D1グランプリシリーズ第5戦 6月25日(土)・26日(日) 岡山国際サーキット(岡山県)
お台場の雪辱、日比野が見せた!! 執念で単走優勝を飾る!!
エース野村が総合4位までランクアップ!!
前回のお台場はクラッシュとマシントラブルで泣いた日比野哲也選手。マシンの仕様を大幅に変更して岡山へ挑んだ
イレギュラーな進行で幕開けした2011年のD1グランプリシリーズは、早くも後半戦へと突入した。その第5戦は岡山国際サーキット。
昨年も6月末に開催され、ダンロップ勢の上位4選手は、今村陽一選手が3位、野村謙選手が9位、古口美範選手が11位、日比野哲也選手が1回戦敗退という結果だった。
今シーズン、お台場2連戦を終えて、総合ランキングは今村選手がトップ、古口選手が5位、野村選手が7位となった。昨シーズンの覇者である今村選手が総合ポイントラインキング1位の座をついたわけだが、じつは、昨シーズンも前戦の富士で優勝し、岡山へはゼッケン1をつけて乗り込んでいる。岡山を終えるとエビス、富士を残すのみという点も同じ。まるで昨シーズンを再現しているかのようだ。お台場で見せた勝利への飽くなき執念。通算4度目、3連覇を虎視眈々と狙っている。
また、古口選手も今シーズンと同様にランキング5位で岡山を迎えた。お台場でニューエンジンを搭載した180SXは、当然岡山戦を見据えたもの。ハイスピードコースを得意とする古口選手の本領発揮となるか。
日比野選手はお台場でマシントラブルに泣き、まさかのシード落ちとなってしまった。今シーズンから2.2Lターボエンジンのトレノは、強豪ハイパワー勢と互角に渡り合うスペックであるゆえに、じつに惜しい結果だ。ただ、一昨年の岡山では、優勝を飾っている。獅子奮迅の活躍に期待したい。
そして、ダンロップのエース、野村選手もこのところマシントラブルに見舞われている。しかし、2週間のインターバルでエンジン、駆動系などのリフレッシュを施し、万全の態勢で岡山へ臨んでいる模様だ。総合チャンピオンのポイントランキング現在7位。まさに岡山はチャンピオン争いへ加わるための負けられない一戦となる。ポーディアムの頂点を目指して挑んでほしい。
右手を負傷してまだ完治していない箕輪慎治選手が奮戦。予選を8番手で通過。本戦へと駒を進めた。昨シーズンも岡山では単走1回戦への進出を決めており、岡山との相性がいい
第5戦・岡山の予選は6月25日(土)の午後に行なわれた。当日の天候は晴れで、最高気温が30℃を超える夏本番の暑さとなった。
審査区間は、レーシングコースのホームストレートをスタートし、2コーナー(通称ウィリアムズコーナー)の立ち上がりまで。岡山国際サーキットはホームストレートが1.08%の下り勾配であり、1コーナーの進入スピードも必然的に高くなる。オートポリス、富士スピードウェイと同様にハイスピード領域でのドリフトコントロールゆえに攻略が難しい。予選日の練習走行では審査区間すべてをドリフトでつなぐ走りを目指すも、1コーナーでコースアウトする車両も多く見られ、苦戦している様子であった。また、雨ともなれば下り勾配がいっそうドリフトコントロールを難しくする。その攻略のカギは「ロングサイドドリフト」で、スリッピーな路面を生かしストレートからサイドブレーキで飛距離を伸ばし、ドリフトでつなぐスタイルが雨の岡山では主流となる。
さて、予選に出場したのは27名で、このうち上位13名が決勝への切符を手にする。ダンロップ勢は、箕輪慎治選手、河上善計選手、深田真弘選手、北芝倫之選手が予選に挑み、この結果、箕輪選手が8位となって今シーズン初の単走決勝進出を決めた。1本目はやや迫力に欠ける走りであったが、大きなミスもなくうまくまとめて98.33点。2本目もミスなしの走りでさらにポイントを伸ばして98.53点を獲得するという内容だった。
箕輪選手が予選を通過したことにより、決勝には6名のダンロップ勢が出場する。
まさにひとり気を吐くようなアグレッシブな走りで堂々の単走優勝を決めた日比野哲也選手。お台場の鬱憤を晴らした
