第2戦 6月26日(金)~28日(日) 岡山国際サーキット
デュアルファイナル初日を制したのは!

古口美範選手

 初の試みである『デュアルファイナル』となった第3~4戦。スケジュールも変則的で6月26日の金曜に第3戦の予選、翌27日に1回戦とベスト16、さらに第4戦の予選が行なわれた。ダンロップ勢はシードの野村謙と日比野哲也を除いた、古口美範・箕輪慎治・林渡・猪瀬徹・小畑仁宏の6名が1回戦進出を目指してコースイン。結果は箕輪が12位で通過したものの、猪瀬・小畑は残念ながら姿を消した。さらに古口と林はマシントラブルでリタイヤ。果たして翌日の第4戦・予選には間に合うのか!?

箕輪慎治選手

 27日の午前に行なわれた1回戦。最初にコースに姿を現したのは、JZX90を駆る箕輪だ。2本ともミスこそないものの迫力とスピードに欠け、惜しくも22位に沈む。日比野はコース幅を目いっぱい使うアグレッシブな走りを披露し、「ハチロクでこの走りは凄い」と評価され8位でベスト16進出。野村は若干の減点があったが、1本目のライン取りと2本目の迫力ある進入で審査員にアピールし、13位のポジションを獲得した。


野村謙vs山下広一

 ベスト16で日比野と対戦するのは黒井敦史。600psのマシンを相手に、NAのハチロクでどう挑むのか。先行の1本目、パワー差を感じさせないスピードで1コーナーに飛び込み、黒井のドリフトが戻ったこともあってアドバンテージを得る。2本目も引き離されることなく、逆に詰め寄る気迫の走りでベスト8進出を決めた。野村はJZX100の山下広一と対決。1本目は5分で折り返し、2本目は1コーナー進入で食い込まれるが、立ち上がりで山下のドリフトが戻り、わずかの差ながら勝利を手にすることができた。


日比野哲也vs川畑真人

 ベスト8に進んだ日比野が対するのは、一昨年のチャンピオンである川畑真人。後追いの1本目は捨て身とも思えるハイスピード進入を試みるが、さすがに速すぎたかスピンを喫してしまう。しかし、なんと2本目に川畑がスピン。サドンデスと思いきや、減点は日比野のほうが少なく、誰もが予想しない大逆転。野村はクラウンの時田と対戦し、1本目の1コーナー立ち上がりでオーバ-テイクを決める。2本目は時田が同じ展開を狙ってくるが、なんとか抑え切り準決勝に進出した。

野村謙vs日比野哲也

 ダンロップワークスどうしの対戦となった準決勝は、日比野の先行でバトルがスタートする。パワー差を活かした野村が進入でギリギリまで詰め寄るが、日比野のスピードに惑わされたか、1コーナーの立ち上がりで痛恨のアンダーステア。2本目は後追いの日比野が懸命に食らい付き、勢い余って1コーナー出口でリヤタイヤをダートに落とすものの、ドリフトコントロールはまったく乱れず、野村を破って決勝進出を果たす。クリーンかつハイレベルな争いに、観客席を埋め尽くしたギャラリーからは拍手喝采が飛び交った。

日比野哲也vs斎藤太吾

 同門対決を制した日比野は、昨シーズンのチャンピオンである斎藤太吾との決勝戦を迎える。マシンの戦闘力は明らかに不利、しかし今日の日比野は間違いなく勢いに乗っている。1本目と2本目は互角で、今大会では初めてのサドンデスに。3本目は1コーナーの角度で上まわったが、それ以降は斎藤に上手く合わせられ、ポイントを奪われてしまう。逆転を狙った4本目の出走前、斎藤のタービンブローが発覚。その際、リタイヤの届出に行き違いがあり、決勝戦後に協議を重ねた結果、両者とも優勝という裁定が出された。日比野哲也、嬉しいD1グランプリ初優勝!

ランキング首位を守った野村謙

 非力なNAとは思えない走りでターボ勢を次々に倒していった日比野の走り、また野村vs日比野という対戦で会場を大いに盛り上げたダンロップワークス。この日は路面温度もかなり高かったと思われるが、『ディレッツァスポーツZ1スタースペック』は最後までドライバーたちの期待に応え、過酷な戦いを支え続けた。ダブルファイナルの第4戦はこの翌日、6月28日に同じ岡山国際サーキットで開催される。なおエースドライバー野村は3位でシリーズランキングは首位をキープ、日比野も5位にポジションを上げた。2日連続での活躍、そして優勝を期待したい!

初優勝の日比野哲也

日比野選手コメント
「パワー的に不利なのは明確だったんで、追走は前でも後でも下手に駆け引きをせず、自分のベストな走りを心がけました。準決勝の野村さんは……正直いって勝てると思っていなかったです。今まで何度か対戦していますが、一度も勝ったことがありませんし。気負いすぎるとロクなことがないので、明日はリラックスした気持ちで走りたいと思います」


ダンロップのエース野村謙

野村選手コメント
「今回は同じダンロップを履いた日比野選手との対戦など、いつも以上にD1を楽むことができました。結果は負けちゃったけど、自分たちが楽しめばお客さんも盛り上がってくれますからね。デュアルファイナルは2日連続で体力的に厳しいですが、もっともっと湧かせる走りを見せたいと思いますので、明日も引き続き応援をヨロシクお願いします!」
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ニュルブルクリンク2014