第1戦 4月18日(日) モビリティおおむた
7クラスでダンロップ勢が大暴れ!
2010シーズンを好スタート!
クラスも車両も一新の川島秀樹(スイフト)がPNクラスで初優勝!
各モータースポーツカテゴリーが開幕、遂に全日本ダートトライアル選手権も春のモビリティおおむたで開幕戦を迎えた。昨年は第2戦として開催されたモビリティおおむただが、今年は時期を同じに開幕戦として開催。ここモビリティおおむたは九州の福岡県最南部に位置する大牟田市にあり、その立地は特徴的でジムカーナ場も併設し更には有明海に面するといった潮風が吹き入れる唯一の会場ではなかろうか。
気になる天候は前日の練習日から快晴の空に恵まれ、気温はやや暖かく感じられた。しかし難点を言えば巻き上げられる砂煙によってやや視界が遮られる事だけだ。
今年で2年目となるPNクラスはエントリーも集まり本格的に始動したと感じられる。開催最初にスタートを切るこのクラスでダンロップユーザーが早くも勝利を納め2010年シーズンを好スタートさせた。Nクラスよりも更に改造範囲が狭く1,600cc以下の2輪駆動の車両で競われるこのクラスは各自動車メーカーの現行車がエントリー可能で注目のクラスの一つである。そんな注目のPNクラスには昨年SA1クラスからクラス変更をした川島秀樹(スイフト)をはじめとするダンロップユーザー3名がエントリー。やはりSA1クラスに参戦経験のある川島が有力で昨年ランキング2位の鳥居晴彦(デミオ)とデッドヒートを繰り広げる。一本目はお互い1分55秒台で僅かながら鳥居が先行しトップに立つが、午後の二本目では川島が唯一となる1分49秒台に突入の1分49秒867をマークしクラス初優勝をその手に納める事となった。
昨年末の特別戦に続き黒木陽介(インテグラ)が連勝を飾る。
ナンバー付きの車両で改造範囲が狭いNクラス、その内2輪駆動のみで行なわれるN1クラスでダンロップ勢、本日2つ目の勝ち星を獲得。その勝ち星を手にしたのは昨年末に行なわれた特別戦で優勝を飾って以来、好調の波に乗る黒木陽介(インテグラ)。同じダンロップユーザーの内藤聡(インテグラ)とは二本目のタイムが僅かコンマ004秒差と稀に見る僅差の闘いが早くもこの開幕戦で繰り広げられシーズンの激化を予感させる。全日本では久々の優勝を手にした黒木に今シーズンの活躍を期待したい。
今年も続く事が予想されるダンロップユーザー同士の優勝争い。開幕戦の優勝は伊藤益弘(ブーン)のもとへ!
毎回ながらダンロップユーザー同士での戦いが激しいN2クラス。午前の一本目では昨年、僅か1ポイント差でチャンピオンを逃した佐藤秀昭(ストーリア)が2位の中嶋ケンタロー(ストーリア)に対し一秒以上も差を付ける1分45秒033のトップタイムをマークしタイトル獲得に向け始動させた。続く二本目ではライバル達が次々にタイムアップを果たし中嶋が1分43秒台に突入すると続く西田裕一(ブーン)がこれを上回り42秒台へとトップタイムを更新する。そして最終走者、佐藤の前を走る伊藤益弘(ブーン)が走行。西田のタイムを1秒065も更新する1分41秒420のスーパーラップを見せ意地を見せ付ける。この時既に佐藤はコースインしており状況は佐藤以外が知る事となる。伊藤のタイムを知らない佐藤の走りにミスは見受けられずそのままゴールラインを通過。気になるタイムは1分42秒479、伊藤のタイムに1秒059及ばず無念の2位表彰台を獲得。その結果、昨年の第5戦コスモスパーク以来の優勝を伊藤が飾り、その激しい戦いの結果、1位から5位までをダンロップユーザーが独占する活躍を見せ付けた。
ディフェンディングチャンピオン山崎が優勝を獲得。
昨年はシーズン3勝を挙げ、SA1クラスのチャンピオンに輝いた山崎利博(シビック)がこの開幕戦おおむたを制覇し連続タイトルに向け、まず一勝目をマーク。その優勝を飾った山崎を筆頭にダンロップユーザーも好成績を納めた。2位表彰台に立ったのは一本目で山崎のタイムをかわしトップタイムをマークした矢野淳一郎(MR-2)、残る表彰台3位の場所には二本目のタイムでも上位両名と同じ1分42秒台にタイムを延ばした清野タカシ(シビック)が入賞しダンロップが表彰台を独占。この成績がダンロップユーザーの層の厚さとタイヤ本来のクオリティの高さが証明されているに違いないはずだ。
今年こそは北村和浩(ランサー)によるSA2クラス制覇が現実に!
