第3・4戦 5月10日(土)~5月11日(日) 鈴鹿サーキット(三重県)
第3戦は参戦2年目の千代勝正選手が初優勝を達成!
第4戦は千代勝正選手がポール・トゥ・ウインで2連勝!


第3戦のスタートシーン

 5月10~11日、フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)第2大会(第3戦、第4戦)が、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第2戦と併催された。舞台となる鈴鹿サーキットは、低速&高速コーナー、長いストレートがバランスよく組み合わされたテクニカルコース。ここでは、4月16~17日に第3回公式テスト、レースウィークの5月8日~9日には第4回公式テストと、第2大会を前にして、2回の公式テストが行われている。
 第3回公式テストは、初日がドライで3セッション、2日目はウエットで3セッションが行われた。初日は第2戦で優勝の国本雄資選手が、2日目はFCJルーキーの佐藤公哉選手が、それぞれトップタイムをマークした。両日ドライで行われた第4回公式テストは、国本雄資選手が総合でトップタイムをマーク。千代勝正選手、山下雅之選手、佐藤公哉選手と続いた。

第3戦でポールの松井孝允選手

●第3戦、第4戦予選

 FCJ第2大会、第3戦と第4戦の予選は、それぞれ15分間の計測が10分のインターバルで行われた。予選日は朝から雨が降り、路面は完全なウエットコンディションとなった。
 午前9時15分に第3戦の予選は計測が開始された。各車はウエットタイヤで予選に臨んだが、雨量は多くコースアウトするマシンが続出し、各車は苦労しながらの走行となるが、徐々にトップタイムが更新されていった。終盤に国本雄資選手が2分21秒台に突入し、それを次々と更新するマシンが現れた。ラストアタックで山下雅之選手がトップに立ったが、それを第1戦でポール・トゥ・ウインを決めた松井孝允選手が最後に破り、今季2度目のポールポジションを決めた。2位山下雅之選手、3位千代勝正選手、4位細川健治選手、5位佐藤公哉選手と続き、国本雄資選手はタイムが伸びず予選6位に終わった。

第4戦でポールの千代勝正選手

 10分間のインターバルを経て第4戦の予選がスタート。雨の量は多く、レインタイヤといえども路面は滑りやすい状態のままで、難しいコンディションが続いていた。ここでも、まず国本雄資選手が、一気にトップタイムを更新してトップに浮上する。その後はコースアウトするマシンもあって、なかなかトップタイムの更新ができずにいた。終盤になって山下雅之選手がトップに浮上したが、ラストアタックで2分20秒958をマークした千代勝正選手が参戦2年目で初のポールポジションを獲得。2位山下雅之選手、3位国本雄資選手、4位細川健治選手、第3戦でポールの松井孝允選手は5位、6位は銘苅翼選手だった。

初優勝を決めた千代勝正選手

●第3戦決勝レース

 富士スピードウェイの第1大会は、2戦ともにドライコンディションでのレースだったが、土曜の午後1時30分にスタート予定の第3戦は一転、雨が降り続くウエットのレースとなった。スターティンググリッドに着いた各車がフォーメーションラップ走行中に、なんとポールの松井孝允選手が2コーナーの立ち上がりでスピンをしてマシンを壊して、戦列を去った。各車はフォーメーションラップを終えてスターティンググリッドに着いたが、ここで霜野誠友選手がエンジンストールでスタートディレイとなり、レースは仕切り直しとなった。
 レースは、1周減算されて11周でスタートが切られた。前がクリアになった予選3番手の千代勝正選手が、ステアリングをアウトからインに切りながらトップで1コーナーを目指した。やや出遅れた予選2位の山下雅之選手は、すぐ右側に並びかけた予選4位の細川健治選手をけん制しながら、2台でアウトにはらんでいった。細川健治選手はタイヤをダートに落としながらも、なんとか持ちこたえて3番手をキープして1コーナーに進入し、それに予選6位の国本雄資選手が続いた。

3番手争いを展開した国本雄資選手

 前車の跳ね上げる水しぶきで後続の視界は極端に悪く、雨の量も多かったために、1周目で5台がリタイアとなる波乱の展開。1コーナーで2番手に立って表彰台も期待された山下雅之選手は、130Rでスピンして0周でリタイアとなってしまった。
 スタートでトップを奪った千代勝正選手を細川健治選手が追い、その後方では国本雄資選手と佐藤公哉選手が3位争いを展開する形となった。2グループに分かれたトップ4の争いは、巧にマシンをコントロールしながらスリリングに展開された。だが接近はするものの抜くまでには至らず、1周目のオーダーのままでチェッカー。26台中、完走16台という荒れた一戦となった。
 参戦2年目の千代勝正選手が、第1戦の3位初表彰台に続き、待望の初優勝を達成。2位は細川健治選手、3位にはランキングトップの国本雄資選手が入った。4位に佐藤公哉選手、5位に國分一磨選手、6位には金井亮忠選手が入った。

