第15・16戦(最終大会) 9月20日(土)~9月21日(日) スポーツランドSUGO(宮城県)
第15戦は国本雄資選手がポール・トゥ・ウインで今季7勝目を達成!
第16戦は連続ポールの国本雄資選手が4連勝で有終の美を飾る!


ドライで争われた第15戦のスタート

 9月20~21日、フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)最終大会(第15戦、第16戦)は、今季初となるスポーツランドSUGOを舞台に開催された。アップダウンが続き、各種コーナーが組み合わされたテクニカルなコース。最終コーナーから続く急勾配のストレートを駆け上がり、1コーナー進入で展開されるスリリングなバトルが魅力となっている。
 スポーツランドSUGOは、昨年初めてFCJが開催され、今回が昨年に続いて2回目の開催となる。レースウィークの18~19日に、今季、スポーツランドSUGOでのFCJ初走行となる第11回公式テストが行われた。両日に1時間の走行枠で2セッションずつ、計4セッションが行われた。ともに好天に恵まれて、ドライコンディションでの走行となった。
 両日ともに、第13戦でチャンピオンを決めている国本雄資選手がトップタイムをマーク。昨年、初開催となったスポーツランドSUGOで、2戦ともにポール・トゥ・ウインで制している国本雄資選手だけに、前回の富士スピードウェイで連勝した勢いに乗って、ここでも公式テストからバツグンの速さを発揮した。2日間の総合2位は今季3勝の松井孝允選手、3位は東 徹次郎選手、4位には小林崇志選手がつけた。

第15戦でポールを決めた国本雄資選手

●第15戦、第16戦予選

 土曜日に行われたFCJ最終大会、第15戦と第16戦の予選は、それぞれ15分間の計測が10分のインターバルで行われた。天候は曇り、ドライで第15戦の予選計測が、午前9時50分にスタートした。各ドライバーが果敢にタイムアタックを続け、トップタイムは次々と更新されていった。結局、国本雄資選手が、10周計測中の9周目にマークした1分21秒421がトップタイムとなり、今季6度目のポールポジションをマークした。予選2位の小林崇志選手(1分21秒453)までがコースレコードを更新。以下、蒲生尚弥選手、佐々木大樹選手、金井亮忠選手、佐藤公哉選手、千代勝正選手、松井孝允選手、三浦和樹選手、國分一磨選手と続いた。

今季最多となる通算7回目のポールを獲得した08年チャンピオンの国本雄資選手

 10分間のインターバルを経て、午前10時20分に第16戦の予選計測が開始された。ここでも速さを見せたのは国本雄資選手だった。計測7周目には、第15戦の予選で自身が叩き出したコースレコードを更新する1分21秒194をマーク。終盤に向けて、さらなるタイムアップが期待されたが、1台のマシンがクラッシュしたために予選は赤旗中断。コースがクリアにされるのを待って、予選は残り3分間で再開された。だが、国本雄資選手のタイムを更新することはできず、2戦連続のポールが決まった。2位には佐々木大樹選手、佐藤公哉選手、阿部 光選手、蒲生尚弥選手、東徹次郎選手、千代勝正選手、松井孝允選手、李 康太選手、三浦和樹選手が、予選でのトップ10に入ったドライバーとなった。

レース序盤からリードする国本雄資選手

●第15戦決勝レース

 土曜の午後に行われた最終大会の第15戦は、曇り空の下、午後1時28分に18周のレースがスタート。ミスなくスタートを決めて1コーナーに向かうポールの国本雄資選手に、好スタートを決めた予選2位の小林崇志選手がアウトから並ぶが、イン側の国本雄資選手がトップをキープして1コーナーへ進入し、トップ6は予選のポジションのままで1コーナーに続いた。予選7位の千代勝正選手をかわして7番手で進入したのは予選8位の松井孝允選手だっだ、だかその後逆転されたために、1周目のオーダーは、トップ9までは予選と変動はなかった。そして予選12位の阿部 光選手は、スタートの1コーナーで10番手まで順位をアップさせ、その後もチャンスを待っていた。

