第7戦 2009年9月13日 京都府コスモスパーク
第7戦、コスモスパークでダンロップ勢が4クラスを制覇。
全日本ダートトライアルもこの第7戦コスモスパークを含め残すは後2戦。前戦よりすでにタイトルが確定したクラスも出始め、この第7戦でもいくつのクラスがタイトルを決定するかは未定だが新たなチャンピオンが誕生するに違いないはずだ。そのシリーズ第7戦となるコスモスパークは昨年とほぼ日程が変らない9月の第一週目の週末に開催を迎えた。このコスモスパークは隣接する日吉ダムの建設の際に浚渫した残土で建設された施設で、日吉ダムの貯水池に貯められる水の量は6,600万m3と、なんと東京ドームの約53杯分にも相当する。そんな大きな日吉ダムだけあってコスモスパークへのアクセスは思ったよりもスムーズにアクセスできてしまう。そしてコースは全体的にフラットで構成され、ロングなストレートが2本も含まれるハイスピードなコースとなる。そしてレース前日の土曜日は予報どおりに雨となり、この雨が明日の競技にどの様な影響を与えるかが選手を含め関係者にとって気になるところだ。
迎えた決勝当日は朝から晴天に恵まれ、コスモスパークの路面はやはり昨日の雨を含んだ分、かなり柔らかい路面となっていた。これに対しダンロップユーザーの殆どはウエットを主体としたDIREZZA 74RやDIREZZA 86RWを履き1本目に望む。
ようやく成立を向かえたPNクラス。是非ともこのような現行車がもっと参加して欲しい。
最初にスタートを切ったのは今年から新設となったPNクラス。過去3戦に渡り不成立となっていたこのクラスが、ようやくこのコスモスパークで初成立を迎えた。そして記念すべき初の優勝を手にしたのはダンロップユーザーの長田聖人(スイフト)である。
その長田は1本目を2番手で折り返し、2本目ではなんと1本目のタイムを4秒以上も上回る1分45秒207のベストタイムを更新。2位に2秒以上ものタイム差を広げて見事、初成立のPNクラスで初優勝を飾った。優勝を飾った長田は「協力してくれた会社の人達に優勝できた事を早く伝えたいです。また急に成立となったので驚いています。」とコメントを残した。
勝ってタイトル獲得へ望みを繋げた伊藤益弘。
排気量1600cc以下の4輪駆動車で争われるN2クラスで、またもダンロップユーザーが大暴れ。毎回、このクラスの表彰台を黄色いキャップを被ったダンロップユーザーが大半を占めているが、今回はその全てを占領、黄色一色に染め上げた。その一番真ん中に立っていたのは、ここ京都を地元とする伊藤益弘(ブーン)だ。優勝を飾った伊藤は前回の優勝から3年もの時間が過ぎており、今回地元で優勝できた事がとても嬉しそうだ。この優勝で更なる自信がついたのか「最終戦の門前が楽しみになりました。」と次戦に向けての意気込みを語った。この結果によりN2クラスのタイトル争いは最終戦にまで持つ入れ込む事となった。そのタイトル獲得の可能性としてシリーズランキングトップの西田裕一(ブーン)から、伊藤、佐藤秀昭(ストーリア)、そしてデフェンディングチャンピオンの原宴司(ブーン)のダンロップユーザー4名に絞られた。
今年、山野光司が最も実力を開花させたと言えるはずだ。
N3クラスのタイトル争は現在、シリーズラインキングトップの山野光司(ランサー)、2位の川崎勝己(ランサー)、3位のデフェンディングチャンピオン吉村修(ランサー)の3人にまで絞られ、この第7戦を向かえた。その中の最も注目すべき選手は今シーズン開幕からの二連勝と第4戦での優勝で開幕戦依頼、このポジションを誰にも明け渡す事なく遂に第7戦にまでやって来た。この3人のなかで先に走る山野は何と2本目で殆どの選手が決めるタイヤの種類をDIREZZA 86Rでは無く、更に硬質なダート用のSP SPORTS 91をチョイス。この選択が功をそうしてか山野が1分32秒220のベストタイムを更新。この後に続くライバル田崎、吉村の動向に注目を集める。吉村より先に走行する田崎はミス無く走り切るが山野のタイムにコンマ151秒とわずかに届かない。そして最終走者の吉村はコース中盤に差し掛かった右コーナーでまさかのスピンを喫してしまう。これによって優勝は山野光司に決定。これと同時に初のシリーズタイトルを獲得し見事、シリーズチャンピオンに輝いた。
開幕戦の初優勝に始まり、遂にはタイトルまで獲得してしまった山野は凄い!
優勝の要因は「タイヤの変更表をみて自分だけがドライタイヤを選択していた事で勝てると思いました。」と2本目の走行前に優勝を確信していた山野の来シーズンに更に期待が掛かる。
2本目の劇的変化な走りで見事、全日本初優勝。
SA1クラスでは清野タカシが念願の全日本初優勝を獲得。清野は1本目を終えた時点でトップから3秒以上も離れた7番手となっていた。2本目では他のダンロップユーザー同様にDIREZZA 86Rへ変更。コース整備等により、1本目とは全く違う路面へと変化したコースへ再度アタックを行った清野は何と9秒以上ものタイムアップに成功。その後にシードゼッケンの山崎利博が清野のタイムに100分の7秒まで詰め寄るがこれを跳ね除け見事、全日本初優勝を飾った。表彰式では「最近、2位・3位の結果が多く、「いつ1位を捕るのか?の質問にようやく答える事ができて嬉しいです。」と語っていた。
2009年シリーズも残すは最終戦のみ、石川県は輪島市にある門前町モータースポーツ公園がその舞台となる。逆転タイトルに望みを繋げるダンロップユーザー達が是非とも勝利してその手にタイトルを納めて欲しい。