第5戦 2008年8月3日(日)サーキットパーク切谷内(青森)
新仕様のDIREZZA 91Rが的中!
ダンロップ勢が7クラスを制覇!


天候に恵まれたサーキットパーク切谷内

 青森県は南東部の八戸市にダートトライアル選手権第5戦の舞台となるサーキットパーク切谷内はある。このサーキットパーク切谷内は東北のモータースポーツのメッカ的存在で4輪ではダートトライアルコースとジムカーナコースを備え、2輪もモトクロス場が備えられている。そんな東北のモータースポーツを支えるサーキットパーク切谷内のダートトライアル開催は一昨年ぶりで、開催迎えたつい先日の地震の影響が心配されたが会場のサーキットパーク切谷内には影響が無く無事開催を迎えた。また開催時期も一昨年と同じ8月の第一週で夏の暑さの真っ最中である。しかし今回の開催中は雨に見舞われる予報で、前日の練習日は予報どおりの雨の中、練習走行が行われ。迎えた決勝当日は朝から雨が降り、ウエット状態での厳しい戦いが強いられると思われたが、N1クラスが走行を開始する時にはその雨は弱まり、昼前には晴れ間が広がるといった予報を一変するドライコンディションとなった。またダンロップタイヤはここ切谷内の硬質な路面で威力を発揮するDIREZZA 91Rの新仕様のタイヤを用意している。

今季2勝目を挙げた内藤聡(インテグラ)

 今大会最初のスタートを切ったのは、ナンバー付きで2輪駆動車で争われるN1クラス。このN1クラスがスタートを切る時には朝から降り続いていた雨もその雨脚は弱まり、傘を必要としない程となっていた。しかし路面はウエット状態でこのクラスのダンロップユーザーは全てこの切谷内の硬質なダート路面に合わせDIREZZA 74Rを選択。1本目のウエット路面の戦いはシードゼッケンの広上徹(インテグラ)が1分29秒407で1本目を制していた。
晴れた事で路面が回復した2本目は、各車タイヤを変更。ダンロップ勢はここ切谷内のような硬質ダート主体とするDIREZZA 91Rを更に進化させた新仕様のDIREZZA 91R DT2を導入。これがバッチリ決まりダンロップ勢はタイムアップに成功。その中でも内藤聡(インテグラ)がこのタイヤをうまく使い今季2勝目をマーク。2位には同じDIREZZA 91R DT2を履いた河石潤(インテグラ)が入り、ポイントランキング同点の首位に並んだ。「昼からのドライ路面に対したアドバイスを周りの人達からもらい、そのアドバイスのおかげでタイヤをうまく使い走ることが出来ました。」とコメントを残している。

今季4勝目でまた一歩タイトルに近づいた吉村修(ランサー)

 N1クラス同様に1本目はウエット路面の為、ドライ路面での2本目が実質の決勝となったN3クラス。現在、4戦中3勝をマークし、ポイントランキングトップの吉村修(ランサー)が1本目でトップタイムをマーク。続く2本目で新仕様のダンロップタイヤ DIREZZA 91R DT2が吉村の走りにもバッチリ合い2本目でもタイム更新に成功し今季4勝目をマーク。ランキング2位に付ける田崎克典(ランサー)が今回の切谷内を欠場。これもあり、どうしても勝っておきたい吉村は思いどおりの結果となっただろう。表彰時の吉村「2年前もこの切谷内で勝っていて相性がいいので自信がありました。来年もこの切谷内で開催されると聞いて楽しみにしています。」と来年に向けた意気込みを早くも聞かせてくれた。

ポイントランキングトップに立った柴田一洋(インテグラ)

 シードゼッケンの実力者勢で優勝争いが繰り広げられるたSA1クラスは、1本目はウエット路面の為、殆どがDIREZZA 74Rをチョイス。勝負となる2本目はこちらも新仕様のDIREZZA 91Rを選択しタイムアップを図る。ゼッケン056の鈴木良信(セリカ)が走り終え、1分29秒072でトップタイムを更新。続くダンロップユーザーの柴田一洋(インテグラ)が走行し、各セクションをスムーズに走り抜けミス無くゴールラインを通過。気になるそのタイムはそれまでの鈴木のタイムを1秒404上回り大きくタイムを塗り替える。残るは3台、続くダンロップユーザーの大栗一也(シビック)1分28秒962と柴田のタイムに届かない。次走の川島樹(インテグラ)そして残るはポイントラインキングトップの山崎利博(シビック)が走行。柴田とほぼ同じタイミングで各セクションを走り向けゴールを迎える。このクラスの優勝が決まるそのタイムは1分28秒377。柴田はシードゼッケン勢を抑え、今シーズン2勝目をゲット。ポイントランキングでも山崎を上回りポイントリーダーに立った。「2週間前にこの切谷内の地区戦に参戦し、8位と悔しい思いをバネにして、優勝する事ができました。」と優勝の柴田はコメント。

