DUNLOP MOTORSPORT
ドライバー
第6戦 9月2日(日) スーパートライアル in 今庄
不安定な天候の中ダンロップ勢が9クラス制覇
SA2北村和浩をはじめ3人がチャンプ確定!


参加した選手たちからも高い評価を得ているオートパーク今庄の路面。読めない天候のなかでも後半ゼッケンに入ると1本目から超硬質路面用の91Rを履く選手が続出した。

全7戦で争われる2012年の全日本ダートトライアル選手権は、福井県にあるオートパーク今庄で第6戦を迎えた。大詰めを迎えたチャンピオン争いも各クラスで激しさを増してきた。暦の関係で夏休み最後の週末となった第6戦。当然のように灼熱の太陽の中で開催されるだろうと予想されていたが……。公開練習が行われた土曜日夕方からゲリラ豪雨のような激しい雨と雷がオートパーク今庄に降り注いだ。全国各地で小規模の雨雲が発生し、局地的な大雨警報が発令される不安定な天候が続いていたのだ。だが、しっかりと整圧され締まった今庄の路面。雨の中、2本目のタイムで逆転なんていうことも十分考えられる。薄曇りのなかスタートした1本目、そしてポツリポツリと雨が降っては止んでを繰り返した2本目。表彰式を迎える頃には、我慢できなかったかのように雲から大量の雨が降ってきた。先の見えない不安定な空模様の中、ダンロップサポート選手たちは2本目にタイムアップ。ダートラの醍醐味を見せてくれる走りを披露してくれた。では早速各クラスの模様をお届けしよう。

激しいチャンピオン争いのなかで2本目に1分25秒732を叩き出し、自身2度目の全日本優勝を飾った竹本幸広。表彰式でも嬉しそうな笑顔を見せていた。

優勝1回、2位3回と安定した成績で77ポイントを獲得、シリーズリーダーに立つ児島泰。その児島を2ポイント差と激しく追いかけるのが、今シーズン2勝の内藤聡だ。ベスト5戦が有効ポイントとなるため、2位以上でないとないとポイントが加算されない児島。対して内藤は6位以上で加算が可能だ。精神的な余裕も含め、チャンピオンを獲得するためたくさんの要素がからむ。その争いはタイヤ選択から始まっていた。1本目後半のシードゼッケン勢が87Rを選択するなか、ただひとり91Rを選んだのが児島。2本目勝負と見て早めに身体を慣らせる作戦か?がむしゃらにポイントを獲得することへの意志の現れか?1本目に1分30秒240を叩き出してトップに立ったのは内藤。児島は1分32秒258で飛び出すことが出来ない。1本目後半晴れ間も顔を見せ砂ぼこりも立ち始めた路面、2本目にポツリポツリと降り始めた雨も路面状況に大きな変化を起こさせるものでは無かった。満を持したように91Rをチョイスする選手たち。トップタイムは更新され、一気に1分26秒台にまで跳ね上がる。シード勢トップを切ってタイムを更新したのは竹本幸広。1分25秒732と25秒台にトップタイムを叩き込んだ。内藤はこれに追いつけず1分26秒747で4位につける。続いて出走した児島だったが……、 気負ってしまったのか?1分27秒135と思った以上にタイムは伸びず6位。竹本のタイムは更新されず逃げ切って、2度目の全日本優勝を飾る。表彰式で「うれしいです」と喜びの笑顔を見せる竹本。4位の内藤は10ポイント獲得して捨てポイント3の7ポイント加算で、82にポイントを伸ばした。児島は6位で現状維持の77ポイントとなりシリーズリーダーから陥落。内藤と児島に絞られたチャンピオン争い。最終戦で児島が内藤を逆転するには優勝するしかない状況となった。

