第6戦 8月31日(日) 輪島市門前モータースポーツ公園
2クラスでタイトル決定!
ここ門前でダンロップ勢が6クラスを制覇!



 2008年シーズンのダートトライアル選手権も終盤戦に差し掛かった第6戦。今回の闘いの場となるのは1998年の開催以来、今年で11回目の開催を迎えた北陸地方は石川県、能登半島にある輪島市門前モータースポーツ公園。そしてこの会場の運営は地方自治体が行い、地域を挙げてモータースポーツを応援するモータースポーツファンにとっては嬉しい会場だ。また日本海からも近い山間部に位置しており、アップダウンに長けたコースが特徴で、どの様にこのコースを攻略するかも見所の一つである。また気になる天候は前日の土曜日までとは打って変わって朝から門前モータースポーツ公園の上空には晴天の空が広がりを見せていた。

勝負所で見せたチャンプの意地!河石潤(インテグラ)が今季2勝目を獲得!

 5戦を終えた時点で昨年のチャンピオン河石潤(インテグラ)と児島泰(インテグラ)の両名が獲得ポイントを同じ72点としてトップで並んでいるN1クラス。タイトル争いもこの2名に絞られており、ここ門前でも激しい闘いが繰り広げられた。1本目のアタックではコースが安定していない為、勝負所となったのは午後の2本目からで、各ドライバーが大幅にタイムアップを果たし次々とトップタイムが塗り替えられる展開となった。この更新に次ぐ更新の闘いを制したにはダンロップユーザーであり、昨年度のチャンピオンの河石が最後の最後、逆転でトップタイムをマークし見事、今シーズン2勝目を挙げた。またポイントランキングでもライバル児島に5ポイントのアドバンテージを築き、N1クラス連覇に向けての大きな勝利となった。

今シーズン5勝目で見事、タイトル防衛を果たした原宴司(ブーン)。

 続くN2クラスは、チャンピオン原宴司(ブーン)を筆頭に、佐藤秀昭(ブーン)岡林亮太(ブーン)伊藤益弘(ブーン)四人のダンロップユーザーが今年もしのぎを削っている。このN2クラスは原が既に4勝を挙げており結果次第では、今年もここ門前でタイトル獲得が決まるとあって注目を集めている。このクラスのダンロップユーザーは1本目、コースコンディションが整っていない事を考え、軟質なダートを主体とするSP SPORT 73-RまたはSP SPORT 74Rに別れていたが、2本目では殆どんどのユーザーが一般ダート、硬質ダートに適したSP SPORT 85-Rをチョイスし勝負にでた。ポイントリーダーの原を追いかける佐藤、岡林、伊藤の三名は原のタイトル獲得を阻止すべく果敢にアタックを慣行。しかし原との闘いに初参戦の西田祐一(ブーン)、現在ポイントランキング8位の小川静夫(アルト)に割って入られてしまい順位を下げてしまう。これで優位に立った原は優勝では無くてもタイトルが決定する状況だったが、最後まで手を抜か無い走りで見事トップタイムを更新し、優勝でタイトル獲得を決定した。

6戦中5勝と圧倒的強さで今年もタイトルを決めた原宴司。

 今年もこの門前でタイトルを決めた原は「去年は雨が味方しタイトルを決めましたが、今年はタイヤ選択がバッチリ決まりタイトルを決める事ができて嬉しいです。」とコメントを残している。

タイトル獲得で次戦からのニューマシン投入を宣言した吉村修(ランサー)。

 タイトルが決まったN2クラス同様に、結果次第で吉村修(ランサー)の連続タイトル獲得が掛かったN3クラス。やはりこのコースコンディションから勝負は2本目となり熾烈なタイム更新合戦が続いた。今回ノーシードのドライバーが健闘を見せ、シード勢を押え上位に喰い込む中、タイトル争いで吉村を唯一追い掛ける田崎克典(ランサー)はノーシード勢には絶対に負けられないという思いから渾身の走りで1分44秒755のトップタイムを叩き出す。この田崎に続いて走行する最終走者の吉村は田崎の出したタイムを確認する間も無くコースイン。例え田崎が優勝しても2位に入ればタイトル決まる事を確認していた吉村だが、その走りにその様な感じは一切見られないままゴールラインを通過。その吉村のタイムは田崎の出したタイムをコンマ078秒上回る1分43秒968で今シーズンは優勝による連続タイトルを決めた吉村だった。

今シーズンは優勝によるタイトル獲得で嬉しさいっぱいの吉村修。

 表彰時の吉村のコメントは「昨年はここ門前で2位に入りタイトルを決めましたが、今年は優勝してタイトルを決める事が出来たので良かったです。タイトルを決めた事で次戦よりニューマシンのランサーエボリューションXを投入します。」と新たなマシンの投入を宣言した吉村だった。

今季初優勝でタイトル争いに留まった大栗一也(シビック)。

 最終戦までタイトル争いがもつれると予想されるSA1クラス。このクラスでもダンロップ勢が大活躍を見せた。その活躍見せたダンロップ勢の主役はポイントランキングで上位に付ける柴田一洋(インテグラ)、川島秀樹(インテグラ)の両名では無く、同じシードゼッケンを持つ大栗一也(シビック)だ。2本目でノーシードの大西雅也(ミラージュ)がマークした1分52秒252のタイムに他のSA1クラスのダライバー達が苦戦する中、大栗は唯一51秒台に突入する1分51秒464のタイムをマーク。このタイムが決勝タイムとなり昨年の第2戦三井以来の優勝となる今季初優勝を飾った。また今回の優勝で自力では難しいがタイトル獲得に希望を繋いだ。

ノーシード笹本俊(シビック)が今季3勝目をマーク。

 こちらもタイトル争いが最終戦まで続きそうなSC1クラス。ポイントランキング上位三名、山本拓志(インテグラ)、笹本俊(シビック)、工藤清美(シビック)がここまでの勝ち星を奪い合う争いを展開。このSC1クラスまでになると午前の1本目と午後の2本目でのコースコンディションに大きな違いは無く2本含めての争いとなっていた。1本目でトップに立っていたのはダンロップユーザーの工藤で午後の2本目に向けタイヤをSP SPORT 74RからSP SPORT 91-Rへと変更するが、2番手に続く笹本はSP SPORT 74RからDIREZZA 86Rへ工藤とは違ったタイヤを選択し勝負に出た。先に走行する笹本はタイヤ選択が決まり工藤のタイムを更新しトップに躍り出る。このクラスの最後に走行する工藤は何とゴールまでたどり着く事が出来ずリタイヤとなってしまう。これにより笹本が今シーズン3勝目を挙げ遂にポイントリーダーに立った。

今季2連勝でチャンピオンに大きく近づいた小清水昭一郎(ミラジーノ)。

 毎回、勝者が代わる事で混戦状態となっているSC2クラスのタイトル争いだが、ようやくこれを抜け出すドライバーが登場。それはダンロップユーザーでミラジーノを駆る小清水昭一郎(ミラジーノ)だ。小清水は前戦の切谷内で今シーズン初優勝を飾り、それまで毎回、ポイントをコンスタントに獲得していた事でポイントリーダーに立っている。この前戦から続く勢いをこの門前に持ち込み見事、2連勝を達成。ポイントランキング2番手のライバル青木辰之(ミラ)が7位に沈んだ事で、ポイントランキングも一人抜け出す事となった。結果次第であるが次戦9月14日のコスモスパークで早ければ小清水のタイトル獲得が見られそうだ。