終始、蒲生尚弥選手(前)と佐々木大樹選手(後ろ)の激しい3位争いが続いた

 途中、国本雄資選手と小林崇志選手が接近する場面もあったが、国本雄資選手のペースアップと小林崇志選手のミスで、再び間隔が開いた。結局、国本雄資選手が終始トップをキープして、2位の小林崇志選手に0.834秒差で今季7勝目をマーク。昨年のSUGO大会で2戦ともにポール・トゥ・ウインを決めている国本雄資選手は、SUGOで3戦連続の勝利を飾り、強さを見せつけた。3位蒲生尚弥選手、4位佐々木大樹選手、5位金井亮忠選手、6位佐藤公哉、7位千代勝正選手。8位には予選12位から追い上げた阿部 光選手が入り、9位佐藤公哉選手、10位は三浦和樹選手だった。レース中のベストラップも、国本雄資選手が11周目にマークと、ここまで各セクションョンのトップは、すべて国本雄資選手がキープしている。

左から2位の小林崇志選手、優勝の国本雄資選手、3位の蒲生尚弥選手

「今回はテストから調子がよくて、自信のあるSUGOで最後まで自分の走りができました。スタートはあまりよくなかったのですが抜かれずに、自分の限界を出し切れて走れたので、最終戦に向けての自信につながりました。序盤はクルマのバランスがよくなかったので、追いつかれましたが、このコースは抜きにくいので、そう簡単には抜かれないと思っていました。明日も優勝してSUGOでの4連続ポール・トゥ・ウインを狙います」と国本雄資選手は、レースを振り返り、最終戦への決意を語った。
「テストから調子がよくて、予選ではポールポジションを狙っていました。スタートはうまく決まって並べたのですが、アウト側だったので抜くことはできませんでした。レースの途中では追いついたのですが、自分のミスで離されてしまって、悔しいレースになりました。でも、得たものもあったので、次のレースで活かしたいと思います」と小林崇志選手。
「SUGOは初めてですが、どのコーナーも楽しく走れました。テストは順位がよくなくてタイム差もありましたが、予選前に自分なりに考えて走った結果、昨日よりもいい予選順位になりました。レースでは前の2台に離され、自分のミスで後ろに追いつかれましたが、最後のレースでは、それらの課題を克服したいと思います」と3位の蒲生尚弥選手。

1周目から2位以下を大きく引き離してチャンピオンの強さを発揮した国本雄資選手

●第16戦決勝レース

 日曜は朝から雨が降っていたため、タイムスケジュールに変更があった。レースウィークでは初のウエットということもあり、レース前に10分間のフリー走行が行われ、周回数を25周から15周に減算して、フリー走行の時間が調整された。各マシンは、レースウィークで初となるウエット走行を、レース前の10分間行い、マシンをチェックした。
 15周のレースは、フリー走行の後、午前9時49分にスタート。ポールの国本雄資選手は、トップをキープしながら1コーナーに進入。予選2位の佐々木大樹選手が背後につけて追走した。次第に国本雄資選手の独走体勢となり、後続を引き離した。
 2周目には、予選3位の佐藤公哉選手が2番手に浮上。佐々木大樹選手はジワジワと後退することになった。6周目には蒲生尚弥選手が3番手に浮上したが、2番手との距離は開いていた。

2位でチェッカーを受けた佐藤公哉選手

 レースはウエットの中、大きなアクシデントもなく周回が重ねられていった。国本雄資選手は安定したペースで2番手の佐藤公哉選手とのリード広げて、そのまま今季8勝目を達成。レース中のファステストラップこそ松井孝允選手に譲ったが、スポーツランドSUGOで4戦連続のポール・トゥ・ウインを決めた。2位は佐藤公哉選手、3位は蒲生尚弥選手。4位には予選8位から順位を上げた松井孝允選手、佐々木大樹選手は5位でチェッカー。6位には予選11位の金井亮忠選手が入り、7位東 徹次郎選手、8位三浦和樹選手、9位日向俊博選手、10位李 孝太選手がトップ10入りとなった。

