DUNLOP MOTORSPORT
ドライバー
第2戦 4月20日(土) モビリティおおむた
九州おおむたでのラストランでN1、N2、N3のトップ6をダンロップが独占!

おおむたでの最後の全日本戦開催に多くのエントラント、観客が集まり別れを惜しんだ。

前日の夜に大雨が降り、明け方のコース上には水たまりが点在するセミウエット。当日の天候は朝から晴れたり曇ったりと不安定だったが、一日中、強い風が吹いて体感温度はかなり低くなった。強風の影響もあってか、路面は走行が進むにつれどんどんと回復していったため、第1ヒートのセミウエットから、第2ヒートはほぼドライ。ほぼあきらめ状態となった第1ヒートから、ほとんどのマシンが第2ヒートで大幅なタイム更新を果たした。会場となったモビリティおおむたは、長年、九州のモータースポーツで様々なシーンを生み出してきた名門コースだが、営業中止が決まり、地方戦イベントの開催は3月いっぱいで既に終了。全日本ダートトライアル選手権の開催も今回が最後とあって、しばらく全日本戦参戦から遠のいていた選手の参加なども相次ぎ、Dクラスには数々の名バトルを繰り広げてきた田嶋伸博もエントリーに名を連ねた。

シード組が魅せた貫禄の僅差バトル! 0.008秒差で川島英樹が優勝を果たした。

19台のエントリーを集め盛況となったPNクラスは、1本目で佐藤秀昭(スイフト)が唯一55秒台を出してのトップタイム。2本目のトップバッ ター、増田好洋(スイフト)は、1分46秒927と1本目を10秒近くも更新すると、その他のマシンも順調にタイム更新を果たす。シード前のゼッ ケンでは、上野倫広(スイフト)が1分43秒924をマークして、シード勢のタイムを待つ。その3番手、タイヤをDIREZZA74Rから87Rに変えて挑んだ川島秀樹(スイフト)が上野を0.180秒先行してのトップに立つ。続く佐藤秀昭(スイフト)も川島同様に87に履き替えて挑むが、川島にわずか 0.008秒届かない。川島は残る2人も抑えて、クラス勝利を飾った。川島「苦手なコースでしたが、うまくまとめることができました。次の北海道は得意なコースなので、好調を維持していきたいと思います」

混乱の中でキッチリと走りをまとめてきた山本悠太が会心の走りでN1優勝!

13台がエントリーしたN1クラスは、第1ヒートで40秒台を出した森田英文(インテグラ)とシードゼッケンの竹本幸広(インテグラ)の2台が、揃ってマシントラブルに見舞われる番狂わせ。中盤ゼッケンに入り、まずベンチマークとなった1分40秒904を出したのが、第1ヒートのDIREZZA74Rから第2ヒートで87Rに履き替えてきた斎藤道夫(インテグラ)。続く花見誠(インテグラ)、橋本英樹(シビック)も斎藤には届かなかったが、第1ヒートを6番手タイムで終わっていた山本悠太が、74Rのままで挑んだヒート2で斎藤を0.253上回るトップタイムをマーク! 87Rに変えた柴原学志(インテグラ)のタイムからも逃げ切っての優勝を果たした。また6位に入った松井正嗣(インテグラ)を含め、上位6台をダンロップユーザーが占めた。山本「シード勢に波乱が多かった中で、今回はうまく行きました。北海道はスキップしますが、その後の門前でまたがんばります!」

チャンプ伊藤を1秒以上も上回ったタイムを叩き出した西田裕一が開幕戦の雪辱を早くも第2戦で晴らした。

N2クラスは8台のエントリー中、6台がダンロップユーザー。第1ヒートは選んだタイヤがSP SPORT73RとDIREZZA74Rに分かれたが、74R陣で2位に2.249秒も差をつけたトップタイムを叩き出したのが西田裕一(ブーンX4)。第2ヒート、シードゼッケン二番手で走行した西田はDIREZZA87Rに履き替え1分37秒223の圧巻の走りを披露。この前の走者、宮木健郎(ストーリア)、内海晋作(ストーリア)も西田のスーパータイムには手の出しようがない。最終走者の現チャンピオンの伊藤益弘(ブーンX4)も、87Rに履き替えるのだが1.074秒及ばず2位となり、開幕戦では伊藤に続く2位に終わった西田が雪辱を晴らすこととなった。また4位に入った熊川嘉則を含め、上位6台をダンロップユーザーが占めている。西田「おおむたを走り始めて18年が経ちましたが、このコース最後の全日本戦で優勝を飾ることができてほんとうに良かったです。」

