第4戦 2008年7月6日(日)丸和オートランド那須(栃木県)
初夏の丸和決戦!
見事、ダンロップ勢が5クラスを制圧!
遂に復活を遂げた北村和浩(インプレッサ)
前戦の北海道スナガワから戦いの場を本格的に夏の暑さを感じる本州に戻し、全日本ダートトライアル選手権第4戦が7月6日丸和オートランド那須で開催を迎えた。今シーズンこの丸和オートランド那須での開催は昨年同様、開幕戦の「ケンミレニアムカップ」に続いて2回目で、北関東のダートトライアルファンにとっては喜ばしい事だろう。
7月の初旬は梅雨時である為、各地方の天気予報で雨の予報が無くても、細かな地域ごとでみれば、この那須塩原や大田原地方では雨の予報が表記されていて、いつ雨が降るか解らない状態。しかし開催当日は朝から晴天に恵まれ万全のコースコンディションの中、競技が開始された。
今季負け知らず!開幕4連勝中の原宴司(ブーン)
この大会、ダンロップ勢で最初に勝ち名乗りを挙げたN2クラスは、開幕より連勝を続ける原宴司(ブーン)。2トライ共にDIREZZA 74Rを選択し今季開幕4連勝を達成。その原の走りは1本目から他のドライバー達とは次元が違う印象で、原ただひとりだけが1分37秒台をマーク。続く2本目では同じダンロップタイヤを履きダイハツブーンを駆る佐藤秀昭(ブーン)が、遂に原の1本目のタイムをコンマ245秒上回る1分37秒314でトップタイムを更新。そして続く原は佐藤のゴールを待たずスタートを切っており佐藤のタイムを確認できていない。そんな原は自身のタイムを更に上回るべく果敢にアタックを行い、ミスを一切犯さない走りでゴールラインを通過。気になるそのタイムは、なんと佐藤のタイムを1秒近くも引き離す1分36秒149のトップタイムで再逆転。またしても完全優勝を手にする事となった。2位に佐藤、3位には岡林亮太(ブーン)が続き、また4位にも伊藤益弘(ブーン)が入賞し、ダンロップ勢が1位から4位を独占した。
更に2位以降にポイント差を広げた吉村修(ランサー)
N3クラスは1本目からポジション上位をダンロップ勢が独占し、ダンロップタイヤとこの丸和オートランド那須との相性の良さを見せつけた。現在ポイントランキング8位、ダンロップユーザーでノーシードの景山浩一郎(ランサー)が奮闘。景山は1本目で、ただ一人となる1分30秒台に突入する1分30秒686のタイムでトップに立つ。続く2番手、3番手には同じダンロップタイヤを履く赤羽政幸(ランサー)、吉村修(ランサー)が続き、ダンロップ勢が上位を占め表彰台独占へ向け2本目に期待が掛かった。
そして迎えた2本目。コース状態が安定した事と、各ドライバー達が今回のコースに慣れ始めたことで大きくタイムアップを成功させている。ところが1本目でトップタイムをマークした景山はこの2本目でミスを犯してしまい、自身のタイムを上回ることができない。
1本目で2番手タイムだった赤羽が果敢な走りで、遂に29秒台へ突入してくる。そして迎えたクラス最終走者はデフェンディングチャンピオンで、現在ポイントランキングトップの吉村が登場。開幕戦ここ丸和も優勝を飾っている吉村だけに会場全体がその走りに注目。吉村はプレッシャーにも負けず、ミス無く走り切りゴールラインを通過。そのタイムは赤羽をコンマ518秒上回り1分29秒065でトップタイムを更新。前戦のスナガワに続き2連勝を見事達成した。優勝した吉村を初めダンロップユーザーはこの2本目でDIREZZA 86RWを選択しタイムアップに成功。またN2クラスに続いてこのN3クラスでも2位に赤羽、3位に山野光司(ランサー)のダンロップ勢が入賞し、表彰台を黄色い帽子で独占する活躍を見せた。
新型インプレッサで初の優勝を飾った北村和浩(インプレッサ)
全日本ダートトライアル選手権では最多のエントリーとなるSA2クラスでは、この大会でも39台がエントリーし、激戦が繰り広げられた。気になるダンロップ勢の1本目は殆どがDIREZZA 74Rを選択。その1本目、それまで1分32秒台で各車が競っていたところを)北村和浩(インプレッサ)は選択したDIREZZA 74Rが決まり、ベストタイムを大きく上回る1分30秒368をマークしトップに立つ。午後の2本目ではこのクラスの前に行われたSA1クラスから空模様が変わり始め、小雨がパラつく何とも言えない状態。またこのクラスのスタート前には散水車によるコース整備も入り、決して1本目よりコースコンディションが良いと言えない状況での2本目となった。やはりこのコース状況では各ドライバー達はタイムアップを図る事が出来ない。北村も同様に2本目は1本目よりも大きく遅れてしまう事に、こうなってしまうと優勝争いをする2番手の荒井信介(ランサー)もタイムアップは難しく2位に留まる。結果、コースコンディションに左右されたSA2クラスの戦いは、1本目のタイムを守り切った北村が見事今季初優勝を手にする事となった。遂に復帰を果たした北村の勝利は一昨年の最終戦のタカタ以来で、新型車両のインプレッサGRBでは初優勝となった。
見事、今シーズン初優勝を飾った工藤清美(シビック)
散水によって2本目は荒れたコースコンディションでの戦いであったSA2クラスとは違い、このSC1クラスの走行時にはコースは安定しはじめ、勝負どころはやはり2本目となった。このクラスの時でも気にならない程度ではあるが小雨がパラつく天候なのだが、タイムには影響が無いようだ。そんな状況でこの戦いを制したのは今シーズン、ポイントランキング3位につけるダンロップタイヤを履く工藤清美(シビック)。工藤は1本目を3番手タイムで終え、充分に優勝を狙える手応えを感じていたようで、2本目でもタイヤはDIREZZA 74Rと変更はない。また、その走りにはプレッシャーが感じられず、トップタイム更新に成功、嬉しい今シーズン初優勝とランキング2番手をゲット。今後の工藤が絡む事となった優勝争いから目が離せなくなった。
参戦第1戦目で優勝を獲得した川口つぐみ(アルト)
こちらもダンロップ勢が表彰台を独占する事となったSC2クラス。今季この第4戦から参戦を果たしたダンロップユーザーの川口つぐみ(アルト)が参戦第1戦目にして初優勝を手にした。川口は昨年の第6戦丸和で優勝を飾っており自信と相性は充分。その証拠に1本目から難なくと言っていいのかトップタイムをマーク。続く2本目では自身のタイムを1秒228上回る1分34秒014のタイムで、川口自身の開幕戦を勝利で飾った。続く2位にはダンロップユーザーの小清水昭一郎(ミラジーノ)が今シーズン2度目の2位をゲット。3位にも同じくダンロップユーザーの岩田真理(ストーリア)が入り、N1・N3・SC2の3クラスでダンロップ勢が表彰台を独占する活躍を見せた。
次戦は約1ヶ月のインターバルを経て、本州最北に位置する青森県サーキットパーク切谷内を舞台に第5戦が開催。好調をキープするダンロップ勢の更なる活躍に期待が掛かる。