2本目のタイムアップ合戦のなか、ベテランらしい落ち着いて攻める走りで今シーズン2勝目を挙げた伊藤益弘。2位に終わった西田裕一との差はわずか0.15秒だった。

6台のエントリーを集めたN2クラス、こちらも2本目勝負となった。1分26秒台で推移していたトップタイムを更新したのはやはりチャンピオン候補のドライバー。シリーズ2位の西田裕一が1分25秒761でトップに立つ。最終ゼッケン、シリーズリーダーの伊藤益弘がスタート。今シーズンの伊藤は安定した成績で常に表彰台をキープ。2勝を挙げている西田に対して1勝ながら、10ポイント差をつけている。『上位安定の裏返し』2位以上でなければポイント加算されない状況ながらも、さすがベテラン。伊藤は攻めの走りを崩さずゴールするとタイムは1分25秒612と西田を0.15秒逆転!今シーズン2勝目を挙げポイントを79に伸ばした。2位に終わった西田だがノーポイントが1戦あるため、2位の15ポイントをそのまま加え76ポイント。西田が伊藤を3ポイント差に追い込んできた形で第6戦を終えた。伊藤が2年連続チャンピオンを獲得できるか?それとも西田か?最終戦タカタでのイベントに注目したい。

2本目に1分21秒709を叩き出し、昨年の最終戦タカタ以来2度目の全日本優勝を飾った北条倫史。4位の佐藤孝行は、4位で自身初のN3クラスチャンピオンを確定させた。

20台のエントリーを集めたN3クラス。ここまで今シーズン3勝を挙げる活躍で72ポイントを獲得してシリーズリーダーを走る佐藤孝行。59ポイントで2位につける北島広実との差も13ポイントと今回の成績次第では、佐藤のチャンピオン確定も。トップタイムを一気に5秒以上跳ね上げた2本目。中盤ゼッケンの須田行雄が1分22秒362を叩き出しトップに立つ。シードゼッケンでただひとり1本目から91Rを履いた北條倫史。1本目の感覚を生かし走り切るとタイムは1分21秒709!トップに立ち後続を待つ。北條のタイム更新に期待がかかった後半ゼッケン勢だったが、思ったようにタイムが伸びない。佐藤は1分22秒552で5位、北島は1分22秒910で7位。北條が2度目の全日本優勝を飾った。シリーズポイントを集計してみると佐藤は今回4位の8ポイントを加えて80ポイント。対して北島は7位となってポイント加算できず現状維持の59ポイント。仮に最終戦で北島が優勝し佐藤がノーポイントに終わっても、北島は捨てポイント8があるため12ポイントしか加算されない。80ポイントを越えることが出来ないため、佐藤が初の全日本チャンピオンを確定した。

わずか0.085秒差で山崎利博を押さえ、優勝を飾った佐藤孝。SA1クラスでシリーズ2勝一番乗りを果たし、ランキングでも山崎に1ポイント差でトップに立った。

57ポイントを獲得した山崎利博、第3戦で全日本初優勝を飾り56ポイントを獲得している佐藤孝がシリーズリーダーを争っているSA1クラス。未だシリーズ2勝目を挙げて選手がいない完全に星が割れているポイント状況。トップの山崎はここまで優勝ゼロながらも安定した成績で首位をキープしているが、今回こそは優勝の二文字が欲しいところ。山崎の意気込みが1本目から現れた。1分28秒361と渾身のタイムを叩き出しトップに立つ。2位には佐藤がコンマ6秒差の1分28秒999でつける。硬質路面での戦いに備え91Rを装着するチャンピオン候補たち。さらに高次元でのタイム争いが予想される。2本目、山崎のタイムは更新され1分27秒台でトップタイムが推移する。シードゼッケンに入り佐藤がゴール!1分26秒607と26秒台に叩きこみトップに立つ。そしてラストゼッケンの山崎がスタート。チャンピオン獲得に向け喉から手が出るほど欲しい優勝に向けてクルマを前に進める山崎。迷いのないコーナリングでゴールするとタイムは1分26秒682。わずか0.085秒届かない……。佐藤がシリーズ2勝目に一番乗りし、ポイントは70。2位に入った山崎をわずか1ポイント抜いてシリーズリーダーの座に踊り出た。最終戦までもつれ込んだチャンピオン争い、権利を有しているのは佐藤、山崎、稲葉。タカタではSA1クラスに注目だ。

