第6戦 8月9日(日) サーキットパーク切谷内
真夏の東北ラウンドでダンロップ勢が5クラスを制覇!
タイトル争いも大きく動き出す!



 全8戦で争われる全日本ダートトライアル選手権も残すはあと3戦。前回の丸和オートランド那須での第5戦から一ヶ月ちょっとのインターバルを挟み、本州最北の開催地となる青森県は三戸郡五戸町にあるサーキットパーク切谷内で第6戦目の開催を迎えた。このサーキットパーク切谷内は今回使用されるダートトライアルコースをはじめ、舗装路のジムカーナコースや二輪のモトクロスコースが敷地内に隣接するといった東北地方を代表するモータースポーツ施設だ。そして心配なのは天候、今シーズンはかなりの確立で雨に見舞われており、まだ梅雨明けが発表されていない東北地方だけにレースを大きく左右する雨だけはどのチームも心配に違いない。そして迎えた決勝当日、心配だった天候もなんとか持ちこたえ快晴とまではいかないが雨の心配がいらない曇り空が広がっていた。このサーキットパーク切谷内の硬質なコースに合わせダンロップユーザーのタイヤ選択様々でどの選択が正しいのかユーザーそれぞれの考えで代りそうだ。

ようやくの今季初V! 連続タイトル獲得に向け河石潤(インテグラ)が猛チャージ!

 先陣を切ってスタートするN1クラスは6戦目にしてダンロップユーザーでデフェンディングチャンピオンの河石潤(インテグラ)が今季初優勝。コースがまだ整わない1本目で河石は1分46秒286の3番手タイムをマークしまずまずのスタートを切る。そして午後の2本目、コースが整いはじめほぼ全車が大幅にタイムアップを果す中、クラス最終走者の河石が登場。この時点での暫定トップはポイントランキングトップの本多智治(インテグラ)が1分41秒000でトップに立っている。そして河石は果敢なアタックで本多を上回る1分41秒264のトップタイムをマークし、嬉しい今季初優勝を獲得。ポイントランキングもトップに9ポイント差まで詰め寄りタイトル獲得に大きく前進を果した。

1本目、2本目の走行共にトップタイムをマークした西田裕一(ブーン)。

 ダンロップユーザーでの激しい戦いが毎回繰り広げられるN2クラスでは波乱が巻き起こる。現在、獲得ポイントが同ポイントの佐藤秀昭(ストーリア)と原宴司(ブーン)このトップ両者の一騎打ちが予想されたが、なんと1本目でこの二人が大きく遅れをとってしまう事に。更なる混戦模様となった2本目で、ポイントランキング3位に着けるダンロップユーザーの西田裕一(ブーン)が1分39秒971でトップタイムをマーク。このあと走行した佐藤はアタックを行うがトップのタイムに及ばず、原も1本目でのマシントラブルが原因で2本目は未出走となってしまう。結果、西田がただ一人となる39秒台をマークし嬉しい全日本初優勝を獲得。ポイントランキングでもトップに急浮上。

満面の笑みで全日本初優勝を喜ぶ西田裕一(ブーン)。

 全日本初優勝を果した西田は「長年、全日本に参戦してようやく優勝する事ができました。是非、次回は原さんと優勝争いをして勝ちたいです。」と次戦への意気込みを語った。

北村和浩(インプレッサ)が意地の走りで荒井のタイトル獲得を阻止! タイトル戦線に留まる。

 ポイントランキングトップを行く荒井信介(ランサー)がタイトル獲得の可能性が出てきたSA2クラス。その荒井が優勝する事でタイトル獲得が決まってしまうこの戦いで、唯一タイトル戦線に留まっているダンロップユーザーの北村和浩(インプレッサ)が意地を見せる。その北村の意気込みはいつもと違い、荒井との激しい一騎打ちに挑み、中間タイムでは荒井に一歩及ばないが、ゴール後のタイムは荒井を抑え1本目でトップに立つ。続く2本目では34秒台に突入する高レベルでの戦いとなったこのクラスでいよいよ北村が走行を開始。1本目を大きく上回る1分34秒239と2本目も暫定でトップに立ち最終走者の荒井を待つ、その荒井は中間タイムで北村よりもコンマ15秒早く駆け抜け後半セクションへと向かう。そして荒井がゴールラインを通過、誰もが注目するそのタイムは1分34秒265、北村に僅か0秒026届かない。この僅差の戦いを北村が制し、タイトル獲得の可能性と今季初優勝をその手に納めた。

工藤清美(シビック)がここ地元青森で今季2勝目を獲得。

 ポイントランキング上位4名までにタイトル獲得の可能性があるSC1クラス。現在ポイントトップの大田雅文(ランサー)、2位の福山重義(シビック)、3位山本拓志(シビック)4位工藤清美(シビック)、この4名による熾烈な優勝争いに会場中が注目を集めた。まだコースコンディションが整わない1本目でダンロップユーザーの工藤がトップタイムをマークし好調なスタートを切る。そして勝負所となる2本目、全車が大幅はタイムアップを果し、めまぐるしくトップが入れ替わる。この混戦を制したのは1分37秒433をマークした工藤である。工藤は1本目、2本目を共にトップタイムを叩き出し完全優勝を獲得。開幕戦以来の優勝でタイトル争いも4位から一気に福山と並ぶ同ポイントの2位へと駆け上がった。

2本目の雨でもトップタイムを守りきり今季初優勝を果した和田俊昭(ランサー)。

 最も改造範囲の広く様々な車両で競われるDクラス。アップダウンが続くこの切谷内のコースレイアウトでパワーのあるDクラスの走りは豪快そのものだ。今回5戦中4勝を挙げる河内歩(ランサー)が不参加とあり、誰が優勝するか予想のつかない展開。そこで優勝に名乗りを挙げたのはダンロップユーザーの和田俊昭(ランサー)だ。和田は1本目を1分35秒205でトップタイムをマークする好調な走りを披露。2本目では天候が悪化しシード勢が走行する頃には、その雨の影響でまともにタイヤがグリップしない。しかし1本目でマークしたトップタイムを和田は最後まで守り切りで今季初優勝を獲得。現在ポイントランキング3位に着ける和田はこの優勝でタイトル獲得に望みを繋げた。


5つのクラスを制した第6戦。タイトルが決定するクラスも出始め、戦いは終盤戦に向かう。次回第7戦の舞台は京都コスモスパークへ移し、更に激化するタイトル争いから目が離せないだろう。