第5戦 8月8日(日) サーキットパーク切谷内
全9クラス中、8クラスでダンロップが勝利!
猛暑と過酷な条件下でもタイヤ性能を十二分に発揮!
今シーズンも8月に入り、本格的な暑さのまっ只中、全日本ダートトライアル選手権の第5戦は今年も時期を同じくしてサーキットパーク切谷内で開催を迎えた。このサーキットパーク切谷内はダートトライアルコースをはじめ、隣接する舗装路ではジムカーナコースが設けられ、また2輪でもモトクロス場が備わる等、東北地方を代表するモータースポーツ施設のひとつとなる。猛暑が続くこの時期だけに、この気温がタイヤ・路面・ドライバー・マシンにどの様な影響を与えるかが心配である。迎えた決勝当日の朝は雨の心配は要らない天候で会場がある八戸周辺の気温は約30度にまで上がっていた。
全8戦の今シーズンはこの第5戦から後半戦がスタート。今回の獲得ポイントによってはタイトル獲得に王手を掛けるドライバーも現れ、目が離せない状況となるに違いない。
地元の意地を見せつけ佐藤卓也(スイフト)が今シーズン2勝目を獲得。
一番先に走行を行なうPNクラス。ダンロップユーザーで現在、連勝中の川島秀樹(スイフト)が1本目から好調で1分44秒563のトップタイムをマークし3連勝を狙う。続く午後の2本目ではコースコンディションも1本目とは違い踏み固められた事で路面が引き締まりタイムアップが見込まれる。その予想どおり各選手が5秒近くタイムを縮める事になり、実質2本目が勝負となった。この2本目でも川島がトップタイムを出し、順位は1本目と同じ結果になるかと思われたが、最終走者の佐藤卓也(スイフト)が川島のタイムを0秒285差上回る1分38秒817をマークして優勝を獲得。1本目では4位と順位を落としていた佐藤だが、この青森が地元とあって誰よりも優勝への想いが強かったに違いない。そんな想いが走りに繋がり今季2勝目を飾る事となった。
ついにチャンピオン本多智治(シビック)が今季初優勝を飾った。
N1クラスでは、現在同じダンロップユーザー同士の黒木陽介(インテグラ)と内藤聡(インテグラ)が3ポイント差でタイトルを争う状況となっている。しかしこの大会にポイントランキング2位の内藤が有効得点を考え不参加となり黒木が有利かと思われた。1本目の走行が始まり黒木が予想どおりにトップに立つとその後のシード勢も黒木のタイムを破れず1本目が終了。2本目では1本目のタイムが無かったかの様にトップタイムが次々と更新される。ここで思わぬアクシデントが発生。2本目の走りに注目を集めた黒木だったが惜しくもリタイヤとなってしまう。これに連鎖したのかその後のシード勢もタイム更新とはならず最終走者の本多智治(シビック)が走行。1本目で2番手に付けていた本多に優勝の期待が掛かる。その期待どおりにトップタイムを塗り替えた本多が今シーズン初優勝を獲得。またライバルの黒木がノーポイントだった為、本多が3位から一気にポイントランキングトップへと踊り出た。
今季3勝目でランキングトップをがっちりキープの佐藤秀昭(ストリーア)。
N2クラスは毎回ながら1本目からダンロップユーザー同士のトップタイムの奪い合いを展開。シード勢の西田裕一(ブーン)が1分39秒654でトップに立つと、これを伊藤益弘(ブーン)1分39秒058でかわしトップが入れ替わると最終走者の佐藤秀昭(ストーリア)がそのタイムを一人38秒台に入れ佐藤がトップで折り返す。更に気温が上昇し過酷さを増すなか2本目がスタート。この2本目でノーシード勢の一人小川静夫(アルト)が早くも1分35秒061でトップタイムを塗り替えると、その後の選手達がこのタイムをなかなか破る事ができない。シード勢に出走順が廻り、西田と伊藤が共に35秒台をマークするが小川のタイムには届かず、このタイムを上回るには34秒台への突入が必至。ダンロップユーザーの優勝に黄色信号が点灯し始め残すは佐藤ただ一人のみ。その佐藤はミス無くコースを走り切りゴールラインを通過。そのタイムは34秒を上回る1分33秒655でトップタイム更新を成し遂げた。毎回続くダンロップユーザーでの優勝が危ういところだったが見事佐藤が優勝を飾りダンロップイエロー帽子を被って表彰台の一番高い所へと上がった。
今季2勝目を挙げた吉村修(ランサー)がランキングトップに並ぶ!
