第6戦 8月30日(日) エビスサーキット
野村と日比野が着実にポイントを稼ぐ
古口美範選手も1回戦を突破
前日の第5戦では日比野哲也が準優勝を飾り、勢いに乗ってダブルファイナルズの2日目を迎えたダンロップワークス。会場は前日と同じく、エビスサーキット南コースだ。1回戦に挑むダンロップ勢はシードの野村謙と日比野哲也、そして“帝王”古口美範、第5戦で初のベスト16進出を果たした加藤貴也の4名だ。天候は朝から霧雨で、8月下旬とは思えない肌寒さ。完全なウエット路面のまま1回戦がスタートした。なお前日のベスト16まで進んだ猪瀬徹は、マシントラブルのためリタイヤという残念な結果だった。
1回戦を1位通過の日比野哲也選手
真っ先に登場したのは古口。滑りやすい路面状況にも関わらず、マシンを巧みにコントロールし高得点をマークする。結果は9位で見事に決勝トーナメント進出! 続く加藤は残念ながら20位で不通過、エース野村は今回もポイントを確実に抑えつつ無理をしない走りで10位。圧巻だったのは日比野だ。第5戦の予選を彷彿させるアグレッシブなドリフトを披露し、なんと2日連続でトップ通過を果たす。比較的パワー差の出にくいエビス南とはいえ、この結果には驚くほかない。
野村謙選手vs斎藤太吾選手
ベスト16が始まる頃、雨は上がったものの路面は依然としてウエット。日比野はベテラン福田浩司選手と対戦するが、先行・後追いともポイントを奪いベスト8に。続く古口vs今村陽一選手は、先行する古口が1本目の2コーナーでスピンしてしまう。2本目はミスなく決めたが、ポイントを逆転するまでには至らなかった。そして野村は昨シーズンのチャンピオン、斎藤太吾選手との対戦だ。1~2本目は両者ともまったく譲らず、当然ながらサドンデスに。3本目は最終コーナーで斎藤がラインカットの判定を受け、それが決め手となり野村のベスト8進出が確定した。
野村謙選手vs手塚強選手
続くベスト8、まずは日比野vs今村陽一選手の対決から。昨日も準決勝で対戦し、日比野がスピードで圧倒し勝利を収めている。1本目は日比野が先行するが、今村は独特のラインで懐に飛び込んでくる。若干のビハインドを背負った2本目、今度は先行の今村が4コーナーでアンダーステア。前日に続き、日比野が今村を破って準決勝に駒を進めた。そしてランキング2位の野村は、ランキング1位の手塚強選手と対戦する。野村が先行する1本目は手塚が懐に深く食い込み、2本目でポイントを挽回しようとライト点灯で鬼気迫る走りをみせるが、わずかに及ばなかった。
日比野哲也選手vs末永正雄選手
準決勝は日比野vs末永正雄選手という、昨日の決勝戦と同じ取り組みだ。1本目と2本目はお互いにインを奪い合い、イーブンの採点でサドンデスに突入する。勝負が動いたのは3本目の2コーナーで、日比野が痛恨のシフトミス! 圧倒的に不利な状況で挑んだ4本目、大逆転を狙いギリギリの走りでパワーに勝るFD3Sを追いかけるが、駆動系にダメージを抱えていたのか、4コーナーでまたもシフトミスをしてしまう。日比野の快進撃もココまで。しかし、不利なマシンでターボ車を追いかけまわす日比野の勇姿は、観客に大きな感動を与えたに違いない。なお、トーナメントは末永選手が2連勝を達成した。
シリーズ制覇を狙うダンロップワークス
惜しくも優勝は逃したが、まだまだシリーズ制覇の道は残されている。次の第7戦と第8戦(ファイナルラウンド)は10月9日~11日、富士スピードウェイでのダブルファイナルズ。ダンロップワークスは日比野が2位で野村が4位と、ともにチャンピオン候補の一角を形成している。なお、この日も路面コンディションはウエット~セミウエット~一部ドライと目まぐるしく変化した。そんな状況のなか、『ディレッツァスポーツZ1スタースペック』は常に安定したグリップとコントロール性を維持し続けた。この強力な武器が、大詰めを迎えたシリーズチャンピオン争いでは大いに役立ってくれるはずだ!
エースドライバー野村謙選手
野村選手コメント
「ベスト8は路面が濡れているところと乾いているところがあり、ギヤの選択に悩みました。後追いのとき、最終コーナーを脱出する角度を間違えてしまって……。次の富士はシリーズを狙うことはモチロン、いつも以上にお客さんを喜ばせる走りを心がけます!」
阿部監督を筆頭に戦うチームブリッツ
阿部監督コメント
「組み直したエンジンの低速トルクがイマイチ細く、最終コーナーの脱出に苦労してしまいました。斎藤選手との対戦はなんとか乗り切ったけど、手塚選手もミスの少ないドライバー。全力を尽くした結果なので、気持ちを切り替えてFSWでの最終戦に備えます!」