第3戦 5月17日(日) スポーツランドSUGO西コース
ウェット路面に泣いた第3戦
SUGOの借りは北海道で返す!



 全9戦で争われる全日本ジムカーナ選手権。長いシーズンを戦ううえで、序盤戦は、そのシーズンのムードを決めてしまうことが多い。波に乗りたい自分と波に乗らせたくないライバル。中盤戦を占う意味でも、自分がどのポジションに付けるかは重要だ。
 迎えた第3戦は、宮城県柴田郡にあるスポーツランドSUGO西コースに会場を移して争われた。西コースは今シーズンコース改装され、レイアウトの変更と舗装の張替えが行われた。新しくなったコースの印象をN4クラスを戦う茅野成樹に話を聞いてみた。
「今まで細かなショートカットが多かったんですが、すっきりしたレイアウトになりましたね。スピードは乗るようになりました。路面は思っていたよりグリップしなかったというのが印象ですね」とコメント。
 今シーズン、ここまで序盤戦の行方を大きく左右してきたのが天候だ。極寒の備北サーキットに始まり、暴風雨の名阪スポーツランド。そして今回は? 土曜日に行われる公開練習は晴れ、しかし決勝の日曜日は朝から雨が降りしきる。ダンロップユーザーは、そのほとんどがS1コンパウンドを選択してスタート。
 午後に入ると雨脚は弱まるものの気温は、20℃を上回ることが無かった。各クラスともタイムアップする2本目勝負となるが……。表彰台をゲットしたダンロップユーザーは、N4クラス茅野とSCクラス大橋渡のふたりだけという厳しい戦いを強いられた。

今シーズンからエキシージに乗り換えた田原。やはり田原には表彰台が似合う。次戦北海道からの活躍を期待したい。

 松本敏とのダブルエントリーでN3クラスに参戦する田原憲。今シーズンからマシンをエキシージに変え、チャンピオン奪還を目ざしている。エキシージでの3回目の参戦となったのが今回のSUGO。まだまだマシンはセッティングの進化途上だが、田原がシングルの9位で初ポイントをゲット。着実な進化を遂げてきている。この程度で満足しているとは思えないが、大暴れする田原の姿を早く見たいというのもダンロップユーザーの望みだ。

「こんなん、いやや絶対」ダンロッのドライバーとして、今回の結果に我慢がならなかった川脇。内なる闘志が口をついて出てきた。

 毎戦熾烈な戦いが繰り返されるSA3クラス。今回トップを奪った天満清に、必死の思いで喰らいついたダンロップドライバーが川脇一晃と津川信次のふたり。1分14秒058という1本目のトップタイムと同秒の14秒834で2位につけた川脇。練習走行中のセッティングから走行分析まで、ふたりで情報を共有する。2本目にかけてギリギリの作戦を練ったに違いない。
 その無理が出てしまったのか?2本目はふたりそろってパイロンタッチ。結果は川脇4位、津川5位に終わる。巻き返しへの意気込みは並大抵ではないはず。次戦が行われる北海道で、ふたりの笑顔が見られることを期待しよう。

ライバルの先行を許す厳しい状況で、精神力の強さを見せたN4の茅野成樹。2位に食い込みシリーズでも3位をキープする。

 1本目パイロンタッチで下位に沈んだ茅野だったが、渾身のアタックを賭けた2本目で2位にジャンプアップ。
「今日は負けてしまいましたけど、詰めれるところは目いっぱい詰めた結果です。序盤戦は3位、3位、2位と確実に表彰台には立っていますが満足できるものではありませんでした。これから気温が高い季節になったら、他のライバルメーカーと横一線での争いになります。昨日の公開練習は、ドライでトップを取れてましたからね。残り6戦、まだまだ巻き返しのチャンスは十分にあります。次戦のスナガワで優勝できるようにがんばります。期待していてください!」

毎戦速さを増すGRBインプレッサ。大橋渡も、手ごたえを感じているはず。現行車両で争われるSCクラスに注目が集まる。

 GRBインプレッサでSCクラスに挑む、プレジャーレーシングの大橋代表。前戦名阪での2位に続き今回も表彰台ゲットの3位。シリーズポイントを35点に伸ばし、ランキングを2位に上げた。エボXとGRBインプレッサという現行車両が戦うSCクラス。この成績は間違いなく未来につながる。今シーズンのGRBインプレッサの活躍からは、まだまだ目が離せない。


 第4戦は6月7日に北海道のオートスポーツランドスナガワで開催される。昨年は全8クラス(Dクラスが不成立)中、5クラスでダンロップ勢が優勝を飾ったゲンの良い場所だ。
 今回のイベント終了後、SA3クラスの川脇一晃が珍しく強い口調でつぶやいた。「こんなん、いやや絶対!」それに呼応するように各クラスの選手とエンジニアが熱心に話し合う姿が見られた。シリーズはまだまだ始まったばかり。中盤戦で実質的なポイントを重ねれば、ムードはすぐに変わる。SUGOでの悔しさを晴らすべく、ドライバー、サポート、エンジニアが一致団結して北海道を目指す。
Global Race Category
Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014