第13・14戦 9月15日(土)~9月16日(日) スポーツランドSUGO(宮城県)
第13戦は国本雄資選手がポール・トゥ・ウインで今季2勝目を飾る!
第14戦は連続ポールの国本雄資選手がシリーズ初の3連勝を達成!
第14戦、山本尚輝選手を従え、国本雄資選手は右手を上げてトップでチェッカー
9月15~16日、フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)第7大会(第13戦、第14戦)が、初開催となるスポーツランドSUGOを舞台に開催された。アップダウンがあり、テクニカルなコーナーが組み合わされたスポーツランドSUGO。最終コーナーから急勾配のストレートを駆け上がり、1コーナーへと激しいバトルが見どころとなっている。
レースウィークの9月13~14日に設けられた第10回公式テストは、両日ともに2セッション、計4セッションの走行が行われた。スポーツランドSUGOは、どのドライバーにとってもFCJで走行するのは初めてとなる。各ドライバーは、この2日間の走行だけで、本番に臨むこととなる。総合でトップタイムをマークしたのは、第12戦富士スピードウェイで初優勝を飾った国本雄資選手。9月12日に17歳の誕生日を迎えたばかりという国本雄資選手は、富士から続く好調の波に乗っている。2番手は第11戦で2位、第13戦で3位に入った松井孝允選手、3番手には国本雄資選手の兄でもあり、今季2勝を決めてランキングトップの国本京祐選手がつけた。
第13戦と第14戦は、抜群の速さを発揮した国本雄資選手が2戦連続でポール獲得
第13戦、第14戦予選
FCJ第13戦と第14戦の予選は、それぞれ15分間の計測が10分のインターバルを挟んで行われた。サーキットには、早朝から霧が立ち込めていたが、予選の時間が近づくにつれてクリアになった。第13戦の予選は、土曜日の午前9時30分にスタート。序盤から次々にトップタイムが更新される。途中、国本京佑選手が最終コーナーでクラッシュしたため、予選は赤旗中断となるが、最終的に国本雄資選手がトップタイムをマークして待望の初ポールを獲得。予選2位は八重樫啓太選手、予選3位に山本尚輝選手、予選4位には糸田川和亮選手がつけた。
第13戦、第14戦と好タイムをマークし、ともに予選2位となった八重樫啓太選手
続く第14戦の予選は、序盤から周回を重ねるごとに次々とタイムが更新されていったが、結局、国本雄資選手が4周目にマークした1分21秒691がトップタイムとなり、2戦連続のポール獲得となった。予選2位以下は、八重樫啓太選手、山本尚輝選手、糸田川和亮選手と、トップ4は、同じドライバーが揃った。第11戦で初表彰台となる決勝3位、第12戦で初優勝を飾った国本雄資選手の強さが光る予選となった。
ポールの国本雄資選手が好スタートを決めてトップを守って、そのままレースをリード
第13戦決勝レース
18周で争われたFCJ第13戦は、土曜日の午後2時10分にスタートが切られた。ポールの国本雄資選手は好スタートを決めてトップで1コーナーへ飛び込んだ。予選2位の八重樫啓太選手はクラッチミートに失敗して加速が鈍り、好スタートを決めた予選4位の糸田川和亮選手がアウトから並んで1コーナーに進入。立ち上がりで糸田川和亮選手が前へ出て、そのまま2番手を奪取。3番手は八重樫啓太選手、4番手は予選6位の松井孝允選手、5番手は予選8位の坂本雄也選手、6番手には予選3位から大きく順位を落とした山本尚輝選手が続いた。
国本雄資選手の後方では、車番11の糸田川和亮選手を先頭に2番手争いが展開
だが、1周目のS字の立ち上がりで多重クラッシュが発生して4台のマシンがストップ。その処理のために2周目からセーフティカーが導入されて、レースは仕切り直し。6周目に再スタートとなったが、ここでも国本雄資選手の勢いは止まらず、レースをリード。その後方では、ペースの上がらない糸田川和亮選手を先頭に、八重樫啓太選手、松井孝允選手、坂本雄也選手という4台が連なって2番手争いが展開。6番手につけていた山本尚輝選手は6周目にクラッシュでリタイア。代わって予選7位の和田浩二が6番手に浮上。
国本雄資選手は、そのまま独走でポール・トゥ・フィニッシュ、第12戦富士スピードウェイに続いて鮮やかな2連勝を達成。2番手から5番手は、バトルはあったものの、最後まで順位の変動はないままでチェッカーとなった。
第12戦に続いて連勝の国本雄資選手
「2連勝できて、ほんとうにうれしいです。木曜からいい流れで来られて、金曜もトップになれました。予選も2つともポールを取れて、気持ちを状態に保ったままで決勝を走れました。スタートもうまく決まり、後ろをどんどん引き離すことができました。明日はもっと突き放して優勝します」と2連勝を決めた国本雄資選手は、決勝へ向けての決意を語った。
