第5戦 2009年7月5日(日)丸和オートランド那須(栃木県)
今シーズン2度目の丸和ラウンド!
ダンロップ勢が3クラスを制覇!


走行する車まですぐそこ! 至近距離で声援を送るダートトライアルファン達。

 全日本ダートトライアル第5戦が開幕戦と同じ2度目の丸和オートランド那須で開催を迎えた。前回、6月14日の北海道は砂川での開催以来、まだ本格的な夏の暑さに入ってはいないが、湿度の高い事で蒸し暑さとの戦いも強いられこの時期は毎年ながら過酷なシーズンだ。そして気になる事といえば、ここまでの4戦中3戦での戦いに影響を与えた天候だ。時期的に梅雨とあっていつ降ってもおかしくない天候の中の開催、ダートトライアルファンにとっては是非とも持ちこたえて欲しいところだ。
迎えた決勝当日、気になっていた雨は明け方まで降ったものの競技に影響を及ばす事無く、どうにか持ちこたえ路面はドライコンディションで走行する事となりそうだ。ダンロップ勢は1ヒート目に明け方までの雨と浮き砂利が浮く丸和の路面に対し一般ダートから軟質ダートを主体としたDIREZZA 74RまたはSP SPORT 73-Rで第1ヒートに挑む。

唯一の38秒台、上野倫広(インテグラ)が嬉しい今シーズン初優勝を飾る。

 1,600cc以下の2輪駆動車で競われるN1クラスはシード勢もノーシードも関係無いほどの激戦を展開。整備されたコースに真っ先に走行するこのクラスではまだ柔らかい路面を想定して全車がDIREZZA 74Rを装着。そのまだ整わない路面での1ヒート目はノーシードの2名がトップ2を独占。これに続いたのはシードゼッケンのトップとなるダンロップユーザーの上野倫広(インテグラ)。続く2ヒート目ではベストタイムと同じ39秒台に殆どの選手が並び、僅差の戦いが繰り広げられる。この時点でトップに立っていたのは1分39秒247をマークしたノーシードの吉田眞康(ミラージュ)。この吉田のタイムを更新する事となったのは1ヒート3番手の上野だ。上野は乾いて来た路面に対し他車同様のDIREZZA 86Rを選択、上野の好調さとダンロップタイヤがベストマッチしたのかこのクラスで唯一の38秒台に突入する1分38秒118をマーク。それまでのベストタイムを1秒以上も上回るタイムで今シーズン初の優勝を飾った。

マシンが変わっても3戦連続優勝を飾る結果を見せた佐藤秀昭(ストーリア)。

 毎回ダンロップ勢による激しい戦いを繰り広げるN2クラスでは、現在2連勝中の佐藤秀昭(ストーリア)が勢いをそのままに3連勝を達成。その佐藤は1本目から他を圧倒する速さをアピール。それまで37秒台がやっとだったところを佐藤は何と36秒台に突入しベストタイムを大きく更新し1本目をトップで折り返す。続く2本目では各車、次々と自己のタイムを延ばすほど路面コンディションが良くなりペースアップを果たす中、ダンロップユーザーでノーシードの五味真一(ブーン)がベストタイムを2秒近くも更新する1分34秒329をマークし一気にトップへ躍り出る。結果3連勝を果たす事となった佐藤がこのタイムをコンマ012秒上回り第3戦タカタからの3連勝を獲得。これによりポイントランキングも3位から大きくジャンプアップを果たし、ディフェンディングチャンピオンの原康司(ブーン)と獲得ポイントを並べトップに躍り出た。2位表彰台には佐藤と同じく34秒台にまでタイムを延ばした五味が今シーズン初の2位表彰台を獲得している。

3戦連続で確実に表彰台を獲得する安定した走りの吉村修(ランサー)。

 N3クラス、このクラスの殆どの選手がミツビシランサーを使用。ダンロップユーザーの吉村修(ランサー)も同様に新型車のエボリューションXで今大会に挑んだ。その吉村は、まだコースコンディションが安定しない1本目では6番手に付け、続くコースコンディションが良くなった2本目で大きくペースアップし1分30秒051をマークし、見事2位表彰台を獲得。ポイントランキングもトップの山野光司(ランサー)に14ポイント差まで。

ベテラン勢を蹴散らしノーシードの市村弘義(シビック)が今シーズン初優勝をゲット!

 毎回、ベテラン勢が勝利するSA1クラスの中でノーシードの市村弘義(シビック)はここ丸和での開幕戦で5位入賞を果たしただけにコースに対しての印象は悪く無いはず、それを実証するように1ヒート目をシードゼッケンの柴田一洋(インテグラ)に続き2番手で走り終える。その市村は午後の2ヒート目でそれまで1分36秒131のベストタイムを1秒540も大きく上回る1分34秒691でベストタイムを更新。結果このタイムが決勝タイムとなり、今シーズン初優勝をその手に収める事となった。そして1ヒート目でトップタイムをマークした最終走者の柴田は市村と同じペースで各セクションを走り抜け2番手でゴールラインを通過。柴田もここ丸和では好調で開幕戦と同じ2位表彰台を獲得する事となった。

今シーズンの優勝はまだだが、毎戦のポイント獲得でランキング2位をキープする北村和浩(インプレッサ)。

 SA2クラスの北村和浩(インプレッサ)はポイントランキングトップの荒井信介(ランサー)とのデッドヒートを展開。1本目で、北村と荒井のみが1分29秒台に突入。2本目でも北村が1分28秒450とベストを更新するが、惜しくも最終走者の荒井にコンマ372秒書き換えられてしまう。結果2位表彰台を獲得し、タイトル争いも獲得圏内をキープする事となった。


 この第5戦、丸和での戦いで3クラスを制覇する結果を残したダンロップ勢、次戦は8月9日と一ヶ月以上のインターバルを挟み東北地方は切谷内での開催。本格的な暑さが待ち受ける次戦であるが、そんな暑さを跳ね除けるダンロップ勢の活躍に期待したい。