第4戦 7月11日(日) オートスポーツランドスナガワ
北の地でダンロップが7クラスを制覇!
お立ち台の多くはダンロップイエローに染まった!
今年も全日本ダートトライアル選手権第4戦は北の大地、北海道はオートスポーツランドスナガワで開催を迎えた。ここオートスポーツランドスナガワでは先週に全日本ジムカーナ選手権が開催され、今週は全日本ダートトライアル選手権、来週には倶知安町で全日本ラリー選手権が開催されるなど、3週間連続のモータースポーツウィークとなる。会場は北海道ならでは広大な石狩川の河川敷にあり多彩なコースレイアウトに富んだコースである。心配なのは全国的に不安定な天候、この開催にどの様に影響を与えるかと思われたが決勝当日、朝は厚い雲に囲まれ気温は19度前後、競技が始まれば雲はうす雲に変わり、夏の暑い日差しも差込んで気温は14時の時点で25.5度まで上昇、完全にドライコンディションでの戦いとなった。
4戦中、3勝目をマークし、トップを独走する川島秀樹(スイフト)。
今回行なわれた全9クラスの最初に走るPNクラスではダンロップユーザーが大活躍を見せる。その活躍の中心となったのは3戦中2勝をマークする川島秀樹(スイフト)。その川島は1本目から好調さを見せつけ1分49秒491のトップタイムでこのクラスをリードする。トップの川島に続き2番手は第2戦の丸和で優勝を果たした佐藤卓也(スイフト)、3番手に鳥居晴彦(デミオ)とダンロップユーザーがトップ3を独占し午後の2本目に備える。迎えた2本目ではコースコンディションは安定しタイムアップが見込める。この状況で3番手スタートを切った佐藤がそのタイムを一気に45秒台にまで突入させ1分45秒472のタイムでトップに躍り出る。これに続きコースインした鳥居は佐藤のタイムに追いつく事ができず1分48秒071のタイムで2番手に付ける。そして最終走者は1本目でトップタイムをマークした川島が登場。その川島の走りは前戦の門前から好調そのもので各セクションを難無くクリアしゴールラインを通過。タイムは1分45秒102、0秒370差で佐藤をかわし優勝を獲得。前戦の門前に続き連勝を達成し、ポイントラインキングでもトップを守り更に大きなアドバンテージを築いた。2位には佐藤、3位には鳥居が入賞しダンロップユーザーがワン・ツー・スリーフィニッシュを達成させた。
大幅なタイムアップを成功させた内藤聡(インテグラ)が今季初Vを達成。
大半がFF方式の二輪駆動車がエントリーしサーキットでもお馴染みの車両が戦うN1クラス。このN1クラスの1本目では現在ポイントランキングでトップを行く黒木陽介(インテグラ)が1分43秒752のタイムであっさりとトップに立つが、続く午後の2本目では展開は激変する。1本目で2番手に付けた内藤聡(インテグラ)がシード勢では最初にコースインすると、そのタイムはなんと黒木のマークしたトップタイムを4秒以上も縮める1分39秒554でトップに立つと、続いて走行する黒木は自身の1本目のタイムを更新するものの1分41秒200で内藤のタイムに1秒646届かず2番手に留まる。最終走者は昨年度のチャンピオン、本多智治(シビック)が走行。1本目では6番手に甘んじていた本多だが、この2本目の走りでは一気に勝負に出たと感じられ、そのタイムは1分40秒473、5秒以上のタイム短縮に成功したが内藤のトップタイムを破る事は出来ず2番手に割って入るかたちとなる。この結果、優勝を獲得したのは今シーズン初優勝を飾った内藤、2位には本多、3位に黒木が続きダンロップユーザーのワン・ツー・スリーフィニッシュを達成。本日、2クラス目の表彰台独占を見せた。
今シーズン初優勝でタイトル争いに食らい付いた西田裕一(ブーン)。
この北海道ラウンドでのダンロップユーザー同士の激しい戦いを見せたN2クラス。現在、ポイントランキングでは2勝を挙げた佐藤秀昭(ストーリア)が、このクラスを牽引する展開となっている。その佐藤が1本目では唯一の40秒台、1分40秒553をマークしトップに立ち優位かと思われる展開だったが、やはりここはダンロップユーザー激戦のN2クラス。午後の2本目ではダンロップユーザーの山岡功明(ブーン)が1分38秒829でトップに立つと、今シーズン、ポイントランキングで3位に付ける西田裕一(ブーン)が1分37秒593のタイムで山岡をかわしトップに立つ。そして残るはポイントランキングのトップ2、佐藤と伊藤益弘(ブーン)。先に伊藤が走行を開始。大きなミスが見受けられずゴールした伊藤のタイムは西田のタイムに1秒469届かずこの時点で山岡に続き3番手となる。残る走者は三連勝が掛かった佐藤、昨年もこのスナガワでは優勝を果たしている佐藤だけに西田にとっては怖い存在なはず。そして無事ゴールラインを通過した佐藤のタイムが場内にアナウンスされる。そのタイムは1分38秒552、0秒959差で優勝は西田のもとへ、優勝を勝ち取った西田は今シーズン初優勝。ランキングでは伊藤をかわし2位へと浮上した。
欲しかった今季初優勝を遂に手にした北島広実(ランサー)。