2本目に迷わず選択した91R。狙いすました走りで荒井信介を逆転し、今シーズン4勝目を挙げてチャンピオンを確定した北村和浩。表彰式でも喜びを爆発させていた。

北村和浩と荒井信介の一騎打ちとなっているSA2クラスのチャンピオン争い。第2戦からの3連勝と2位2回という成績で90ポイントの北村。対して前戦の切谷内で待望の今シーズン2勝目を挙げた荒井が82ポイントで食い下がる。しかし、ここオートパーク今庄は北村がコース設計から関わるホームコース。負けられない意地とチャンピオン獲得への強い意志が伝わってくる。1本目87Rをチョイスした北村に対し荒井は超硬質路面用タイヤを選択。この選択が功を奏したか?北村の1分23秒847に対し、荒井のタイムは1分23秒242。コンマ6秒差で荒井がトップに立つ。だが北村は慌てない。2本目に入ると迷わず91Rを選択する。タイムアップできる余地を充分に残した北村の作戦は成功するか?2本目に入って1分23秒632とタイムダウンに終わった荒井。対して北村は、1分22秒812とSA2クラスただひとりの22秒台という異次元のタイムを叩き出し優勝!今シーズン4勝目を挙げてシリーズチャンピオンを確定した笑顔でスタッフたちと喜ぶ北村。「練習走行の時は調子が上がらなかったんだけど、本番で勝てた。ファンのみんなが来てくれているなかで勝てたことがホントうれしい!タカタは楽しんで走れます」と表彰式で喜びを爆発させた。チャンピオン獲得のプレッシャーから解き放たれた北村。最終戦のタカタでは派手なキタムラ走りを魅せてくれることを期待しよう。

1本目のタイムで逃げ切り優勝を決めた工藤清美。2本目には自己タイムをさらに更新しての完全優勝。今シーズン3勝目を挙げてシリーズチャンピオンを確定させた。

前戦の切谷内で地元の先輩に一矢を報いられたSC1クラスシリーズリーダーの工藤清美。今回は万全の体勢で今庄に乗り込んできた。1本目から晴れ間がのぞいていた天候もあり、大半の選手が超硬質路面用のタイヤを選択。工藤は、1分27~26秒台で推移していたトップタイムを一気に更新!1分25秒743で走行を終えた。2本目に入ると各選手タイムアップしてくるものの工藤のタイムに届かない。ウィニングランとなった2本目でも工藤は手を抜かず激走!タイムを1分24秒823まで更新して今シーズン3勝目を挙げる。これでシリーズポイントを90に伸ばし、チャンピオンも確定させた。

1本に叩き出した1分28秒499のタイムで逃げ切り自身2回目の全日本優勝を飾った酒井洋二アルト。

5台を集めて今シーズン3回目の成立となったSC2クラス。今回速さを見せたのは酒井洋二のアルト。1本目に1分28秒499を叩き出すとそのまま逃げ切って優勝。2010年にコスモスパークで行われた全日本ダートラ第7戦以来、2回目の全日本優勝を飾った。

ダートラドライバーの意地を見せた丹羽政彦。1本目に叩き出した1分21秒139で逃げ切って今シーズン2勝目を挙げた。

炭山裕矢、田口勝彦というふたりのラリードライバーの参戦で話題のSC3クラスには15台がエントリー。だが、今回ダートラドライバーの意地を見せたのは丹羽政彦だ。1本目に田口を上回る1分21秒139を叩き出すと、2本目に入ってもこのタイムを更新する選手は現れない。逃げ切って今シーズン2勝目を挙げシリーズポイントでも3位に浮上した。

1本目に珍しいドライビングミスでのリタイヤとなってしまった炭山義昭。だが2本目に入ってキッチリと走り切って逆転の優勝。今シーズン5勝目で満点チャンプを確定させた。

1本目に珍しくドライビングミスを犯した炭山義昭。そのままリタイヤしてタイムを残せなかったが、2本目に入るとキッチリ挽回。1分20秒971を叩き出してトップに立っていた河内渉を逆転する1分20秒710のタイムでゴール。前戦の切谷内こそライバルの谷田川敏幸に先行を許したものの、今シーズン5回目の優勝で有効戦数すべてを満点の20ポイントで埋める満点チャンプを確定させた。