左から2位の細川健治選手、優勝の千代勝正選手、3位の国本雄資選手

「雨は視界が悪いので、スタートダッシュで前に出たいと思っていました。1回目のフォーメーションラップでは、濡れた路面でホイールスピンが激しく、難しいスタートになると感じていました。スタートでは、エンジン回転を落とし気味にして、気持ちを集中してクラッチミートしたら、うまくトップへ出られました。1周目から後続を引き離そうと頑張ったら、後ろも離れていったので、自分のペースで最後まで集中して走りました」とうれしい初優勝を決めた千代勝正選手。
「スタートでは少しホイールスピンが多くなってしまい、クルマを前に進ませることができませんでした。それでも前の選手のミスで2番手に上がりました。ただ、千代選手には迫ることができませんでした。それでも、レース中はS字コーナーギヤのポジションを変えたり、走行ラインを変えたりと試していて、結果的にはファステストラップタイムを記録できました」と振り返る細川健治選手。
「今週は木曜から調子がよく、予選でも前に行けるだろうと思っていました。しかし予選が雨となり、タイヤの空気圧調整がうまく行かずに、6番手からのスタートになりました。決勝は、視界が悪く黄旗が出るという難しい状況だったので、3位とはいえ完走できたことに満足しています」と語る国本雄資選手。

第4戦のスタートでは、国本雄資選手がコースオフしかけたが無事に復帰

●第4戦決勝レース

 FCJ第4戦は、フォーミュラ・ニッポンのフリー走行、サポートレースのシビック西日本シリーズに続いて開催された。前日の雨は朝には上がってはいたが、曇天で湿度も高いために2カテゴリーの走行後でも路面は部分的にハーフウエットコンディションだった。
 17周で争われたレースは、序盤からポールの千代勝正選手がバツグンの速さを発揮してトップで1コーナーに飛び込んだ。予選5位の松井孝允選手は、2番手争いをしていた予選2位の山下雅之選手と予選3位の国本雄資選手を尻目にステアリングをインに切り込んで1コーナー手前までに2番手を奪っていた。それに山下雅之選手、予選4位の細川健治選手と続いた。国本雄資選手は1コーナー手前でマシンの左タイヤをダートに落としてしまい5番手に後退。1周目には細川健治選手が3番手に順位を上げ、国本雄資選手が4番手となった。だが、2周目の1コーナーでは山下雅之選手が国本雄資選手をパスして再び4番手に浮上した。

レース序盤、松井孝允選手と細川健治選手が2位争いを展開したがシケインで接触

 その後は、千代勝正選手が安定した走りでリードを広げて、その後方では松井孝允選手と細川健治選手の2番手争いが展開されていた。だが4周目のシケインで、その2台が接触してしまい、松井孝允選手は最後尾となった。細川健治選手は8番手まで後退し、8周目には7番手まで順位を上げたが、ペナルティで10秒のピットストップが科されて、上位争いから脱落。
 レースは、千代勝正選手が2位に7秒063差という独走となり、ポール・トゥ・ウインで2連勝を達成した。スタートから終始展開されていた山下雅之選手と国本雄資選手の2番手争いは、山下雅之選手が逃げ切って2位入賞を果たした。国本雄資選手は悔しい3位。4位は予選6位の銘苅 翼選手、5位は予選9位の金井亮忠選手、6位は予選8位の佐藤公哉選手だった。

2、3番手の接触後は、山下雅之選手を先頭にした4番手争いが2番手争いとなった

「コースインのラップとフォーメーションラップで、コース上の乾いている場所を確認していて、1周目はそこを走ろうというイメージでスタートしました。1周目のシケインまでは後ろを気にしていましたが、それからは後ろを気にしないで自分の走りに集中しました。昨日のような雨でも、今日のような天気でも速く走れて最高です。シーズンは始まったばかりなので、気を引き締めてレースに臨もうと思います」と優勝の千代勝正選手。
「2番手グリッドはコースのイン側で、路面は濡れていました。タイヤの皮むきをして、温めてスタートに臨みましたが、ホイールスピンが多くなり、後続のクルマに先行されてしまいました。その後、前で接触があって、2番手に順位を上げられました。それからは千代選手に追いつこうと思いながら最後まで走りました」と2位でチェッカーの山下雅之選手。
「悔しいです。木曜と金曜のドライ路面は調子がよかったので、これなら優勝できると思っていましたが、千代勝正選手は速かったですね。スタートでは山下選手との競り合いで、コースの外に出てしまい順位を落としました。その後は前にプレッシャーを掛けたのですが、追い抜くことはできませんでした」と厳しい表情でレースを振り返る国本雄資選手。

左から2位の山下雅之選手、優勝の千代勝正選手、3位の国本雄資選手

 第4戦を終えた時点のポイントランキングは、第1戦2位、第2戦優勝、今大会連続3位の国本雄資選手が61点でトップをキープ。今大会2連勝を飾った千代勝正選手が54点で2位となり、第1戦優勝、第2戦2位の松井孝允選手は、今大会は第3戦のポールの1点のみの加算に終わり38点で3位に後退した。だが、選手権ポイントは、1位で20点加算されるだけに、チャンピオン争いは、残る6大会でさらに激しさを増していくだろう。
 次回、FCJ第3大会(第5戦、第6戦)は、5月24~25日、ツインリンクもてぎ(栃木県)を舞台にフォーミュラ・ニッポン第3戦と併催される。
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Motercycle
ニュルブルクリンク2014