第7・8戦 6月28日(土)~6月29日(日) 富士スピードウェイ(静岡県)
第7戦は国本雄資選手が激戦を制し、ポール・トゥ・ウインで今季3勝目!
第8戦は松井孝允選手がスタートでトップに立ち、独走のまま今季2勝目!


第7戦のスタート、予選2位の小林崇志選手がトップに浮上

 6月28~29日、フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)第4大会(第7戦、第8戦)が、「ザ・ワンメイクレース祭2008富士」の一戦として開催された。舞台となる富士スピードウェイは、前半はメインストレートから続く高速セクション、後半はタイトコーナーが続くテクニカルセクションという性格の異なるコースが組み合わされている。
 富士スピードウェイでは、第1大会が開催され、第1大会前に、第1回(3月12~13日)、第2回(4月3~4日)の公式テストが行われ、第4大会前の6月26~27日に第7回公式テストが行われた。今大会を前にして、マシンのシャッフルが行われた。ワンメイクで争われているだけに、個体差も考慮してシーズン途中でマシンの入れ替えがされる。シャッフル後の初走行が、第7回公式テストとなった。雨となった初日は3セッション、ドライとなった2日目に2セッションが行われた。初日のトップタイムは第1戦優勝の松井孝允選手。3セッションすべてでトップタイムをマークし、路面がドライとなった第3セッションでベストタイムを出した。2日目は第5セッションでランキングトップの国本雄資選手、第5セッションでランキング2位の佐藤公哉選手がトップタイムを出したが、2日目は国本雄資選手がトップとなった。

第7戦予選でトップタイムをマークした国本雄資選手

●第7戦、第8戦予選

 FCJ第4大会、第7戦と第8戦の予選は、それぞれ15分間の計測が10分のインターバルで行われた。第8戦の行われる日曜には雨も予想されたが、予選と第7戦が行われる土曜には、薄日が差し暖かく、路面は完全なドライコンディションとなった。
 午前9時25分に第7戦の予選は計測が開始。まず、国本雄資選手が1分43秒858のトップタイムをマークし、各ドライバーも徐々にペースを上げて、終盤には次々とトップが入れ替わったが、最後に国本雄資選手が1分43秒202を叩き出して、今季3度目のポールポジションを決めた。予選2位は小林崇志選手、松井孝允選手、佐藤公哉選手、李 康太選手、蒲生尚弥選手と続いた。

第8戦でもポールを獲得の国本雄資選手

 10分間のインターバルを経て第8戦の予選がスタートした。序盤から国本雄資選手が順調にトップタイムを刻み、各ドライバーも応戦したが、最後に1分43秒291をマーク。テストから順調な仕上がりを見せた国本雄資選手が、2戦連続、今季4回目のポールを決めた。予選2位は松井孝允選手、予選3位は佐藤公哉選手、そして蒲生尚弥選手、三浦和樹選手、李 康太選手と続いた。今回、マシンのシャッフルがあったが、予選でも大きな順位の変動はなく、ポイントランキング上位のドライバーは、確実にマシンをコントロールして、好タイムを記録していた。

13周目の1コーナーで国本雄資選手がトップを奪った

●第7戦決勝レース

 ツインリンクもてぎでの第3大会から5週間のインターバルで開催された第4大会の第7戦。第6戦は雨で大混乱のレースとなったが、第7戦は曇りとなり、路面はドライコンディション。15周で争われた決勝レースは、予選日の午後1時54分にスタート。ポールの国本雄資選手は、エンジンがストール気味となって出遅れてしまう。1コーナーでトップ立ったのは予選2位の小林崇志選手だった。それを国本雄資選手が追走したが、序盤は思うようにペースが伸びなかった。だが、中盤には本来のペースを取り戻した国本雄資選手は、小林崇志選手に果敢にアタック。11周目から激しく攻めた国本雄資選手は、13周目の1コーナーでインから並んで進入し、立ち上がりでは、ついにトップに浮上した。反撃を試みた小林崇志選手だったが、14周目にマシントラブルが発生して攻略ならず、そのままリタイアとなった。

レース序盤、佐藤公哉選手と松井孝允選手の3番手争い

 その後は国本雄資選手が安定した走りでレースをリード、1秒以上のタイム差で佐藤公哉選手が続き、さらに間隔を空けて松井孝允選手が続いた。トップ争いは接近することなく、そのままを国本雄資選手が、見事なリカバーで今季3勝目を決めた。2年間のフォーミュラ・BMW UK参戦を経て、今季FCJにデビューした佐藤公哉選手が2位に入って初表彰台を獲得。松井孝允選手が3位に入り、第1戦優勝、第2戦2位に次ぐ、5戦ぶり3回目の表彰台となった。4位は予選7位の山下雅之選手、5位は予選5位の李 康太選手、6位は予選6位の蒲生尚弥選手、7位は予選18位の千代勝正選手、8位は予選15位の國分一磨選手だった。

左から2位の佐藤公哉選手、優勝の国本雄資選手、3位の松井孝允選手

「木曜日、金曜日と流れがよく、予選でも自分の走りができてトップを獲れました。スタートでは、エンジンがストール気味となってしまい、1コーナーまでにトップを奪われてしまいました。後半には自分のペースがよくなり、前の小林選手にプレッシャーを掛けるように走っていました。1コーナーで3回目のアタックでインを取れて、抜くことができました。明日のレースもポールなので、スタートを決めて優勝したいです」と今季3勝目を飾った国本雄資選手。
「スタートはエンジンのピックアップがよくなく少し失敗気味だったのですが、松井選手も伸びがよくなく、1コーナーで並んだのですが、自分はブレーキを頑張ることができたので3番手に上がることができました。今回は、初日にマシントラブルが出てしまい、自分のミスでクルマを壊してしまったので、けっして流れはよくなかったのですが、こういう結果を出せてメカニックの方に感謝しています。明日のレースは3番手グリッドなので、どんどんチャンスを狙って、表彰台の真ん中に立てるように頑張って行きたいと思います」と2位の佐藤公哉選手。
「鈴鹿、もてぎと過去2大会は完走ができていなかったので、今回は、まずは完走という目標を掲げていましたが、それに関してはよかったと思います。しかし、1コーナーは自分が甘くて抜かれてしまったので、その点を含めて今日は80点ぐらいです。また、明日のレースは、天気がどうなるかわかりませんが、木曜と金曜に、レイン、ドライと走って、そんなに調子は悪くないので、明日のレースは攻めて行きたいと思います」と語る3位の松井孝允選手。