迫力ある走りで観客を魅了するSA2クラス。このクラスでは全車がミツビシのランサーEVOでエントリー。その中では以前までのランサーEVO IXと新型のランサーEVO Xとで別れており、これから進化を遂げるランサーEVO Xの走りに注目が集まる。そしてドライバーでの注目はダンロップユーザーの北村和浩(ランサーEVO IX)だ。この開幕戦はランサーEVO IXだが今年の途中からはEVO Xへの乗り換えも噂されドライバーと車両共に活躍が期待される。そしてもう一人は昨年のN3クラスチャンピオンでダンロップユーザーの山野光司(ランサーEVO IX)。昨年に急成長を果たしN3クラスを制覇、今年はクラスを一新しSA2クラスへ参戦。気になる競技は一本目、まだ路面が整はない状況で北村は1分37秒548のタイムでトップに立ち優勝を自分の元へと手繰り寄せる。しかし二本目では路面状況が良くなり各ドライバー達がタイムアップを果たして来る事だろうと予想される。その予想どおりに二本目では北村のトップタイムはあっさりと更新され、山野が走行するとノーシードながらそれまでのタイムを大幅にアップする1分33秒738のタイムでトップに立った。そして山野がトップのまま遂に北村が走行を始め北村ならではの「人生横向き」を感じさせる豪快な走りで各セクションを走り抜けそのままノーミスでゴールへと辿り着く。結果は北村が山野のタイムを1秒792も上回り自力で優勝を勝ち取る事となった。3位にはこちらもダンロップユーザーの櫛田正文(ランサーEVO IX)が入賞しSA2クラスでも表彰台を独占する活躍を見せた。
昨年に続き伊豆田浩三(セルボ)が勝利を納め、おおむた連勝を達成!
PNクラスの5台エントリーに次ぐ少数エントリーとなったSC2クラスは全部で6台がエントリー。その中で際立っていたのはダンロップユーザー同士の激しい戦い。一本目では昨年ランキング2位の岩田真理(ストーリア)が1分42秒579のタイムでクラストップに立つ。これに遅れることコンマ886秒差で昨年ランキング3位の伊豆田浩三(セルボ)が岩田を追撃する。そして二本目、先に走行する伊豆田は一本目のタイムを5秒364も上回る1分38秒329の最速タイムをマーク。そしてクラス最終走者の岩田が伊豆田のタイムを破るべくアタックを掛けるが惜しくも伊豆田にコンマ619秒及ばす2位を獲得。優勝を飾った伊豆田は昨年もこのおおむたを制覇しており、やはりこのおおむたを得意としているようだ。
開幕戦から優勝の好スタートを切りタイトルを狙う丹羽政彦(ランサー)。
今開催でダンロップに7つ目の勝利をもたらしたのはSC3クラスのベテラン丹羽政彦(ランサー)。その丹羽は昨年このクラスでランキング3位と好成績を収め今年こそはとタイトル獲得に燃えている。そしてこのSC3クラスで不動のチャンプと言えば谷田川敏彦(インプレッサ)。そのチャンプ谷田川と丹羽とで激しい一騎打ちのバトルが繰り広げられた。午前中の一本目では両者のみが1分34秒台に突入、3位以下に大きな溝を空ける。そして勝負所となる二本目では丹羽がチャンプ谷田川をコンマ353秒上回る1分30秒302のクラストップタイムを叩き出し、2008年第5戦切谷内から一年半ぶりとなる優勝を飾った。
開幕戦より11クラス中7クラス制覇と好成績を収めたダンロップ勢。この調子をそのままに次戦丸和ラウンドに繋げ、更なる活躍に期待したい。