新旧のランサーが13台、これに1台のインプレッサが加わり合計14台のエントリーで争そわれたN3クラス。1本目は新型のエボリューションXを駆るシード勢が好調で1分33秒698をマークした赤羽政幸(ランサー)がトップに立つと、これにダンロップユーザーの吉村修(ランサー)が僅か0秒047差で2番手に続いた。午後の2本目は雨等が無い限り、他のクラス同様にタイムアップが見込まれる状況。その2本目でノーシードの北條倫史(ランサー)が1分29秒419でトップに立つと、続く佐藤隆行(ランサー)が0秒019差でかわし逆転でトップに立つ。ここに来て1本目で好調だった赤羽は1分30秒台に留まり表彰台からも外れてしまう。1本目で2番手だった吉村は更に絶妙なマシンコントロールで1分29秒353のタイムをマークしトップタイム更新に成功する。第3戦門前での優勝に続く今季2勝目をマークした吉村はポイントランキングでもトップの北島広実(ランサー)と同ポイントで並び、今後ダンロップユーザー同士の激しいタイトル争いを展開する事が予想される。残る3戦での戦いに注目して欲しい。
優勝の清野タカシ(シビック)をはじめ、表彰式がダンロップイエローで染まったSA1クラス。
今回、ポイントランキングトップの山崎利博(シビック)が不在となったSA1クラス。その山崎が不在でも優勝の有力候補はシード勢のダンロップユーザー達に期待が掛かる。その中の一人で現在ポイントランキング2位の清野タカシ(シビック)が1本目をトップで終えここぞとばかりに優勝への意気込みを見せ付けた。2本目でもシード勢のダンロップユーザーに続き地元からエントリーのダンロップユーザーが活躍を見せる。その地元勢で見事3位に入賞を果たした成田宏治(インテグラ)は全日本初参戦にして3位表彰台に上がる大健闘を見せた。そして4位に笹本俊(インテグラ)、6位に関澤直人(シビック)と、なんと表彰式に3名地元勢が入賞を果たした。そして優勝を飾ったのは1本目でもトップの清野。昨年の第7戦コスモスパーク以来となる今季初優勝。タイトル獲得の為にはどうしても優勝を獲得して山崎との差を縮めておきたかった清野は山崎との差を5ポイントまで詰め寄った。
ニューマシンでは2勝目、今シーズン通算3勝目を飾った北村和浩(ランサー)。
SA2クラスはナンバーが付きNクラスよりも改造範囲が広く4輪駆動に制限されるがN3クラス同様にランサー勢が殆どを占めている。エントリーの多くはダンロップユーザーで、マシンもタイヤほぼ同じ条件での戦いの為、ドライバースキルが強く要求される。その戦いで注目を集めたのはダンロップユーザーの北村和浩(ランサー)。第2戦ではニューマシンを投入しその戦いで見事優勝を飾った北村は今回もランサーのエボリューションXを駆る。その他の選手が完成度の高まったランサーのエボリューションIXを使用するが、北村はこれらを退ける豪快な走りで1分29秒893のタイムで1本目からトップタイムを奪う。2本目でも北村の走りの勢いはそのままでノーシード勢が上位に付けプレッシャーを与えるが、それでも北村はトップタイムを叩き出し、1・2本目の両方でトップタイムをマークするオーバーオールウィンを達成。ニューマシンでの熟成に苦戦する選手がいるなか、ドライバースキルが高いのかニューマシンとの相性が良いのか北村そのものの凄さを感じさせられた今大会となった。またこのクラスはSA1クラスに続き表彰台をダンロップイエロー1色とさせた。
地元で嬉しい優勝を手にした小笠原善雄(シビック)。
ナンバー無しの改造車2輪駆動に限られたSC1クラス。ここまで4戦の優勝を上位の3名で奪い合う展開を繰り広げてきたこのクラスだが、この切谷内では違った展開を見せた。1本目では地元の工藤清美(シビック)が地の利を活かしトップタイムをマーク。昨年もこの地元で優勝を飾っているだけに連覇の確立が上がる。ポイントランキングトップの児島泰(シビック)が2位、3位に地元の小笠原善雄(シビック)が健闘を見せる。そして2本目、1本目で3位の小笠原はクラス2番目の出走順ながら1分34秒229のタイムでトップに立つと他の選手がこのタイムを更新する事ができない。児島も0秒652及ばず2位に甘んじると1本目でトップタイムをマークした工藤のタイムに注目を集めた。同じ地元でも工藤が優位かと思われたこの戦いだったが、その工藤でも小笠原のタイムに届かず、地元決戦を見事小笠原が制し優勝を飾った。
昨年の開幕戦以来の優勝を手にする事となった宮入友秀(ランサー)。
Dクラスは青森ならではと言える、17台のエントリーで今開催の最多エントリーとなったこのクラス。他のクラスとは異なる車両規定でダートトライアルの見所の一つであるこのクラスに地元からは6台がエントリーしDクラスをいつも以上ににぎやかなものにした。ポイントランキング1位の炭山義昭(ランサー)と2位河内渉(ランサー)が揃ってこの切谷内で不在となった。1本目では炭山と河内に続いてポイントランキング3位の宮入友秀(ランサー)が意地の走りでトップを獲得するとこれに地元の柿本拓自(ランサー)が2位に続きこちらでも地元勢の活躍が目立った。そして2本目では1本目との路面コンディションの違いがあまり無いこのDクラスだが、そこからどの様にしてタイムを削り取るかにドライバーの技量が試される。その中でも一番うまくタイムを削ったのは1本目でもトップの宮入。1本目のタイムから0秒863を縮めた1分28秒331で見事、オーバーオールウィンを飾り今季初優勝を獲得。
最高気温30度を越えての戦いとなったこの切谷内、この過酷な条件下でもダンロップタイヤは最高のパフォーマンスを発揮し8クラスで優勝を飾った。今シーズンも残すはあと3戦、今回の勢いをそのままに次戦のモーターランド野沢でもダンロップタイヤの活躍に期待が掛かる。