第2ヒートで87をチョイスした北条が思い出のおおむたラストランでクラス優勝。地元開催の次戦で連勝を狙う。

19台のエントリーでにぎわったN3クラスは、多くのダンロップユーザーが第1ヒートのDIREZZA74Rから第2ヒートで87Rに履き替えてきた。第1ヒートは2番手タイムに1.890秒差をつけた北島広実(ランサー)は74Rのままで迎えた第2ヒートで4位に終わり、この辺りになるとコースの乾き具合がかなり進んできたのがうかがえる。その第2ヒート、地元福岡の今福和彦(インプレッサ)が第1ヒートのタイムを7.612秒更新する会心の走りを披露する。シード陣に入っても今福は首位を維持、ようやくタイムを更新したのは、シード陣の4番手、北条倫史(ランサー)だった。北条は今福を1.255秒上回るタイムをマークし残る2人を待つ。しかしその北島、佐藤隆行(ランサー)が共にタイムを更新できず、逃げ切った北条が思い出のコースでクラス優勝を飾った。また、5位に入った黒木洋介(ランサー)、6位の赤羽政幸(ランサー)を含め、上位6台をダンロップユーザーが占めた。北条「(出身の)北海道を出て初めて走ったコースが、このおおむたでした。当時、たまたま4位に入って、全日本でもやっていけるかな、と勘違いして、今に至ります。そんな思い出のあるコースで結果を出すことができて、良かったと思っています。次の砂川も連勝目指して頑張ります。」

激戦となったSC1クラスを制したのは、最後の最後でおおむた勝利を収めた宮地聖。

SC1は14台がエントリーしたが、トップ5が1秒差にひしめく接戦となった。このクラスの頃になると第2ヒートでは路面がかなり回復され、全員が第1ヒートからタイヤを履き替えてきた。その第2ヒート、まず好タイムをマークしたのは、西尾忠(ミラージュ)。しかし続く宮地聖(インテグラ)は、西尾を0.609秒上回るタイムで首位に立つ。その後続は山崎迅人(ミラージュ)が0.490差、開幕戦で2位に入った児島泰(シビック)も0.053差と、宮地のタイムに一歩届かない。結局、シード勢に入ってもタイムは更新されず、逃げ切りで宮地が接戦を制した。宮地「三井でいい思い出を作るために、ひたすら地区戦に出たのですが勝てませんでした。最後の最後で全日本戦で勝つことができて、本当にうれしいです。来年、恋の浦で全日本戦が開催されることになれば、またここで勝ちたいと思います。」

ハプニング続出のSC3、仕切り直しでトップタイムをマークした梶岡悟がクラス優勝。

17台がエントリーしたSC3クラスは波乱が続出。まずアキマただゆきが第1ヒートでマシントラブルにより、第2ヒートを不出走となってしまった。そしてこの第2ヒートでは、開幕戦で優勝を果たした丹羽政彦(ランサー)がクラッシュするハプニング。既にコースインしていた梶岡には再出走の措置が執られた。その梶岡は、炭山裕矢(ランサー)のトップタイムを0.972秒更新! 続く平塚忠博(ランサー)も梶岡のタイムには届かず、混乱の中を冷静に走り抜いた梶岡がクラス優勝を果たした。梶岡「何とかドライで勝負することができて、よかったと思います。2本目はアクシデントで計測が取れていなかったということで、もう一度走ることになったのが、勝因でもあるかなと思います。今年は、青森の切谷内まで北海道以外は参戦するので、がんばります。」


全日本ダートトライアル選手権第3戦の舞台は場所を一気に北海道に移しての開催。「北海道ダートスペシャルin スナガワは、5月26日、北海道砂川市のオートスポーツランドスナガワで開催される。豪快なコーナーリングが見もの、選手権屈指の超ハイスピードコースで繰り広げられるダンロップ勢の活躍にぜひご期待ください。