月13-14日、宮城県仙台市の仙台ハイランドレースウェイレーシングコースで開催される。
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ニュルブルクリンク2014