勝利の勢いが増す北村和浩(インプレッサ)

 出走27台と最多エントリーのSA2クラス。この参加者の多い戦いを制したのは、前回の丸和での今季初勝利と今シーズンダートトライアル選手権と平行して参戦する全日本ラリー選手権でも初優勝を飾った北村和浩(インプレッサ)。北村は新仕様のDIREZZA 91R DT2のポテンシャルが加わり1本目でもトップタイムをマークし、2本目でもその勢いは止まらずシードゼッケン勢を跳ね除け、見事丸和に続いて2連勝を達成。コメントでも丸和に続いて勝つ気で挑みました。次戦の門前も勝ちにいきますと強気のコメント。

今回の優勝でタイトル争いに留まった笹本俊(シビック)

 地元青森の選手が活躍のSC1クラス。この切谷内が地元で現在ポイントランキング3位に付ける笹本俊(シビック)が1本目でトップタイムをマーク。2番手に同じく地元の工藤清美(シビック)が続き地元の強みをきかせる。午後の2本目では開幕の丸和以来の参戦となる小笠原善雄(シビック)もこの切谷内が地元とあり、笹本にコンマ322秒届かないが、2番手にジャンプアップ。3位には1本目のタイムにより、工藤が入賞。結果地元の工藤ホンダ&ダンロップが1・2・3フィニッシュが見事達成。

今季初優勝でポイントランキングもトップに立った小清水昭一郎(ミラジーノ)

 勝ち星を分け合う形で混戦を繰り広げるのSC2クラス。1本目を走行する頃には、雨の心配が要らないくらいの晴れ間が広がり路面も完全のドライとなっていた。その1本目、通常ゼッケンの選手達が28秒台がやっとのところをダンロップユーザーの小清水昭一郎(ミラジーノ)が1分25秒940をマークし、それまでのタイムを大きく更新する。その後のシードゼッケン勢もこのタイムを上回れず、1本目が終了。タイヤを変更して挑む2本目では轍が深く掘れたコースに苦戦を強いられ、タイムが思うように延びない。小清水自身もタイムを延ばす事ができず結局1本目のタイムを守りきった小清水が今季2勝目に1番乗りを果たし、ポイントランキングもトップに立った。そんな小清水は「昨日から調子がよかったので、そのまま優勝する事ができました。」とコメントを残している。

常勝の谷田川を破り見事、優勝を果たした丹羽政彦(ランサー)

 ナンバー無しの改造車で4輪駆動、排気量は1600ccを超える車両で争われるSC3クラス。毎回レベルの高い走りでレースを盛り上げるこのクラスは実力者揃い。その中でも現在、4戦全勝中の谷田川敏幸(インプレッサ)と4戦全てで2位を獲得する炭山義昭(ランサー)。この2人の戦いに割って入るのは難しいと思われているSC3クラスだが、しかし今回はいつもと違った展開に。炭山が1本目でトップタイムをマーク、2番手には谷田川が続き2本目に向かう。ノーシードの丹羽政彦(ランサー)は1本目5番手タイムだったが2本目にスーパーラップをマーク。1分21秒594の大台にタイムを入れて来た。その後のシードゼッケンの選手達がこのタイムを更新しようと果敢にアタックを試みるが誰も丹羽のタイムを超えることができない。そして残すは炭山と谷田川のみ、しかしこの2人をしてもトップタイムを更新することができず何と丹羽が優勝を手にする事となった。優勝を果たした丹羽は「今日の結果はまぐれです。こんなことはもう無いです。」と謙虚なコメントを残している。


 ダンロップ勢が7クラスを制する大活躍となったサーキットパーク切谷内。次戦は4週間後の石川県は門前町の第6戦。ここでもダンロップ勢の活躍から目が離せない。