第4戦 7月3日(日) オートスポーツランドスナガワ
北の大地でシリーズを左右する中盤戦がスタート
ダンロップ勢はシリーズ上位を死守!


石狩川の河川敷に位置するオートスポーツランドスナガワ。翌週に行われる全日本ダートラを始め、地区戦も開催されるなど北海道モータースポーツの中心と言われる会場だ。

全日本ジムカーナ第4戦は北海道のオートスポーツランドスナガワにその舞台を移して開催された。梅雨のない北の大地、その期待に応えるかのように公開練習が行われた土曜日、決勝の日曜日ともに天候は晴れ。湿度も低く爽やかなドライコンディションで決勝当日を迎えた。参加台数は全日本選手権に85台、そして併催されたJMRC北海道ラジアルクラスに18台で合計103台。石狩川の河川敷に位置するオートスポーツランドスナガワにはダートラコースとジムカーナコースがある。ジムカーナコースの舗装は目が荒く、タイヤへの攻撃性が強い路面だといわれている。ダンロップサポートドライバーのSA3川脇一晃に話を聞いた。「練習走行から見ていると、気温の低いほうがタイムは出ていた流れやね。このまま行くと決勝は一本目勝負になりそうやね」とのこと。長方形のコース、パドック側に設けられた後半のパイロンセクションに1分40秒を超えるロングの設定。多くの選手が1本目勝負を予想した。

1本目、まさかの脱輪で下位に沈んだ茅野。だがそこはベテラン、2本目にきっちりと修正して2位に。シリーズポイントは3位に後退したが、竹田とともにチャンピオンを目指す。

前戦タカタで念願の全日本初優勝を飾った竹田宏太郎。長いトンネルを抜けるとそこにはシリーズリーダーというポジションが待っていた。全日本タイトル獲得ということが現実味を帯びてきた今シーズン、竹田にとって試練となる中盤戦の暑い夏が始まろうとしている。 一方シリーズ2位につけるのは、今シーズンからランサー・エボXに乗り換えた茅野成樹。まだエボXに乗り慣れていないという茅野だが、クルマを製作する古谷哲也=Tアシストの進化は速い。このスピードと茅野のドライビングが噛みあった時、一気呵成にポイントを積み重ねてゆくに違いない。本格的な夏場に向け、1戦ごとに進化を続けるクルマの熟成とドライビング。中盤戦に向けN4クラスで注目すべきポイントは、そういった部分かもしれない。

今回の3位で12ポイントを獲得しシリーズリーダーの座を死守した竹田。前戦の全日本初優勝で現実味を帯びたチャンピオン獲得に向け、竹田の熱い中盤戦がスタートした。

ダンロップ勢のシリーズ、ワン・ツーで迎えた今回の北海道。決勝1本目、昨年のN4クラスチャンピオン菱井将文が1分44秒211というとてつもないトップタイムを叩き出す。これには後半ゼッケンの有力選手たちも追いつけない。茅野は脱輪1で5秒のペナルティを受け下位に沈んでしまう。なんとか2位に食い下がった竹田だったがトップ菱井との差はなんと1.8秒。大きなタイム差のなか、気温の上がった2本目がスタートする。脱輪したパートを修正してきた茅野が1分45秒754で2位に。竹田は自己の1本目タイムを更新することが出来ず、3位に後退して2本目が終了した。竹田は今回3位の12ポイントを加えて44ポイントで依然シリーズトップを死守。常に上位をキープする安定した成績が効を奏している。2位には今季2勝目を挙げた菱井。3位には40と同ポイントながら勝利差で茅野がつける。熱さが増す中盤戦、まだまだ先行きは見えないN4クラスの行方からはまだまだ目が離せそうにない。

今回の3位でシリーズポイント2位に後退した川北だが、クラス移行後も1戦ごとで明らかに速さを増している。中盤戦で踏ん張れれば充分チャンピオン争いに加わってくるだろう。