翌日の決勝日は、台風5号の影響を受け、岡山国際サーキット周辺では朝方まで雨が降った。やや風が吹き、気温は昨日より低い。上空には分厚い雲があったものの、幸い練習走行が開始された頃には雨もなく、ほぼドライコンディションでの走行となった。
練習走行は3組に分かれて行なわれ、最後に登場したシード組に野村選手、今村選手、古口選手の姿があった。野村選手はコースコンディションを確かめるかのような慎重なドライビングでスタートし、調子のよさを見せる。
今村選手も同様に安定した走りで、途中でフロントタイヤを交換、万全の態勢をとっていた。しかし、まさかのミッショントラブルが発生し、単走に間に合わせるべく急ピッチで交換作業を行なった。
古口選手はこの練習中にコースアウトし、1コーナーのグラベルから抜け出せなくなったが大事には至らなかった模様。
シード組の前に走行した日比野選手は、お台場でのマシンの不調から脱却した感のある、スピーディで角度のついたアグレッシブさを予選日の練習走行から見せていた。決勝日でもそれは変わらず。そして「家から一番近いコース」とコメントしていた松川選手も調子のよさを見せていた。
単走ファイナルでは、途中で雨が降り出した。コース上にオイルが出たため20分ほど中断、再開されたが、こんどは雨が降り出してコースはウエットに変わっていった。ダンロップ勢で最初に登場したのは箕輪選手。その1本目はスムーズな進入を見せ、1コーナーをアウト側のラインをギリギリで通過。2コーナーをミスなく終える。しかし、スピード感の不足と、1コーナーのわずかな脱輪が指摘され、98.88点。2本目になってコース上はウエットへと変わりはじめ、滑りやすいコースコンディションとなったが、2コーナーまでまとめて97.15点と、雨が影響して伸びない。
ひと組目が終わったところでウエット宣言となった。スタート位置がドライコンディションより若干前に変更され、ふた組目がスタートした。
この組に登場したのは松川選手。1本目は角度がつきすぎて1コーナーでスピンとなり失敗。後がない2本目は、進入でややダートに片輪を落とし、角度はよかったものの1コーナーのラインが小さくなり、さらにはドリフトを戻してしまうミスが出た。2コーナーにかけてはうまくいったものの、ミスが目立ち、得点は98.1点で単走は23位。残念ながら追走1stステージへの進出は叶わなかった。
そして、同じ組で日比野選手が登場。その1本目は滑る路面をコントロールするものの、スムーズさに欠ける走りとなり98.78点と伸びない。しかし、軽さに加えてパワーアップした今シーズンのマシンは違った。難しいコンディションのなかをなんと170km/hという高い車速で進入し、そのまま鋭く角度をつける。1コーナーをアウト側ギリギリのラインで通過し、振り返してからの2コーナーもドリフトで決めた。これが99.63点の高得点をマークし、暫定1位のポジションにつけた。あとは、シード組が終わるのを待つばかり。鈴鹿では、最後に斎藤太吾選手(チェイサー)に抜かれてしまった。まさに神頼み。
そのシード組では、野村選手がダンロップのトップバッターとして登場。ウエットコンディションでも振り出しで素早く角度をつけて、スピードを維持しつつ理想的なラインを描きながら1コーナーを通過し、振り返してからの2コーナーもスムーズでミスのない走りで成功させた。「美しい」と審査席から評されるそれは99.28点の高得点を生み出した。2本目も同様にキレイなドリフトを見せて得点を伸ばす。99.38点となり、これが岡山の単走3位に確定した。
対照的に、波に乗れなかったのが古口選手。スピード、進入角度ともによい1本目だったが、1コーナーのラインが小さくなり、98.3点の得点となり伸ばせない。2本目は振り出しで深く角度をつけて進入。しかし、1コーナーの出口でドリフトを戻してしまう走りとなり失敗。単走21位という悔しい結果となった。
