2009年度D1第5戦、第6戦エビスレポート
まず初めに・・・レポートが遅くなってしまい、申し訳ございませんでした。(泣)
エビス直後にアメリカの最終戦があり、なかなか手が付けられずに・・・。(言い訳)
・・・と言う訳ですが、お待たせしました、第5戦、6戦のエビスラウンドのレポートです!
新しいエンジンに載せかえ
車両について
2009年シリーズの折り返しとなるエビスラウンドも、デュアルファイナルズの開催です。(やっぱりイヤ)
ノントラブルで残りの4戦を戦い抜くためにもエンジンのリフレッシュは必須となり、約2ヶ月弱のインターバルの間で新規のエンジン!を製作しました。中身はいつものようにNISMOクランクの2.8L仕様ですが、今回は燃焼室の機械加工を試してみることにしました。これによって燃焼室容積がかなり稼げるようになり、圧縮比の設定の幅が広がる感じなのです。(ちなみに今は8.9)
そして、以前から野村さんに言われていた、「もっとハンドルが切れるようにしてほしか!」のリクエストにお答えする為、ナックルのエンドとロアアームを改造して更なる切れ角アップ!!も行いました。(切れ角アップはメチャメチャ奥が深く、超ムズカシイんですよ・・・)
両日決勝のデュアルファイナルズは、チョットしたトラブルが致命的になるので、とにかく事前の車両準備が大切っ!!今回も不安個所は一切無い万全の状態にして、エビスへLet's GOです!
切れ角アップが走りに貢献
27日(木) 公式練習走行日
練習走行初日はニューエンジンのセッティングを取りながら、変更した足まわり関係の確認を行います。やっぱり切れ角アップはやった方が良かったみたいで、今まで以上に角度を付けた走りにも耐えられる&スピン回避にも貢献するようになりました。
いつものように初日は車のセットアップをメインで行い、走りに関してはあまり深く考えないで練習走行を終えました。まだまだ外は明るい時間帯ですが・・・早めにホテルにチェックインして、作戦会議(飲)を開始です!
走行後ターボのエキゾーストを変更
28日(金) 練習走行日、第5戦予選
岡山戦と同様にデュアルファイナルズでは金曜日が予選日となります。ゼッケン1番の野村さんにとっては練習走行日ですが、限られた時間の中で翌日の決勝に向けて走りを完成させなければなりません。
エビスのキモとなる最終コーナーの角度に気を付けながら走行を重ね、早いうちに走りを完成させたいところだったのですが・・・野村さんから「前のエンジンより低速トルクが無く、最終コーナーを4速で出てくるのが辛いバイ」と指摘がありました。・・・バルタイも前のエンジンより中間寄りに振ったので問題無いと思っていましたが、どうやらIN、EX共に削ってしまったスキッシュエリアが影響して低速トルクが無くなってしまったようです。中間の点火を進めたり、ECU側で色々とやってみましたがあまり劇的には変わらず・・・。結局、タービンのエキゾーストハウジングを一つ小さくしてブーストの立ち上がりを速くすることが最善策のようでした。
今回のヘッド、燃焼室の形もかなりカッコ良いし、ポートも結構気合い入れて削ったやつだっただけに、ちょっぴりショック・・・。ホント、エンジンも奥が深いっす・・・。
タービンのエキゾーストハウジング交換後の走行でも、野村さんのコメントは「少し良くなったけど、まだ厳しいかもしれんバイ」と言うこと・・・。残念ながら現状で出来ることはここまで・・・。あとは野村さんの「黄金の左足」を多用した走りで、何とかしてもらうしかありません!
29日(土) 第5戦決勝、第6戦予選
デュアルファイナルズの最大のヤマ場である決勝初日です。エビスの走り方は年々進化しており、第5戦も非常にハイレベルな戦いとなりました。最終コーナーからほぼ一定の角度でストレートを駆け抜け、1コーナーの進入で更に角度を付けて飛び込む(いわゆるケツ進入)が高得点を獲得する傾向のようでした。
難しい状況の中1回戦突破!