N3クラス、これまでの3戦でそれぞれ勝者が分かれ、現在は7ポイント差以内に3名が入り乱れる展開となっている。そんなN3クラスで今シーズンまだ優勝は無いがクラストップを行くダンロップユーザーの北島広実(ランサー)が1本目で唯一の33秒台をマーク。1分33秒364のクラストップタイムで1本目を終え、今シーズン初優勝を大きく近づけた。しかし路面コンディションが整いタイムアップが見込まれる2本目が実質の勝負所になると予想され、勝敗は2本目に持ち越される事に。2本目ではノーシードの北條倫史(ランサー)が32秒台に突入すると、ポイントランキングで2位に付ける佐藤隆行(ランサー)が北條をかわしトップタイムを塗り替える。そして1本目でトップの北島が走行し32秒の台前半となる1分32秒138のタイムで更にトップタイムを塗り替える。これに最終走者となる吉村修(ランサー)が挑むものの1分32秒588、0秒450差で2位に留まった。これで優勝は北島のもとに、これまでの3戦で優勝はまだ無かったものの高ポイントを獲得してきた北島。この4戦目にして今シーズン初優勝を飾り、優勝の20ポイントを更に加算し、僅か1ポイント差だった佐藤との差を9ポイント差まで広げる事となった。また、このクラスは毎戦、優勝者が代わっているだけにこの先の戦いが他のどのクラスよりも面白くなりそうな気配が漂う。
勝負所の2本目で実力を発揮した山崎利博(シビック)が今季3勝目をマーク。
SA1クラス、ポイントランキングではこれまで2勝を挙げたダンロップユーザーの山崎利博(シビック)がシリーズトップ。2位も同じくダンロップユーザーの柴田一洋(インテグラ)が山崎を16ポイント差で追い掛けるこのクラスはダンロップユーザーのタイトル獲得に優位なクラスになっている。シリーズトップの山崎が1本目でまさかの5番手タイムと予想以上に順位を落とし不調かと思われたが、2本目ではその不安要素を吹き飛ばす走りを見せつける。山崎の走行までにトップタイムは39秒台に突入しており、同じダンロップユーザーの清野タカシ(シビック)が1分39秒088のトップタイムをマークしていた。山崎はこのタイムを1秒以上も塗り替える1分37秒769のタイムで文句無しの優勝を獲得。連続タイトル獲得に向けて今季3勝目をマーク。表彰台2位のポジションに清野、3位のポジションはここ北海道が地元の川口昭一(シビック)が続き、このSA1クラスでもダンロップユーザーのワン・ツー・スリーフィニッシュを達成させた。優勝の山崎は獲得ポイントも更にアドバンテージを広げ、トップ独走を続ける事となった。
地元、スナガワで全日本初優勝を遂げた山田善之(ランサー)。
エントリー車両が殆どランサーで占められているSA2クラス。開催前、このクラスで注目を集めたのは、シリーズトップを行き、第2戦よりニューマシンを投入したダンロップユーザーの北村和浩(ランサー)。その注目を集めた北村が1本目、1分32秒045でトップに立ち優勝に一歩近づくと、同じく32秒台で松浪克知(ランサー)が2位、北海道を地元とする山田善之(ランサー)が3位で北村に食らい付き上位はダンロップユーザーで占める。午後の2本目、上位勢ではノーシードの山田がひと足早く走行を開始すると、地元での地の利を活かしぐんぐんとその速さを増していく。そのタイムは1分29秒919を計測しこれ以上のタイムで優勝が争われるかと予想されたが、続くシード勢でもこのタイムを越えられず苦戦する。そして1本目では2番手タイムの松浪が走行し無事ゴールを迎えるが30秒の壁が破れず1分30秒791で2位に付ける。そして1本目でトップタイムをマークした北村がコースイン。前半の長いストレートから始まる高速セクションでは49秒613の山田のタイムに対して北村は49秒886と0秒273差で僅かながら山田が北村を上回っている。そして、コーナーが連続する後半セクションを抜けて北村がゴール。そのタイムは1分31秒440、後半セクションでも北村は山田のタイムを上回る事ができず、山田が優勝をその手に納める結果となった。この優勝は山田にとって全日本初、その嬉しさのあまり、嬉し涙が止まらなかったようである。
今シーズン初Vでポイントランキングも単独首位の児島泰(シビック)
トップ2名が同ポイントでタイトルを争う展開のSC1クラスでは現在、太田雅文(ランサー)とダンロップユーザーの児島泰(シビック)が40ポイントで並びタイトルを争っている。このトップ二人の使用する車両は一見、二輪駆動と四輪駆動と違うように思われうるがSC1クラスは二輪駆動と定められており、気になるランサーも二輪駆動で異様な戦いである。競技はシビックを駆る児島がノーシードとあって太田より先に走行する。児島の1本目のタイムは1分38秒126、対する太田のタイムは1分39秒788、この二人にダンロップユーザーの工藤清美(シビック)が割って入り、児島がトップ、工藤が2番手、太田が3番手の順となる。午後の2本目では児島が1分36秒234でトップに立つと、工藤が1分36秒304で僅かに児島には届かず2番手となる。1本目で3番手に付けていた太田のタイムは1分36秒737、36秒台に入れたが児島、工藤のタイムに届かず3位に甘んじる。この結果、児島が今シーズン初優勝を飾りポイントランキングでも単独で首位に躍り出た。2位に続いた工藤もポイントランキングでは4位から3位へとポジションをアップさせた。
今回の行なわれた全9クラス中、7クラス制覇と大活躍を見せたダンロップ勢。次戦は4週間のインターバルを挟み、津軽海峡を渡って戦いの舞台を青森県はサーキットパーク切谷内へと移す。この時期、夏祭りに沸く東北地方の熱気に負けないダンロップ勢の走りを見せて欲しい。