今村選手は、朝の練習走行でミッショントラブルに見舞われたものの修復作業を終えて無事にコースイン。ゼッケン1をつけて岡山へ乗り込んできた調子のよさを物語るように、1本目から魅せた。それはスピード感ある進入、角度をつけて理想的なラインを通過、振り返してからの2コーナーも「みごとな走り」と評されるものだった。得点は99.33点。2本目は1コーナーでアウト側へはらんで失敗してしまったものの、単走5位の結果で終わった。今シーズン、単走の優勝こそ未だしていないが、お台場以降、4位、5位へと確実に上位へ食い込んでいる。
そして、最後の今村選手が単走を終えたところで、単走の順位が確定。99.68点を出した日比野選手がそのまま踏み止まって、つい優勝を飾った。追走を含めて優勝は今シーズン初。悔し涙を流したお台場の雪辱をみごとに成し遂げたのだった。
「路面コンディションが回復方向にあったのでラッキーでした。1本目は距離を測りながら落ちるつもりで走り、それを2本目に生かせたという感じですね。嬉しいです」(日比野選手)
単走で優勝したものの、日比野哲也選手はベスト24で敗退してしまった。雨対策が今後の課題として残った模様だ
雨が止み、コースはいったん回復の兆しを見せていたが、追走1stステージの頃になって再び雨が降り始めた。このステージへ挑んだのが、日比野選手と箕輪選手だった。
日比野選手は唄和也選手(180SX)との対戦。ウォーミングアップランの1コーナーでコースアウトしてしまったが、マシンに問題はなく、唄選手が待つスタートラインへ。日比野選手の先行で始まった1本目、振り出して勢いよく進入するまではよかったが、オーバースピードとなって1コーナーでアウト側へはらんでしまう。なんとか踏ん張って走行を続けたものの、唄選手にアドバンテージを奪われた。後追いでは同時振りを決めた日比野選手。そこから勝負をかけたいところだったが、今度は角度をつけすぎてスピンを喫してしまう。ここで敗退が決まった。今回、追走をノーポイントで終えた日比野選手。しかし、単走で優勝し、単走ランキングと総合ランキングではトップ10圏内にとどまった。次戦のエビスは昨シーズン優勝を遂げているだけに期待がかかる。
■松岡歩代表(DROO-P)のコメント
「日比野のマシンはお台場のあとで仕様を大幅に変更しました。リヤの駆動系を強化しましたし、ステアリングはラックを交換してパワーステアリングになりました。マシンのエンジンを新しくして、ここまでなかなか噛み合ってくれなかったんですが、ようやく成果が表れた感じですね。松川はちょっとかかり気味になっちゃいました。メンタル的なところをうまくコントロールできれば、もっといけるはずですよ」
斎藤太吾選手との新旧ツアラー対決となった箕輪慎治選手。元チャンピオンとの戦いにサドンデスへと持ち込んで善戦したものの、惜しくも敗れた。しかし、初の岡山での追走は今後を戦ううえで大きなプラスとなったことだろう
雨足が強くなったなかで、箕輪選手は上野高広選手(BMW)と対戦した。初のカードは箕輪選手が勝利した。後追いでスタートした箕輪選手は、進入で上野選手に離されるものの、1コーナーで上野選手がコースアウトするミスを犯し、2コーナーまで手堅くドリフトをした箕輪選手が大きなアドバンテージを得た。入れ替わった先行では1コーナーから上野選手にドリフトで合わせられてしまうものの、アドバンテージを覆されることなく追走2ndステージへの進出を決めた。岡山での追走はこれが初。しかもベスト16へと勝ち進んだのであった。
結果、追走2ndステージはダンロップ勢4名で優勝を目指して戦うこととなった。
さて、追走2ndステージが始まった頃になって雨足はずいぶん弱くなったものの、依然としてコース上はウエット状態が続いていた。
