第7戦 9月14日(日)コスモスパーク
前戦の2クラス制覇に続き、N1クラスの河石がタイトル決定!
混戦のN2クラスは、ダンロップ勢が表彰台独占!


昨年の初開催は大雨に見舞われたが、今年は快晴の空のもとで競技が行われた。

 2008シーズンの全日本ダートトライアル選手権も大詰め。その舞台は2回目の開催となる京都市の北側に位置するコスモスパークだ。昨年の初開催時は大雨に見舞われ波乱の展開となったが、季節を秋へ移した今年は、秋晴れが広がる心地良い気候の中での開催となった。日吉ダム建設時の残土によって山間の谷間を埋めて造られたこのコースは、全体的に高低差が少なく今年は2本のロングストレートもあり平均スピードは高い設定となっている。また、残土を利用して作られた路面は柔らかく、路面状況がめまぐるしく変わるのもこのコースの特徴である。
 前戦で早くもタイトルが決定したクラスもあり、ここコスモスパークでもタイトルが決まる可能性があるクラスに特に注目が集まる。

見事、自力優勝で2年連続タイトルを決定した河石潤(インテグラ)

 河石潤(インテグラ)と児島泰(インテグラ)の2人によるタイトル争いが過熱しているN1クラスは、前戦で勝利したダンロップユーザーである河石が5ポイント差のマージンを築きリードしているものの今大会の結果次第で分からない状況だ。
 まず、児島が1本目のアタックで1分42秒766というタイムを出す。続いて河石が1分42秒379を叩き出し、その攻防はコンマ差にまでおよぶ。勝負は午後の2本目。コース上の砂利が掃けて全車グンとタイムが上がり上位陣は40秒台に突入してきた頃、児島が1分40秒081のトップタイムをマーク。1本目で履いていた軟質ダートから泥ねい路までをカバーするDIREZZA 74Rから2本目は硬質ダートから舗装路で力を発揮する一番ハードなDIREZZA 91Rに履き替え、河石が渾身の力を発揮。なんと1分39秒287と驚異的なタイムを刻み、これで勝負あり。河石が最終戦を待たず今シーズンのタイトルを獲得した。

2年連続のタイトル獲得で表彰時は終始笑みが絶えない河石!

 昨年に続き、タイトル連覇を果たした河石は「昨年は雨で最下位と良い印象が無かったこのコースも、今年は優勝、そしてタイトルまで獲得出来たので大好きになりました。」とコメントを残している。

2本ともトップタイムを叩き出し完全勝利を果たした佐藤秀昭(ブーン)

 既に前戦で原宴司(ブーン)による今シーズンのタイトルが決定しているN2クラスは、佐藤秀昭(ブーン)岡林亮太(ブーン)伊藤益弘(ブーン)によるランキング2位争いが激しくなっている。1本目、上位陣はDIREZZA 74Rを選択している中、伊藤は硬質ダートから一般ダートまでカバーするSP SPORTS 85Rを選択し勝負に出る。その伊藤が1分40秒780とこれまでのトップタイムを刻む。続いて岡林が1分40秒248と記録を更新。それを受けて佐藤が1分39秒458と39秒台に突入、原も意地をみせ39秒台に入れてくるがコンマ06秒届かず2番手。2本目は各車変化する路面に合わせSP SPORTS 85Rに履き替えている。ここで伊藤は1分37秒882のトップタイムを出しジャンプアップ。岡林はタイムが伸びず1分39秒422、逆転優勝かと思われた伊藤のタイムだったが、佐藤がこれを上回り1分37秒614、原がそれを追うが届かず1分38秒432の3位に終わる。これで佐藤の優勝が決定。ランキング2位獲得へ向けて大きなアドバンテージを築いた。表彰台の2位に伊藤、3位には原とダンロップユーザーが1~3位独占を果たした。

今シーズン初勝利に喜びを隠せない佐藤!

 今シーズン初勝利の佐藤は「今年は勝てないと思っていたが、ここにきて何とか勝てて本当に嬉しい。」と常に上位に食い込みながらも、なかなか勝てなかった今シーズンを振り返り喜びを隠せない。

今シーズン3勝目を果たしタイトルに王手を掛けた柴田一洋(インテグラ)

 混戦となっているSA1クラスは、1本目にダンロップユーザーでありポイントランキングトップの柴田一洋(インテグラ)が、まずは1分42秒305を叩き出しトップに躍り出る。しかし、ランキング2位の山崎利博(シビック)が1分40秒861という驚異的なタイムを出し、柴田にとっては厳しい状況となる。しかし、路面状況が良くなり各車タイムが上がっている状況から2本目勝負となる事は確実。ハードコンパウンドのDIREZZA 91Rに履き替え勝負に出た柴田は1分37秒077の暫定トップタイムをマーク。気になる最終走者の山崎は中間計測のタイムで柴田をコンマ128秒上回るタイムをマークし観衆を沸かせるも、柴田の見えないプレッシャーに屈したのか最終的に柴田にコンマ27秒届かずSA1の走行が終了。見事、柴田が山崎との接戦を制し今期3勝目を果たすと共に、ランキングトップを堅守し最終戦のタカタに向け更に優位に立った。この柴田の優勝に続き、3位に川島秀樹(インテグラ)、4位に櫻井貴章(インテグラ)、5位には笹原孝志(シビック)が入り、ダンロップ勢が大活躍をみせた。

最終戦でタイトル決める!と高らかに宣言した柴田!

 接戦を制し、ランキングトップのまま最終戦へと挑む柴田は「次の最終戦でなんとかタイトルを決めたい。」と高らかに宣言し、タイトル獲得へ向け強い意思を表した。


 このコスモスパークでN1クラス、河石の2年連続タイトルが決まり、現在3クラスでダンロップ勢がタイトルを決定している。10月12日の最終戦テクニックステージタカタでも残るSA1、SC1、SC2クラスのタイトルをダンロップ勢が是非とも獲得して欲しい。