第5・6戦 5月19日(土)~5月20日(日) ツインリンクもてぎ
第5戦はレインタイヤを履いた栗原正之選手が初優勝!
第6戦は予選2位のケイ・コッツォリーノ選手が初優勝!
ウエットとなった第5戦のスタート
5月19日~5月20日、フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)第3大会(第5戦、第6戦)が、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第3戦と併催された。オーバルとロードコースという2種類のコースを備えるツインリンクもてぎ。FCJの舞台となるロードコースは、ストップ&ゴーの続くテクニカルコース。長い下り坂となるダウンヒルストレートから90度コーナーへの進入は、勝負どころのひとつとなっている。今季は、4月25~26日の第5回公式テストが、ツインリンクもてぎの初走行となった。レースウイークに入った5月17~18日には第6回公式テストが開催された。第6回公式テストは、1日目がウエット、2日目がドライとなり、両日ともに、地元栃木県出身の栗原正之選手がトップタイムをマークした。
第5戦でポールを獲得の山本尚貴選手
●第5戦、第6戦予選
土曜日に行われたFCJ第5戦、第6戦の予選は、10分のインターバルで2回、それぞれ15分間が計測。ドライコンディションとなった第5戦の予選は、定刻どおりに11時40分にスタートした。山本尚貴選手が、4周目に1分53秒940をマーク。その後、53秒に突入するマシンはなく、山本尚貴選手が初めてのポールポジションを獲得。予選2位には第2戦、第3戦と連勝を飾り、ランキングトップキープの国本京佑選手が入った。予選3位は国本雄資選手、予選4位は井口卓人選手、予選5位はケイ・コッツォリーノ選手、予選6位は田中誠也選手。木曜日と金曜日の公式テストでトップタイムをマークした栗原正之選手は、コースアウトしたこともあり、タイムが伸びずに予選8位に終わった。
10分間のインターバル後、第6戦の予選がスタート。序盤から、栗原正之選手、ケイ・コッツォリーノ選手、井口卓人選手らが、次々とトップタイムを更新しながらの激しい戦いが続いた。最後に、栗原正之選手がベストタイムを叩き出して、第5戦の予選での不振を払拭する初ポールを決めた。2位ケイ・コッツォリーノ選手、3位山本尚貴選手、4位国本京佑選手、5位井口卓人選手、6位には山本崇志選手がつけた。
雨の第5戦をリードした栗原正之選手
●第5戦決勝レース
12周で争われるFCJ5戦の決勝レースは、天候の急変で波乱のレース展開となった。当日は、午後から雨が降るという天気予報で、FJCの決勝前に行われたフォーミュラ・ニッポンのスペシャルステージの途中では小雨がパラついたが、すぐに止んだ。FCJ第5戦のスタート前には、ドライとなっていた。各車がフォーメーションラップを終えて、スターティンググリットに着いた時点で、予選5位のケイ・コッツォリーノ選手がエンジンストール。レースは1周減算の11周で再スタートとなった。
ここで雨が降り始め、ウエット宣言が出されることになった。雨の状況は不安定で、レインタイヤの選択はチームによって判断が分かれた。予選トップ5でレインタイヤを選んだのは、予選3位の国本雄資選手のみ。上位がスリックを選んだこともあり、6位以下では逆転をねらってレインタイヤに交換するチームが多かった。
第5戦で初優勝を達成した栗原正之選手
11周で争われた第5戦。予選2位の国本京佑選手が1コーナーを制したが、路面コンディションは予想以上に厳しくなっていた。ポールの山本尚貴選手はペースが上がらず、タイヤ交換のために1周目にピットイン。レインで追い上げるつもりの山本尚貴選手だったが、さらにフライングスタートでドライビングスルーペナルティが課されてしまった。オープニングラップを制したのは、レインタイヤを選んだ予選8位のルーキー・栗原正之選手。ウエットの木曜日にもトップタイムをマークしているだけに、レースでも好調だった。結局、栗原正之選手は、2位以下に7秒131のタイム差をつけ、ベストラップをマークする走りで、待望の初優勝を達成。
「予選ではミスをしましたが、決勝ではレインタイヤに賭けました。雨が続くのかという不安はありましたが、運も実力の内と自分を信じました。明日はポールなので頑張ります」と優勝の栗原正之選手。2位は予選7位の坂本雄也選手、3位には予選6位の田中誠也選手がつけた。
スタートでのエンジンストールが、レースの流れを大きく変えた一戦となった。
ドライで争われた第6戦のスタート
●第6戦決勝レース
前日とは一転して好天で迎えたFCJ第6戦は、フォーミュラ・ニッポン決勝直前のレースとして開催。18周の決勝レースは、3コーナーで中団グループの6台がからむ多重クラッシュが発生し、オープニングラップからセーフティカーが導入される展開となった。
1周目終了時点では、ポールの栗原正之選手がスタートミスで6番手まで後退。代わって予選2位のケイ・コッツォリーノ選手がトップを奪い、予選3位の山本尚貴選手、予選6位の山本崇志選手と続いた。
コッツォリーノ選手がレースをリード
セーフティカーは3周を終えた時点でピットイン、4周目から再びバトルが再開された。ケイ・コッツォリーノ選手に山本尚貴選手がピタリとつけて、激しいトップ争いが続いた。
スタートミスを挽回するべく、果敢に攻めていた栗原正之選手が、6周目には井口卓人選手をパスして4番手に浮上。7周目には3番手を走行中の山本崇志選手がフライングスタートで科されたピットスルーペナルティを消化したために上位争いから脱落。代わって栗原正之選手が3番手となった。
終盤はトップ4台が接近戦を展開した
レースは終盤まで激しいトップ争いが展開したが、ケイ・コッツォリーノ選手がトップを守り切ってチェッカー。参戦6戦目で、念願の初優勝を手に入れた。2位は第5戦でポールを獲得したがタイヤ選択とペナルティで沈んだ山本尚貴選手。3位争いは、ラスト2周で逆転劇があった。16周目の90度コーナーから栗原正之選手のマシンは、レブリミッター作動を示すリヤランプが点滅。そのため栗原正之選手のマシンはストレートが伸びなくなり、背後でチャンスを伺っていた井口卓人選手が17周目の1コーナーでパス、3位でチェッカーを受けた。
山本選手、コッツォリーノ選手、井口選手
「スタートはパーフェクトではなかったが、栗原クンが失敗したのでトップに出られた。セーフティカーで気持ちを落ち着けられました。山本クンがミラーに見えてプレッシャーはあったが、ミラーを見ずにタイムだけ見るようにしていました」とケイ・コッツォリーノ選手。
「今週は悔しいのひと言。昨日も勝てたはずなのに賭けに負けたので、今日は気持ちを切り替えました。何回かチャンスもありましたが、オーバーレブというミスを2、3回して遅れてしまい、抜くことはできなかった(エンジンをオーバーレブさせると、レブリミッターのモードが自動で変わり、一定時間全開状態にできなくなる。後方のドライバーは尾灯の点滅で、この状態に入ったのが確認できる)。この悔しさをバネに富士では勝ちたいです」と山本尚貴選手。
第6戦終了時点でのポイントランキングは、1位国本京佑(79点)、2位井口卓人(59点)、3位田中誠也(56点)、4位中嶋大祐(45点)、5位栗原正之(43点)、山本尚貴(38点)、7位ケイ・コッツォリーノ(32点)、山内英輝(24点)となっている。
FCJ第4大会(第7戦、第8戦)は、6月16~17日、富士スピードウェイで開催される。