第3戦 2008年6月8日(日)オートスポーツランドスナガワ(北海道)
梅雨知らずの北海道決戦!
ダンロップ勢がスナガワで4クラスを制覇!


コースサイドに掛かる石狩川の水門は オートスポーツランドスナガワ名物!

 今年もダートトライアル選手権第3戦は津軽海峡を渡り北海道へとやってきた。戦いの舞台となるオートスポーツランドスナガワは、砂川市西部を流れる石狩川の広大な河川敷内にあり、その敷地の広さから多彩なコースレイアウトが設定できるという北海道ならではの開催地だ。このオートスポーツランドスナガワは真冬でもモータースポーツファンが集い走行を楽しむ程、北海道屈指のモータースポーツのメッカである。今回のコース設定は、中速を活かしたコース設定でテクニカルに設定されている。スナガワならではのハイスピードストレートが設定されていないのが残念ではあるが、今回のこのコース設定を各ドライバー達がどう攻略して来るかに注目が集まる。開催当日のコース状況はところどころ泥の状態。これによりダンロップ勢は一般ダートから泥ねい路を主体とした「DIREZZA 74R」を選択し1本目に挑む。午後からの2本目では気温も22度まであがりコース状況もドライへと移り始めていて、ダンロップ勢はそれぞれ違ったタイヤ選択している。心配だった天候は、日本列島が梅雨に差し掛かるこの時期であるが、そんな梅雨を知らない北海道での天気の状態は良いようで、開催当日も天候は朝から曇がひろがるが雨の心配は無くモータースポーツを開催するにはちょうど良い天候の中開催された。

今季、初優勝を果たした内藤聡

 まず最初にスタートを切ったN1クラスは、まだ安定しないコース状態だけに各ドライバーのタイムも安定しない。このクラスのダンロップ勢は1本目、「DIREZZA 74R」を選択しスナガワのコースに挑む。そんな中、ダンロップタイヤを履く上野倫広(インテグラ)が1本目1分44秒533のトップタイムをマークし優勝獲得に向けて続く2本目にも期待が掛かる。そして向かえた2本目は天候も段々と晴れ間が広がりコースの状態も安定している事もあるが、このクラスのダンロップユーザーは「DIRREZA 74R」をそのまま使用。各ドライバーが大幅にタイムアップを果たし、2本目が実質の勝負どころとなった。これを制したのは、ダンロップユーザーである内藤聡(インテグラ)が1本目のタイムを9秒以上も縮め、1分39秒310のトップタイムで今シーズン初優勝を飾りポイントランキングも3位へと大きくジャンプアップを果たした。同じくダンロップユーザーであり昨年のチャンピオンの河石潤(インテグラ)も3位表彰台に立ち、連続タイトル獲得に向け確実にポイントをゲット。

今季、開幕3連勝中の原宴司

 続くN2クラス、ダンロップユーザーが大半を占めるこのクラスは、現在2連勝中の原宴司(ブーン)の走りに注目を集めた。ここ北海道を地元とする原は絶対に負けられない。そして迎えた1本目、コースが安定しないのを見越して「DIREZZA 74R」を履き見事トップタイムを獲得。午後の2本目ではドライへと状況が変わる路面に対し舗装路から軟質ダートを主体をする「SP SPORT 85-R」に殆どの選手が履き変えるにも関わらず原は1本目と同じ「DIREZZA 74R」を使用。更にタイムを縮める事に成功した原は2位に2秒近くも引き離す1分36秒342のスーパーラップで優勝を獲得した。

これで原は開幕から3連勝を達成、この連勝がどこまで続くかに期待が掛かる。そして2位には佐藤秀昭(ブーン)、3位にも伊藤益弘(ブーン)とダンロップユーザーが表彰台を独占。ポイントランキングでは原が抜け出す形となるが、今回の結果で佐藤、伊藤、岡林亮太(ブーン)での2位争いが更に熾烈さを増し、このクラスも第4戦以降が面白くなりそうだ。

2年連続スナガワで優勝の吉村修

 N3クラスもやはり他のクラス同様、2本目が勝負どころとなった。1本目はコース状況からN3クラスでもダンロップユーザー全車が「DIREZZA 74R」を選択。そして注目は昨年度のチャンピオン吉村修(ランサー)だ。吉村は昨年、ここスナガワで勝利を収めており相性はバッチリで、これを証明付けるかのように1本目のタイムで只一人34秒台をマークしている。今回、ポイントランキングトップで吉村のライバルでもある田崎克典(ランサー)がエントリーしていない為、やはりここで優勝を獲得しておきたいとプレッシャーが掛かる。続く2本目、ここからも湿った路面が続くと予想するダンロップユーザーが殆どで硬質ダートから泥ねい路主体の「DIREZZA 86RW」へ変更。そしてこのクラス最後の出走となる吉村の前には既に4台が1分33秒台に突入しており、吉村がこのタイムを上回るかに注目を集めた。そして注目の吉村がコースイン、各セクションをリズム良くスムーズにミス無く走り抜けゴールラインを通過。気になるタイムは1分33秒041、2位に対してコンマ556秒差上回りトップタイムを更新。これで吉村が僅差でひしめき合う戦いに勝利し、ポイントランキングでもトップに立つ事となった。


 SA1クラス。ダンロップを履く柴田一洋(インテグラ)が前戦オオムタでの初優勝に続いて好調さを見せつけ2位獲得でポイントランキングもトップをキープ。3位にもノーシードの地元、ダンロップを履く笹原孝志(シビック)が3位表彰台を獲得している。

一昨年、門前以来の優勝を果たした笹本

 SC1クラスはポイントランキング上位2名がこのスナガワを欠場。ここぞとばかりに優勝を狙う各ドライバー達には気合がみなぎっている。そして今回、2本目勝負を覆す結果を見せる出来事が起きる。この出来事を起こしたのはダンロップを履くノーシードの笹本俊(シビック)。1分37秒674と2位に2秒839の差を広げトップタイムをマークし1本目が終了。タイムが大幅にアップする事が予想される2本目では予想どおり各ドライバーがタイムアップを果たすが、クラスの終盤を走るシードゼッケン勢になっても笹本の1本目のタイムを抜く事ができない。次第に笹本がマークしたタイムの速さに誰もが気付き出した時には既に遅く、SC1クラス全車が走り切り、笹本自身も2本目はタイムを落としてしまうのだが、1本目のタイムが決勝タイムとなり見事今季初、2006年の門前以来の優勝を飾った。続く2位には同じダンロップユーザーの工藤清美(シビック)が入りダンロップワン・ツーを獲得。


 このスナガワでは4クラス優勝と大活躍のダンロップ勢。次戦は津軽海峡を戻り本州は栃木県、丸和オートランドに戦いの場を移し、ついに真夏の戦いが本格化。ここでもダンロップ勢の活躍に期待だ。