DUNLOP MOTORSPORT
ドライバー
第3戦 5月26日(日)  オートスポーツランド スナガワ
北海道スナガワの豪快コースでダンロップ勢が成立全クラスを制覇!

冬の間は記録的な豪雪に見舞われたため、バックの山には残雪もかなり多く見られたが、全日本の砂川戦としては久しぶりに好天に恵まれた。

決勝日は全日を通して好天に恵まれ、第2ヒートからは半袖になるほどの暖かさ。風が強く、各ヒートのスタート前には散水が行わ れたが、ほとんど効果がない状態。石狩川の河川敷にあるオートスポーツランドスナガワには今回、ロングストレートが2本設定され全体的に速度域の高いコースとなったが、タイトコーナーでは轍が掘れるなど変化に富んだレイアウトとなった。不成立のSC2クラス以外、全クラスでダンロップユーザーが勝利を 決める強さを見せてくれた。

第1、第2ヒート共にトップタイムをマークした川島が今季2連勝をマーク!

14 台を集めたPNクラスは、まず第1ヒートで前戦おおむたの覇者、川島秀樹(スイフト)が1分53秒836と順当にベストタイムをマーク。第2ヒートでは全員がタイムアップを果たしたが、シード陣に入るとまず川島が2.796秒更新しての1分51秒040で再び首位に立つ。続く佐藤卓也(スイフト) も51秒台には乗せたが一歩及ばず、川島が首位のまま最終走行の今村宏臣(スイフト)を待つ。しかしその今村は52秒台に終わり、2位とわずか 0.033で川島が、今季2連勝を決めた。川島「久しぶりに天気のいいスナガワを走ることができました。九州に続いて2連勝、このまま連勝を伸ばしていきたいです。隣にいる人(佐藤秀昭) が常にコンマ1秒くらいのところに食らいついてきますが、熾烈な争いで楽しいです。次回の門前もがんばっていきます」

高速コースを走り抜けた竹本が、逆転勝利で前戦のリベンジ。

インテグラ勢の戦いとなっているN1クラス。第1ヒートでは、前戦でマシントラブルに泣いた竹本幸広(インテグラ)が1分50秒729と、唯一50 秒台をマークしての首位と順調な滑り出しを見せる。第2ヒートになると、まず内藤修一が1分48秒228で首位に躍り出る。続く坂井義浩も48秒台には乗せてきたものの、わずか0.033秒及ばない。そして迎えた竹本は、なんと4.236秒もタイムを更新しての1分46秒293をマーク!会心の逆転勝利を収めた。竹本「北海道らしい大きなレイアウトでの高速コースで勝てたのでうれしく思っています」

先頭走行、ノンシードの中村が全日本優勝の大金星!

ブーン、ストーリアの4WDで争われるN2クラスでは大逆転劇が展開された。第1ヒートでトップに立ったのは、1分48秒633をマークしたチャンピオンの伊藤益弘(ブーンX4)。しかし、第2ヒートになると先頭走行のノンシード、中村慎一(ブーン)がDIREZZA74Rのままでアタックし、1分46秒 405と伊藤のタイムを2秒228も更新してくる。西田裕一(ブーンX4)のタイムも中村に0.511秒届かず、最終走行の伊藤を迎えるが、その伊藤は3番手タイムに沈み、中村が地元で全日本優勝を飾った。中村「何の間違いか、勝ってしまいました(笑)2週間前に横転してしまったのですが、夜遅くまで作業して直してくれたプロジェクトガレージや、今日サービスに来てくれているみなさんのおかげで勝てました。ありがとうございました」

激戦区のN3は、九州おおむたに続いて、北条が地元北海道で連勝を決めた。

N3クラスは今季ここまで1勝ずつを分け合っているふたりが熾烈なバトルを展開した。第1ヒートは開幕戦丸和を制した北島広実(ランサー)が1分39秒739で首位に立つ。しかし、前戦おおむたの覇者で地元北海道出身の北条倫史(ランサー)は第1ヒートのDIREZZA74Rから87Rに履き替えて臨んだ第2ヒートで、2秒060更新しての1分37秒777をマークし逆転首位に。次に走行した北島は第1ヒートからの74のままでアタックしたが38 秒台に終わり首位奪回ならず。前戦で宣言した通り、北条が北海道で2連勝を決めた。北条「地元なので勝てたらいいなと思っていたのですが、勝ててよかったのと、何年ぶりでしょうか、天気がよかったのがうれしかったです。次の門前は難しいコースですが、がんばっていきたいと思います」