「スタートがうまく決まり、2番手まで上がれたのですが、フロントタイヤの内圧が高過ぎたようで、最終コーナーなどがきつくてペースが上がらず追い上げられませんでした。後ろから追い上げられることになりましたが、どうしても抑え切らなければと頑張りました。明日はスタートを決めて優勝したいと思います」と語る糸田川和亮選手。
「スタートはクラッチミートに失敗して加速が鈍って順位を落とした。そこからは何とか集中力を保って挽回しようと前を追ったが、自分のミスが多く、結局差を詰められないで終わってしまいました。正直悔しい3位でしたが、今回は結果を出すことができました。明日しっかり走ってできるだけ上でゴールできるように頑張ります」と八重樫啓太選手。
好スタートを決めて優勝の国本雄資選手
第14戦決勝レース
日曜日、フォーミュラ・ニッポンのフリー走行後に、2番目のサポートレースとして行われたFCJ第14戦。25周で争われた決勝レースは、午前10時25分にスタート。連続ポールの国本雄資選手が一歩リードして1コーナーを進入。続いて予選2位の八重樫啓太選手を先頭に上位グループが接近して1コーナーを目指したが、大きな混乱もなく各マシンは1コーナーを立ち上がり、国本雄資選手がトップでグランドスタンド前へ戻ってきた。その後方では、山本尚貴選手が八重樫啓太選手の背後にピタリとつけ、1コーナー手前でアウトに並び、豪快なパッシングを披露して八重樫啓太選手から2番手を奪った。
2周目の1コーナーで八重樫啓太選手をパスして2番手に浮上した山本尚貴選手
レースは、1秒以上前を走るトップの国本雄資選手を山本尚貴選手が追う展開となった。3番手の八重樫啓太選手は単独走行となり、その後方は糸田川和亮選手を先頭にした4番手争いが続いた。3番手の八重樫啓太選手は、23周目に単独でスピンをしてトップ争いから脱落。糸田川和亮選手が上位2台から大きく引き離されながらも3番手に浮上。
トップの国本雄資選手を追走する山本尚貴選手、緊張感あるバトルが続き、2台のタイム差は1秒前後で変動。終始、安定したラップを刻んだ国本雄資選手は、山本尚貴選手とのマージンをキープしながら、コンマ699秒引き離して2戦連続のポール・トゥ・ウイン。FCJ初となる3連勝をマーク。3位はトップから17秒814差で糸田川和亮選手、4位岩崎祐貴選手、5位井口卓人選手、6位には予選16位のケイ・コッツォリーノ選手が入った。
左から2位の山本尚貴選手、優勝の国本雄資選手、3位の糸田川和亮選手
「ずっと山本君が近くにいて、強いプレッシャーが掛かったんですが、それをバネにして頑張ろうとプッシュして100%の力を出し切れました。鈴鹿から富士まではインターバルが長かったので、このままじゃ全然ダメだと思って、心を入れ替えてイメージトレーニングとかフィジカルトレーニングとか、今まで以上に頑張ったことで、気持ちの面で強くなれたと思います。富士で1勝できて、自信がつきました。何としても連勝するという強い気持ちでSUGOに臨んだことが、3連勝につながったと思います。次のもてぎ大会でも、木曜から全力でいい流れを作り、プッシュし続けて優勝できるように頑張ります」とFCJ初の3連勝を達成した国本雄資選手はレースを振り返り、次戦への決意を語った。
「スタートはポジションキープでしたが、なんとしても昨日の借りを返そうと思って2番手の選手を抜いて、そこまではよかったのですが、今一歩追い詰められないままで、あのようなレースになってしまった。昨日は自分のミスでクルマを壊してしまい、メカニックの方をはじめ迷惑を掛けてしまったのですが、表彰台に登ることができ、感謝しています。もてぎは地元なので、ベストを尽くして優勝できるように頑張ります」と語る山本尚貴選手。
「今日はスタートも悪く、ペースもかなり悪くて、後続に追いつかれてしまったのですが、そこから気持ちを切り替えて、何とか引き離せてポジションキープできました。それが八重樫さんがスピンして3位になれた結果につながったと思います。ドライビングはまだまだ甘いので、少し考え直して、もてぎは頑張ります」と糸田川和亮選手はコメント。
第14戦終了時点でのポイントランキングは、1位国本京佑(139点)、2位田中誠也(116点)、3位山本尚貴(113点)、4位井口卓人(107点)、5位中嶋大祐(106点)、6位国本雄資(89点)。第7大会はノーポイントだった中嶋大祐選手がランキング3位から5位に後退。3連勝を飾った国本雄資選手がランキング9位から6位に浮上した。
次回、FCJ第8大会(第15戦、第16戦)は、10月20~21日、今季2度目となるツインリンクもてぎ(栃木県)を舞台に、フォーミュラ・ニッポン第8戦と併催される。