レース序盤、佐々木大樹選手、蒲生尚弥選手、松井孝允選手(前から)の3位争い

「レース前のフリー走行ではクルマのバランスがよくなかったのですが、それをメカニックに伝えてうまく対処することができたので、自分の走りができればレースは大丈夫だろうと思いました。スタートが決まって1周目から後続を引き離せました。小さなミスはありましたが、最後まで集中してプッシュし続けられたので、自信につながりました。今年はいろいろな方にサポートをいただき、最高の環境だったので開幕前から自信はありました。第2戦の優勝からうまく流れをつかみ、この最終大会で8度目の優勝できました。でも、まだ自分には足りない部分もありますので、これからそれを補っていきたいと思います。11月のマカオGPでは、サポートレースのフォーミュラBMWに出場する予定です。速さを発揮して自分をアピールしたいと思います」と目標を語る国本雄資選手。
「3番グリッドからのスタートで、ウエットなので自信がありました。フリー走行でも感触はよくて、優勝も狙えると思いました。ただ、1周目に佐々木選手を抜くのに少し時間が掛かってしまい、中盤にはフロントタイヤが厳しくなってタイムも下がり、蒲生選手に追いつかれてしまい、いまひとつのレースでした。シリーズはどうにか2位で終えることができましたが、もう少し早くエンジンが掛かっていればチャンピオン争いの勝負ができたという悔いもあります。来季はまだ何も決まっていませんが、レースができることになれば、今年1年受けたアドバイザーのみなさんの意見を活かして頑張ります」と2位の佐藤公哉選手。
「今朝、このコースでは初めてのウエットコンディションを走りました。いい感じで走れたので、自信を持って決勝を迎えました。スタートはうまくいって1台を抜き、もっと前を狙いたかったのですが、佐々木選手を抜くのに時間が掛かり、佐藤選手との差が開いてしまいました。でも、3番手になってからは前との差を詰めることもできたし、15周を集中してミスもなく走れたので、よかったと思います。今年の序盤は気持ちが焦ってしまい、結果を残せず、自分の思うような走りができませんでした。いいときも悪いときもありましたが、このレースはよかったので、有終の美を飾れたと思います」と語る3位の蒲生尚弥選手。

左から2位の佐藤公哉選手、優勝の国本雄資選手、3位の蒲生尚弥選手

 全16戦を終えた時点のポイントランキングトップは、今季8勝を飾り、第8戦の4位以外はすべて表彰台でフィニッシュという安定した走りで、272点を獲得して2位に101点差という圧倒的な強さを発揮した国本雄資選手。2年目のFCJチャレンジとなった国本雄資選手は、3戦を残して今季のチャンピオンを決めた。また、兄・京佑は、昨年のFCJチャンピオンで、今季は全日本F3選手権にステップアップして、ポイントランキング2位でシーズンを終えている。11月のマカオGPでは、兄・京佑はF3、弟・雄資はフォーミュラ・BMWで、揃って参戦予定となっている。第15戦は6位、第16戦は2位となった佐藤公哉選手(171点)がランキング2位。ランキング3位は今季3勝の千代勝正選手(136点)、同じく今季3勝の松井孝允選手が129点でランキング4位とトップ4に順位の変動はなし。第15戦で5位、第16戦6位の金井亮忠選手(78点)は6位から5位に浮上。山下雅之選手(67点)はノーポイントで5位から6位に後退した。第11戦で初優勝の銘苅 翼選手(63点)はノーポイントで7位をキープ。8位は蒲生尚弥選手(62点)、9位は小林崇志選手(51点)、三浦和樹選手は4点の加算で8位から10位に後退した(46点)。
 今年は、鈴鹿サーキットの施設改修の影響もあって、例年とはスケジュールが変更となったために、3年目を迎えた今季のFCJは、ひと足早く全戦のフィナーレを迎えた。来季、また新たなドラマがスタートするのが待ち遠しいシーズンオフとなることだろう。
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Motercycle
ニュルブルクリンク2014