予選を勝ち抜いてきた箕輪選手。対戦相手は初の顔合わせとなる、強豪の斎藤太吾選手(チェイサー)で、マークII系新旧対決のカード。まず、後追いでスタートした箕輪選手は、ミスなしで走るものの、斎藤選手に終始離されてしまいドリフトで合わせることができない。アドバンテージを与えてしまう。しかし、入れ替わった先行では斎藤選手にドリフトを戻しミスがあり、サドンデスへ突入。再び後追いでスタートした箕輪選手だったが、やはり斎藤選手に追いつくことができず、1本目と同じ展開となってしまう。先行でアドバンテージを覆したいところであったが、斎藤選手に1コーナーからドリフトで合わせられて勝負あり。ベスト16で今回は涙を呑んだ。しかし、強豪を相手にサドンデスの好ゲームで善戦した箕輪選手。次戦のエビスでもよい走りを見せてくれるだろう。
「単走は失敗しないことを心がけて走りました。岡山での追走は初めてだったんですが、斎藤選手とは友達なので、楽しめました。次のエビスは好きなコースですから、もっと上を目指したいですね」(箕輪選手)
互いに手を知り尽くしたベテラン同士の戦いとなった古口美範選手VS熊久保信重選手。軍配は熊久保選手に上がった
古口選手は熊久保信重選手(ローレル)が対戦相手だ。前回のお台場では準決勝で顔合わせしており、この対戦は熊久保選手の勝利となった。前回の借りを返したいところであったが、先行の1本目、車速に乗せてスリッピーな路面をドリフトで攻めるも、1コーナーで耐え切れずスピンアウトしてしまう。ミスなしで終えた熊久保選手に大きなビハインドを負うことになった。後追いでは同時振りで、進入から接近戦に持ち込んだものの、1コーナーで熊久保選手に接触、両者とも姿勢を崩すことがなかったが、熊久保選手のアドバンテージは変わらず、古口選手はベスト16で敗退が決まった。結果、単走が21位で、辛うじてポイントを獲得したものの、追走がノーポイントとなり、不本意な形で岡山を後にした古口選手。しかし、総合順位は7位に踏みとどまっている。
「路面変化に対応するスピードコントロールとか、的確な状況判断をしなければいけないところで自分の弱点が出てしまった感じです。もっともっと走りを詰めていき、残りの3戦をすべて優勝する気持ちで挑みますよ」(古口選手)
お台場ではマシントラブルにより戦いをいったん“お預け”していた野村謙選手。準決勝で熊久保信重選手と対戦したが、インに入り込まれて敗退。追走を4位で終えた
単走での安定感が勝っていた野村選手は、まず村山悌啓選手(シルビア)と対戦した。野村選手が先行で始まった1本目は、両者とも進入をキレイに決めて1コーナーへ。ここで後追いの村山選手が1コーナーでスピン状態となる。野村選手はそのままミスなくドリフトを続けて1本目を終えて大きなアドバンテージを得た。後追いではマージンを保ちつつドリフトで合わせた野村選手。手堅くベスト8進出を決めた。
ベスト8は川畑真人選手(180SX)との対戦となり、先行の1本目はスムーズに角度をつけた1コーナーの進入から2コーナー立ち上がりまでノーミスで走る野村選手。対して川畑選手は1コーナーからドリフトで合わせてインを食い込む。2コーナーでやや離そうとするも再びインに入られてしまい、川畑選手にアドバンテージを奪われた。後がない入れ替わりの後追いで、進入からドリフトで合わせようとする野村選手。と、ここで川畑選手がドリフトを戻してしまう大きなミスが出た。これが勝因となりビハインドを跳ね除けて野村選手が準決勝へと駒を進めた。
準決勝の相手は熊久保信重選手(ローレル)。お台場ではベスト16で対戦するも、マシントラブルで敗退を余儀なくされた。その借りをしっかり返しておきたい野村選手が先行。コントロールのうまさはさすがであり、角度をつけて1コーナーへ。しかし、進入から熊久保選手が接近戦へと持ち込んでくる。それは2コーナーまで続き、野村選手のビハインド。後追いでは同時振りで熊久保選手を捉えた野村選手であったが、1コーナーから2コーナーへかけてやや離されてしまい、ここで勝負が決まった。
接近戦の応酬となった斎藤太吾選手との戦い。惜しくも敗れた今村選手は同門対決の3位決定戦で野村選手を下して3位となった