今シーズンからRX-7に乗り換えた、SA1クラスのディフェンディングチャンピオン川北忠。前戦雨のタカタでは早々とクラス移行後初の全日本優勝を飾るなど、着実にRX-7を乗りこなし始めてきている。シリーズリーダーとして乗り込んだ今回の北海道。スポーツランドスナガワでは2007、2008、2010年と3勝を挙げている川北にとっても相性の良いコースだ。 縦横無尽に走り回る前半のコース部分、後半部分にはパイロンセクションが設けられる。1分40秒を超え、後半セクションはタイヤには厳しいコース設定。1本目に1分47秒072を叩き出した川北は3位につける。中間タイムを見ると、まんべんなく前半後半と走りきった川北。だが上位の選手はコース部分がスバ抜けて速く、ここで差をつけられている様子。2本目に入るとわずかにタイムを更新する選手も現れたものの、上位3台は1本目の順位で決着した。3位で12ポイントを獲得した川北は、合計38ポイントでシリーズ2位に後退。だが着実に速さを増してきている。スポーツランドSUGOでの第5戦、ツインリンクもてぎでの第6戦と続く中盤戦の戦い方次第では、チャンピオン争いにからむことも十分可能。灼熱の夏に向けて、SA2クラスの戦いはさらに混沌としてきそうな気配だ。

トップとの差は、わずか0.019秒!惜しくも2位に終わった津川。「思っていた以上にペナルティを取られる選手が多かったんで、ライン取りにマージンを持たせたのが敗因かな?」

実質的開幕戦となった第2戦の名阪、雨の中行われた第3戦のタカタ。1回ずつの優勝で、ともにワン・ツー・フィニッシュした川脇一晃と津川信次が35ポイントとまったくの同点で並ぶSA3クラス。チャンピオン獲得に向けて重要な意味を持つ中盤戦がスタートした。決勝1本目、全日本チャンピオン経験者たちがトップタイムを一気に上げる。1分44秒505の西原正樹のタイムを、ディフェンディングチャンピオン天満清が1分43秒425で抜き去る。続く津川も食い下がり1分43秒444を叩き出すがわずか0.019秒!届かない……。ラストゼッケン川脇も1分43秒933を出すが3位に。

今回2位ながらも安定した成績でシリーズリーダーをキープした津川。苦しんだ2010年の経験は粘り強さを生み、簡単に勝負をあきらめない。2011年こそチャンピオン奪還だ!

僅差の争い、タイムアップに向けて入念な慣熟歩行を行う川脇と津川。2本目のトライがスタートする。大きなミスをつぶすことでタイムアップする選手はいたものの、後半ゼッケン勢はそろってタイムダウン。津川と川脇はふたりそろって脱輪ペナルティを喫してしまい万事休す。だがシリーズポイントでは2位の15ポイントを加えた津川が50ポイントでトップ。西原が自己タイムを更新したことで4位に下がったものの、10ポイントゲットで45ポイントの川脇が2位となった。シリーズリーダーをキープした津川は、「太陽が真上に来て路面を照らす午後よりも、午前中の1本目が勝負になると思ってた。それは予想どおりだったんだけど、思っていた以上にペナルティを取られる選手が多かった。そこでちょっとライン取りにマージンを持って走ったのが良くなかったかな?0.019秒だもんね。次のSUGOは、タイヤの相性も良いので今の好調さを維持して戦いたいですね。ことしに入って大きなセッティングの変更はしていなくて、現場の微調整で対応できている。これはクルマの熟成が進んだ証拠。このままの調子で中盤戦を戦いたいね」とコメント。なかなか連勝をさせてくれない横一線でのSA3クラスの熱い戦いは、最終戦まで続きそうな勢いだ。 全7戦中有効70%のベスト5戦分のポイントで争われる2011年の全日本ジムカーナ。各クラスでシリーズ上位を締めるダンロップユーザーたちの戦い。チャンピオン獲得に向けた暑い夏の戦いは、まだまだ続く。第5戦は7月23~24日にスポーツランドSUGOで行われる。
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Motercycle
ニュルブルクリンク2014