ウエットとなった第8戦、スタートで予選2位の松井孝允選手がトップに立った

●第8戦決勝レース

 日曜は天候が崩れ、朝から雨が降り続き、コースに霧が立ち込める場面もあるような不安定な天候だった。レース前に雨は上がったが、路面は完全なウエットコンディション。各マシンはレインタイヤを装着して、グリッドに並んだ。タイムスケジュールの進行が若干遅れて、21周の決勝レースは午後2時20分に水煙を上げながら一斉にスタート。ポールの国本雄資選手は、スタートはよかったが、加速中に水膜につかまってペースが伸びずに、4番手で1コーナーに進入。ここでトップを奪ったのは予選2位の松井孝允選手、少し離れて予選5位の三浦和樹選手、予選3位の佐藤公哉選手、国本雄資選手、予選4位の蒲生尚弥選手と続いた。1周目には3番手まで順位を上げた蒲生尚弥選手だったが、2周目には4番手に後退、3周目には国本雄資選手にパスされて5番手に後退した。4番手に浮上した国本雄資選手だったが、4周目の1コーナー進入で、後続の蒲生尚弥選手に追突される形となりコースオフ、すぐに復帰するも山下雅之選手にパスされて5番手に後退となった。

圧倒的な速さで今季2勝目を飾った松井孝允選手

「スタートの1コーナーでは無理はしなかった」という松井孝允選手だったが、トップに立った後も攻め続けて、グングンと後続を引き離していった。2番手を走っていた三浦和樹選手は、まず11周目の1コーナーで佐藤公哉選手にパスされ、13周目には山下雅之選手にもパスされて次第に後退。15周目に三浦和樹選手をパスして4番手に浮上した国本雄資選手だったが、4周目の追突でリヤウイングにダメージがあり、ペースを上げられないでいた。
 レースは、そのまま松井孝允選手の独走となり、後続を12秒706引き離す圧倒的な速さで、今季2勝目を達成。2位は2戦連続で佐藤公哉選手、3位には第4戦の2位以来の表彰台となる山下雅之選手。それに、国本雄資選手、予選9位の金井亮忠選手が続き、第6戦の3位に続く2度目の表彰台が期待された三浦和樹選手は、接触でペースが上げられずに6位に終わった。

2周目の1コーナー、佐藤公哉選手、蒲生尚弥選手、国本雄資選手の2番手争い

「木曜日の練習走行が雨で調子がよかったんです。今日もスタートで抜こうと思っていたわけではなく、前に出られたのはラッキーでした。トップに立ってからは自分のペースを見つけて攻めて走ったので、自分の力を100%出し切れたレースだったと思います。次回の鈴鹿ですが、前回も速さは見せられていたので、あとは安定した走りができれば、自然と結果は付いてくるかなと思います。過去2大会ではミスなともあって思うような成績を残せませんでしたが、今回は、その経験を生かせたレースだったと思います」と今季2勝目を飾った松井孝允選手。
「ウエットだった木曜日の練習走行では、マシントラブルが出てしまい、満足に走れていない状態だったので、ウエットの走りには少し不安はありました。でもスタートがうまく切れて、ペースも悪くなかったので、いいレースだったと思います。松井選手は離れてしまいましたが、自分の100%の力を発揮して前を見ながらプッシュして走りました。この調子で鈴鹿も行けるように頑張りたいです。」と2戦連続して2位でチェッカーを受けた佐藤公哉選手。
「雨に関しては今まで自信を持って走れていたので、今回のレースも雨が降ったら上の方にこられるかなというのは、自分でも思っていました。まわりのペースも上がっていなくて、1コーナーのブレーキングは自分がよかったので、1コーナーをパッシングポイントに考えて、常にプッシュしながら走りました。前のもてぎでは、同じような状況で自分がミスして表彰台を逃しているので、今回はミスしないように抜くチャンスを待って確実に走りました。次の鈴鹿では、しっかりと上の順位でゴールできるように頑張ります。」と3位の山下雅之選手。

左から2位の佐藤公哉選手、優勝の松井孝允選手、3位の山下雅之選手

 第8戦を終えた時点のポイントランキングは、第7戦優勝、第8戦4位の国本雄資選手が131点でトップをキープ。前大会で3勝目を飾った千代勝正選手が、第7戦7位、第8戦9位で95点となりランキング2位をキープした。トップの国本雄資選手と2位の千代勝正選手の得点差は9点から36点に広がった。第1戦で優勝の松井孝允選手は、第7戦で3位、第8戦で今季2勝目を飾って3位(79点)をキープ。4位は佐藤公哉選手(72点)、5位には22点を加算した山下雅之選手(48点)が6位から浮上、6位は1つ後退した銘苅 翼選手(34点)。
 次回、FCJ第5大会(第9戦、第10戦。フォーミュラ・ニッポン第5戦と併催)は、2週間のインターバルを経て、7月12~13日、鈴鹿サーキット(三重県)を舞台に開催される。
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Motercycle
ニュルブルクリンク2014