第10戦 11月14日(日) モビリティおおむた
年に一度の祭典、JAFCUPでSA3牧野タイソン連覇!
九州におけるスピード行事のメッカ、モビリティおおむた。すぐそばには有明海が広がる。
全9戦の全日本ジムカーナ選手権が終了。各クラスのチャンピオンが確定。それと時を同じくして全国8地区で行われた地方選手権の順位も確定した。全日本各クラスと各地区地方選手権の上位選手のみが参加することができるのがJAFCUPだ。地区戦選手にとっては自分の実力を試すめったにないチャンス。全日本選手と真っ向勝負できる晴れ舞台だ。今回のイベントは、福岡県大牟田市のモビリティおおむたで開催。これまでモビリティおおむたといえば盛夏の中で行われることが多かった。何度も走行したことがある全日本選手にとっても、そのイメージは強くタイヤ選択に悩む姿もアチラコチラで見られた。
全日本選手権と同じくPN、N、SA、SC、D車両部門の9クラスにJAFCUPのタイトルがかけられる。それにクローズド格式のクラスとして併設されたのがレディースと一般ラジアルタイヤを使用するRクラス。
参加台数は167台、全13クラスで今シーズン最後のビックイベントが開催された。早速各クラスのダンロップユーザーの活躍を見てみよう。
地区戦にプライオリティを置いていたという牧野タイソン。中部地区戦チャンピオンとJAF CUP連覇という大きな結果を残した。
昨年鈴鹿で開催されたJAF CUPのSA3を制した牧野タイソン選手。今シーズン、牧野選手は全日本戦と地区戦にシリーズ参戦。川脇一晃や津川信次選手など並み居る強豪の中でもまれ、初のシリーズ参戦で7位をゲットした。そして中部地区戦ではシリーズチャンピオンを獲得。堂々の地区戦1位でJAFCUPに参戦してきた。1本目こそ下位に沈んだが、2本目にはベストセッティングで1.7秒ものタイムアップを果たして優勝。2年連続のJAFCUP制覇を成し遂げた。
初見のコースも含め様々なことを勉強させてもらったという牧野。今回も最後まで諦めない姿勢はその中でも大きな成果のひとつだといえるだろう。
優勝が決まったときには思わず涙があふれたという牧野選手。そのワケは「昨日の練習2本と今日の本番1本目までセッティング的に厳しいところがありまして、2本目に向けてかなり大きな変更をしました。みなさんにアドバイスを頂いて、かなり助けられました。そんなんでホッとしたというか安心したというか?せっかくこんな遠くまで来たというのもありましたし、期待に応えたいなというのもありましたから。思わず泣いてしまいましたね。今年は地方選手権と全日本に参戦しましたが、どちらかというと地方選手権に重点を置いていました。そんな中でチャンピオンを獲れてよかったです。でも両方に参戦するとなるとなかなか厳しいですね。ということで来季は全日本に絞ろうと思って、今回は現場でみなさんにお話させていただきました。シーズンオフにはクルマをしっかりとメンテナンスして、練習して万全の体制で開幕戦を迎えたいと思っています」と牧野選手。2010年の全日本では、ほとんどが初めて走るコースでの挑戦。そしてなにより有力選手たちとの交流で、戦いに挑む厳しさを学んだ。JAFCUP連覇は来年に向けて良い弾みとなったことだろう。2011年牧野選手の活躍に期待しよう。
2本目に1.2秒のタイムアップで2位に食い込んだ村上仁。ベテラン選手らしい安定した成績で出場イベントではきっちりとポイントをゲットしてくる。
今シーズンシリーズ2位の東山晃、3位の小林キュウテン、4位の村上仁。3人のレギュラードライバーが参戦してきたDクラス。1本目1分13秒890を叩き出してトップに立ったのは小林。これを約1.5秒差で東山が追うという展開。気温も上がり、タイムアップが期待された2本目のラスト3台。村上が1.2秒のタイムアップで小林にコンマ7秒差まで迫る。続く小林だったが、スタート後マシンから異音が発生。ミッショントラブルでリタイヤとなってしまう。小林のマシンが排除されるのをスタートラインで待つ東山。タイヤウォーマーで温められたスリックタイヤの温度は、見る見る下がってしまう。そんな厳しい状況の中でも東山は意地を見せ0.18秒のタイムアップ。小林の1本目のタイムに約1.2秒追いつけず、3位に終わる。だが会場を訪れていた観客からは東山の激走に拍手が上がった。
全日本にもダブルエントリーする中根兄弟。シリーズ順位では弟(卓也)に先行を許したがJAF CUPでは兄(康仁)が逆襲の3位入賞。
その他のクラスでもダンロップユーザーが表彰台をゲット。N1クラス兄弟でダブルエントリーする中根康仁(兄)は、1本目に1分28秒291を叩き出し3位と好位置につける。2本目に入って気温とともに路面温度も上がる。タイムアップの期待がかかるが、28秒を切ることが出来ず3位。表彰台の一角に食い込む活躍は、来年につながるリザルトだ。
RSK(レーシングサービス小清水)総出のサポートで大牟田に来た福永裕介は、今回も3位。来年こそは表彰台の中央へ!
N2クラスには、全日本選手権でもシリーズ4位に入った福永裕介が参戦。1本目はパイロンタッチを犯してしまい下位に低迷してしまう。だがそこはベテラン選手の実力。キッチリと2本目にタイムを上げてきた。だが22秒台を切ることが出来ず3位。2011シーズンこそは、あと一歩まで追い詰めた表彰台の中央に立つ姿を見たい!
トップ3人が1分20秒台に入り、圧縮されたN4クラス。今シーズン全日本でも2位を記録するなど好調な金本辰也が3位入賞した。
DIREZZAカラーが目を引くN4クラスの金本辰也。全日本ジムカーナでもシリーズ7位に食い込んでいる。1本目2本脱輪で大きく出遅れたが、2本目にはキッチリと修正して10秒近くのタイムアップを果たして3位をゲット。トップからコンマ6秒差にまで迫るなど、来季に向けて着々とリザルトを残している。
ここ数年ビックイベントでの表彰台から遠ざかっていた片岡一司だが、一本目のタイムで久々の3位表彰台を獲得した。
記録を見るとビックイベントでは1997年のJAFCUP以降、一貫してRX-7で参戦し続けているSA2クラスの片岡一司。一本目に1分22秒153を叩き出し2位に。過去のリザルトを見てみると、2006年JAFCUP以来の表彰台。3位ゲットでベテランの存在感を見せた。
これで2010シーズン、ジムカーナのビックイベントはすべて終了、シーズンオフに突入した。今シーズンの悔しさと経験をバネにした2011年のダンロップユーザーたちの活躍を期待しよう。今から来年の開幕戦に向けての準備がスタートだ。