スポット参戦が続く地元北海道の和泉が圧巻の勝利を決めた。

SA1ではダンロップユーザーの多くが、1本目にDIREZZA74R、2本目に87Rと履き替えてきた。このクラスでは、地元北海道のスポット強豪が勝利を挙げ た。昨年は勝利を逃した和泉泰至(インテグラ)が第1ヒートから1分47秒385と唯ひとり47秒台に乗せてのトップタイムをマークする。第2 ヒートになると87Rに履き替えた山田将崇(インテグラ)が48秒台に乗せてくるが、和泉も同じく87Rに履き替え、山田のタイムを0.915秒更新しての1分46秒534を叩き出す。シードゼッケンに入っても山田のタイムを塗り替える者は出ず、迎える最終走行はチャンピオンの山崎利博(シ ビック)。しかし山崎のタイムは第1ヒートの和泉にも届かず、和泉が地元の全日本戦で鮮やかな勝利を挙げた。和泉「毎年勝つつもりでやっているのですが、昨年はうっかり佐藤さんに負けてしまったので、今年は絶対勝ちたいと思ってやってきました。いつも地元だけ出て勝ち逃げして、早く本州に来て負けて見ろ、とみなさん思っていらっしゃるかと思いますが、しばらくはこのまま続けて、またいつか出られるようにがんばりたいと思います」

開幕2戦で勝利を逃し覚悟を決めて砂川入りした王者・北村が、気合いの走りで逆転勝利!

23台を集めたSA2クラスは、第1ヒートで田上政彦(ランサー)が1分39秒090と、唯ひとり39秒台を叩き出してのトップにつける。しかし第2ヒートにタイムアップを図る選手も続出し、中でも松波克知(ランサー)が38秒台に乗せてくる。シード陣に入ってもこのタイムを更新する者はないまま迎えた最終走行、北村和浩(ランサー)は並々ならぬ気合いを入れて渾身のアタックを見せると、松波のタイムをコンマ014秒上回っての 1分38秒409で逆転勝利を果たした。北村「一戦目、二戦目と荒井選手が勝っているので、シリーズ争いを考えると今日は何が何でも勝って帰らないと大変なことになるという覚悟で来ました。昨日からミッションの調子が悪く、今日の1本目を走った時点でも不調は続いていたのですが、自分の勝ちたいという気持ちと、応援してくれる人の勝たしてあげたい、という気持ちが繋いでくれたと思います。次も勝ってシリーズ争いを振り出しに戻したいと思います」

第1ヒートのタイムで勝利が確定した工藤。次戦ではポイント争いでの首位浮上にも期待がかかる。

SC1は、開幕戦を制し前戦のおおむたをスキップしたチャンピオンの工藤清美が登場。DIREZZA87Rを履いた第1ヒートでは1分46秒783とさっそくトップタイムをマークすると、第2ヒートになってもこのタイムは更新されず、自身の走行を待たずして優勝が確定。それでも第2ヒートで、2秒001もタイムを更新、昨年勝利を逃したスナガワで今季2勝目を奪取した。工藤「毎年、スナガワではクルマを壊して帰っていたのですが、今年は壊さずに済みました。2本目も87Rがぴったり合いました。次戦も勝って、(シリーズ争いで)児島くんを抜きたいと思います」

前戦のリベンジを勝利で果たした丹羽は今季2勝目。

ロングストレートのパワフルな走りで盛り上がった量産車ベースのハイパワー改造マシンのSC3クラス。第1ヒートはチャンピオンの吉村修(ラン サー)が、貫禄の走りを見せて1分37秒409のトップタイムをマーク。しかし第2ヒートになると、前戦でクラッシュを喫し、10位に沈んだ丹羽 政彦(ランサー)が、0.125秒上回る1分37秒409を叩き出す。続く平塚忠博(ランサー)も1歩及ばず、最終走行の吉村を待つが、吉村は自身のタイムアップも果たすことができず、丹羽が逆転勝利。開幕戦に続く今季2勝目を決めた。丹羽「なぜだか、みなさんまた"いつもの丹羽じゃない"と思っているようです(笑)九州でクラッシュして、ギリギリで直してもらって、本当にうれしかったです。ありがとうございました。今日もちょっと危なかったのですが、勝ててよかったです」

今季未勝利で3戦目を迎えた王者炭山は、宿命のライバルを1秒半以上も引き離して勝利を決めた。

Dクラスは宿命の雌雄を決する対決が白熱を極めた。第1ヒートは開幕戦で勝利を飾っている谷田川敏幸(インプレッサ)が1分38秒661と唯ひとり38秒台をマークしてトップに立つ。その谷田川は第2ヒートもタイヤを変えずにアタックするも、まさかのタイムダウンを喫してしまう。一方、前戦で奮わず今季はまだ勝利がない炭山義昭(ランサー)は、第1ヒートのDIREZZA74Rから87Rに変えて渾身のアタック。自身のタイムを1秒869更新しての1分37 秒220と谷田川を1秒441も突き放しての今季初勝利をマークした。炭山「昨日は最悪の状態で、どうしようかなと悩んでいたのですが、ダンパーを変えたりしてマシンをセッティングし直し、今日は思う通りに走ることができました。これからもがんばりますので、応援よろしくお願いします」
次戦、全日本ダートトライアル選手権第4戦の舞台は北陸。「ダートスプリントin門前」は、6月30日、石川県輪島市の門前町スポーツ公園で開催され る。周辺地域の盛大なバックアップでおなじみ、選手権の名物イベント。林道セクションも登場するテクニカルなコースで繰り広げられるダンロップ勢の活躍にぜひご期待ください。