オールスタージムカーナ 11月4日(日) 本庄サーキット(埼玉)
全日本から、地方戦から、一騎当千のツワモノが集結!津川夫妻快挙の夫婦V!



 全日本ジムカーナ選手権は全ての日程を終了したが、ファンにとってはたまらないレースがまだ残っている。この「JAF CUP ALLJAPAN GYMKHANA」がそれだ。各地で行われている地方選手権の上位入賞者達が一同に会し、その実力を競い合う夢舞台。さらに全日本選手権のトップドライバー達も参戦することから、全日本選手権のドライバーと地方選手権のドライバー達とのバトルにも注目が集まる。ダンロップユーザーからはSA3クラスで今季2位に入賞した津川信次(ランサー)やDクラス2位の村上仁が参加し、レースを盛り上げた。

 舞台となる本庄サーキットは埼玉県の西端に位置し、1000メートル級の山々が連なる懐深く、採石場の近くに作られたサーキット。一周最長1キロ強と決して大きなコースではないが、序盤のストレートとヘアピンの連続、そして中盤、終盤に設定された難易度の高いコーナーのコンビネーションは、自身のドライビングテクニックを確認するのに適している。危険な箇所には十分な道幅が確保されており、「思い切り走ってみたい」という欲求を満たすにも十分な施設といえる。首都圏や北関東からのアクセスも良いことから多くのモータファンに愛されているサーキットだ。決勝当日は午前中から優しい日差しがコースを照らす絶好のレース日和。気温も18度近くまで上がり、風は微風、この季節ではこれ以上無いという好条件のもとレースが始まった。オールスターと言っても各車とも手抜きは一切無し、パイロンタッチスレスレの激しいドライビングでコースギリギリを突く真剣勝負に、詰め掛けた多くのファンたちが熱狂した。ダンロップユーザーはほぼ全車がDIREZZA 03G、コンパウンドは前後輪とも低温域で効果を発揮するS1を選択している。

夫婦最速?津川真由美果敢なアタック

 まず先陣を切ったのはLクラス。各地区の女性ドライバー達がしのぎを削る華々しいクラスだ。第1ヒートまず飛び出したのはSA3クラス全日本2位津川信次の夫人である津川真由美(ランサー)中部地区でみがいた腕を遺憾なく発揮し、1人1分19秒台をたたき出した。第2ヒートでも1分19秒台を揃え、好成績で文句なしの優勝を収めた。

凛とした表情でトップに立つ津川真由美

 優勝した津川真由美はインタビューに「一年間地方選手権で頑張ってきました。その甲斐あって、今日JAFカップで笑うことが出来ました」と爽やかなコメントを残した。


 前述の通り、地方選手権のドライバーと全日本選手権のドライバーが同じ土俵でぶつかるのもこのレースの魅力の一つ。下克上が起こったのはN3、中部地方選手権で同クラス3位の鰐部光二(RX-7)が居並ぶ全日本のドライバーを差しきり、第2ヒート1分18秒034の好タイムをマーク、見事2位に食い込んだ。その他のクラスでも全日本選手権のドライバー達は苦戦しており、実力伯仲、スリリングなレース展開。

妻には負けじ!津川信次意地の走り

 そんな中、全日本選手権のトップドライバーとして、そして家長としての意地を見せたのは、SA3クラスで全日本選手権から唯一のエントリーとなった津川信次(ランサー)夫人である津川真由美とのダブルエントリーとなったランサーで平凡な成績を残すわけにはいかない。夫人と同じく第1ヒートで勝負をかけ、他を2秒近く引き離す1分14秒台の驚異的タイム。誰もこのタイムに近づくことが出来ず、見事優勝を勝ち取った。

津川信次夢叶い満足の表情

「このレースにエントリーした目的は一つ、夫婦での優勝でした。その目的が達成できて良かったですよ」と胸を撫で下ろす津川信次、自宅には無事二つのカップを持ち帰ることとなった。2位には中部地方選手権1位でダンロップユーザーの大橋渡(インプレッサ)が入り、ダンロップ勢1、2フィニッシュも達成している。

1人異次元のラン、宮嶋一人

 その他のクラスでも多数のダンロップユーザーが参加していたが、圧巻だったのはN4クラス。トップに立ったのは関東地方選手権1位の宮嶋一人(ランサー)第1ヒート1分14秒425、第2ヒート1分14秒150とただ1人1分14秒台前半を連発、圧倒的な速さで栄冠に輝いた。

第2ヒート名誉挽回のアタックをかけた佐藤正成は3位表彰台

 2位には宮嶋以外で唯一1分14秒台を出した中国地方選手権1位の金本辰也(ランサー)そして3位には第1ヒートでの出遅れから一気の挽回で近畿地方選手権3位の佐藤正成(ランサー)が入り、ダンロップユーザーが表彰台を独占する。

高舘光洋も獅子奮迅の活躍

 さらに4位にははるばる北海道から参加した北海道地方選手権1位の高舘光洋(ランサー)が、第1ヒートのミスコースにもくじけず第2ヒート冷静なドライブを見せランクイン。そして5位には近畿地方選手権2位の竹田宏太郎(ランサー)が入り、1位から5位までが全てダンロップユーザーという快挙を成し遂げた。

6度目のV貫禄漂う宮嶋一人

 2位以下を大きく引き離しての優勝となった宮嶋は「これでJAFカップの優勝も6回目になりました。そろそろこのカップ専用の棚でも作ろうかなと思っています」と余裕のコメントを残した。

 Dクラスでは津川信次とともに、全日本選手権トップドライバーとして参加した村上仁が実力を披露し2位を獲得。3位には同じく全日本選手権から参加の上野宗孝が入った。

 日本各地から集まったトップドライバー達が熱戦を繰り広げたオールスター戦は、激戦の連続だった今季のジムカーナシーンのラストを飾るにふさわしいものとなった。地方選手権のドライバー達はまたこのレースで他の地方選手権のトップドライバー、全日本選手権のドライバー達とまみえる為、そして全日本選手権のドライバー達はその頂点を目指す為、来春まで雌伏の期間を過ごすことになる。
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ニュルブルクリンク2014