追走が始まれば俄然強さを見せる今村選手のベスト16の対戦相手は、前年の岡山の覇者、時田雅義選手(クラウン)だった。今村選手が先行の1本目、スムーズに振り出して1コーナーへ進入し、ミスなしで終えた今村選手は時田選手をインに入らせない。しかし、時田選手にもミスがなく、ジャッジはイーブンに。入れ替わって後追いで、同時振りから今村選手が1コーナーで時田選手に合わせていく。2コーナーでもキッチリと合わせてポイントを奪い、ベスト8への進出を決めた。
ベスト8は手塚強選手(スカイラインGT-R)と対戦した。後追いでスタートした1本目、同時振りから1コーナーにかけて手塚選手にドリフトで合わせていく。しかし、決め手に欠け、手塚選手にミスがなくジャッジはイーブンに。入れ替わった先行でもノーミスで走る今村選手に対して、手塚選手もさすがにベテランらしいミスのない走り。しかし、手塚選手をインに入らせず、最後まで逃げ切った速さが勝因となり、準決勝への進出が決まった。
準決勝の相手は斎藤太吾選手。鈴鹿では決勝戦で敗れている。今シーズン2度目の対戦は今村選手の後追いで始まった。同時振りから斎藤選手にドリフトで合わせようとする今村選手であったが、ここでドリフトを戻してしまう手痛いミスが出た。1コーナーではビタビタ状態をつくったものの、ミスが響いてアドバンテージを斎藤選手に奪われる。入れ替わった先行で、今度は斎藤選手が同様に合わせてくる。アドバンテージを覆すことができず、岡山は準決勝止まりとなった。
しかし、休む間もなく3位決定戦。ここは野村選手との同門対決だった。先行が野村選手の1本目で今村選手が2コーナー立ち上がりであわやスピンかという状態をつくり、野村選手のアドバンテージとなったものの、後追いの野村選手が今村選手のインに入ることができず勝敗つかずサドンデスへ。先行の野村選手に対して今度は1コーナーから接近戦へ持ち込んだ今村選手は2コーナーまで食らいついて離れない。アドバンテージを奪った今村選手が先行の4本目、1コーナーでインへ食い込む野村選手。しかし、食い込みが足りず、2コーナーではやや離されてしまい、結果は今村選手に軍配が上がった。
「加速がヘタで、アウト側にいる選手は滑りやすい白線を踏んでしまうので、後追いで置いて行かれまいとアクセルを踏んで加速しようとしても空回りしーの、置いて行かれーので、ダメだったとです。ただ、練習がダメだった単走が本番2回ともうまく走れたのがよかったです。今回は練習がドライで本番がハーフウエットで食ったり食わなかったりで難しいコンディションだったんやけど、タイヤに助けられましたね。次もがんばるとですよ!!」(野村選手)
「目標はベスト4ぐらいだったので、まあ、最小限ですがよいところまで来たと思います。朝の練習走行中にミッションが壊れて、オープンニングから単走が開始となる30分ぐらいの間にスタッフが交換しました。すごく早かったです。そのおかげですね、単走が5位になったのも、追走で3位になったのも。いやー、チーム力に助けられています。チーム力で勝ち取った順位です」(今村選手)
シリーズランキングは5戦を終えて単走3位、追走5位総合4位の野村謙選手。今村陽一選手は単走5位、追走1位、総合2位と、両者の戦いから目が離せない
岡山を終えるとエビスサーキットのデュアルファイナルズが待っている。現在、追走が1位で、総合で2番手につけた今村選手。総合の4番手には野村選手が入り、エビスでの2連戦によってどのようなドラマが生まれるのだろうか。各ドライバーのテクニックは均衡しており、真夏の死闘、勝敗を分けるカギは体力と精神力。このふたつを上回っている者こそが王者へ近づけるといえる。
昨シーズンと同様のダンロップ勢の善戦に期待したい。
■阿部成人監督(D-Fellow)のコメント
「マシンはリヤウイングを装着した程度でお台場からほぼ仕様は変わっておりません。決勝は雨が降ったんですが、思いのほか単走がバシッと決まり、そこから野村さんが何かを掴んだようによい走りをしてくれました。最後の3位決定戦は結果的に残念でしたが、両者ともよい走りをしていたので、仕方ないですね。野村さんの順位がアップしましたし、次のエビスが楽しみです」