1回戦単走
リバースグリッドの為、ゼッケン1番の野村さんは最後の走行となりますが、不幸にもシードグループが走行する直前に小雨が降り始めました。瞬く間に路面はウェットになり、コンディションは最悪の状態です。
この時点で審査団は協議を行い、その後の審査を公平にする為にも、一時中断して路面の状況を確認する為のウォームアップ走行(10分間)を入れることになりました。
その後、完全なウェット路面で競技が再開されましたが、さすがはシード選手達です。各選手共に安定したマシンコントロールで次々に高得点を獲得していきます。ところが、ここへ来て路面コンディションはどんどん回復に向かい、野村さんの出走が迫ってくる頃にはストレートが乾き始めてハーフウェットの状態になってしまいました。コースを1周するごとに状況が変わって行く最悪の路面コンディションの中、いよいよ野村さんのスタートです・・・。
1本目はとにかく現状の路面状況を確認する為にも、抑え気味に3速で最終コーナーを脱出します。無難な浅めの角度のまま最後まで走り切り、1本目から何とかベスト16に残れる得点を獲得っ!とりあえずこれで一安心なので、次はもう少し高得点を狙った走りに切り替えます。
2本目はストレートがほぼドライになっていることを野村さんに告げ、4速脱出の迫力のある走りで1コーナーに進入します。まだ濡れている2コーナーから4コーナーは慎重に走り、この渾身の走りは平均99.4点を獲得しました。
最終的には5位まで順位を上げることができましたが、路面状況や走り方等、色々な判断が非常に難しい、とっても厳しい1回戦となりました。
ベスト16前にリラックスムード
追走トーナメントベスト16
昼休みとなるピットウォークの間に天候は完全に回復し、追走トーナメントは完全なドライ路面での戦いとなりました。ベスト16初戦の相手は、チームRマジックのFDに乗る高山選手ですが、ここエビスは得意としており、スピードも抜群の選手です。
1本目、野村さんの先行でスタートしますが、後追いの高山選手は最終コーナーの振り出しが遅れ、真っ直ぐ気味に出てきてしまいます。これで野村さんに大きなアドバンテージが付きました。
続く2本目、高山選手はスピードを生かした走りで最終コーナーを脱出しますが、野村さんも負けずに2コーナーから3コーナーで詰め寄ります。2本目はほぼ五分の走りでしたが、1本目のアドバンテージが大きく、野村さんはベスト8に進出ですっ!
今村選手との対戦に向かう
追走トーナメントベスト8
続くベスト8の対戦はシリーズランキング2位の今村選手との対戦ですが、折り返し地点でのこの勝負はシリーズを争う上で非常に重要な対戦です。この勝敗によってポイント差が大きく開く可能性もあり、何としても負けられない勝負となりました。
1本目、野村さんの先行でスタートしましたが、後追いの今村選手は最終コーナーの手前で走行を止めてしまいます。どうやら最終コーナーへのアプローチでタイミングを合わせられなかったようで、ここは仕切り直しとなりました。気を取り直して最初の1本目となりますが、やはりお互いにタイミングが合わせられなかったようで、両者共に距離が空いた状態での走行となってしまい、勝負はサドンデスに持ち越しです。
野村さん先行の再戦1本目は今村選手の最終コーナーの角度が浅くなり、野村さんにアドバンテージが付きます。ところが入れ替えの2本目で今度は野村さんが最終コーナーで戻り気味になってしまい、ここでも勝負はつきません。
再々戦の1本目、今村選手は最終コーナーから野村さんのイン側に飛び込み、その後もミスはありません。これで若干のアドバンテージが今村選手に付きました。続く2本目、野村さんも同じように今村選手のイン側に飛び込みますが、1コーナーの先で若干戻り気味になってしまいます。
結局この最後のミスが仇となり、野村さんはここで敗退してしまいました・・・。
でも・・・次のベスト4の戦いでチームDUNLOPの日比野選手が今村選手をやっつけてくれたので、第5戦終了時の今村選手とのポイント差はゼロ!!手塚選手が4ポイント差で1位になってしまいましたが、日比野選手、ナイスでした!!
30日(日) 第6戦決勝
岡山に続き、今回もデュアルファイナル初日はノントラブルで乗り越えることができました。
この勢いで2日目も乗り切りたいところですが、残念ながら朝から雨が降り始めました。天気が回復する兆しはなく、第6戦は終日ウェットでの戦いとなりそうです・・・。
ウェットで10位通過
1回戦単走
朝の練習走行から完全なウェット路面でしたが、野村さんはかなり安定した走りを見せていました。
ウェットの審査基準では3速脱出でも問題無いので、低速トルクが少なくなってしまった今回のエンジン特性には、むしろウェット路面の方が向いていたのかも知れません。マシンコントロールは非常に難しくなりますが、あとは野村さんの集中力に全てを委ねるしかありませんでした。
1本目、いつものように抑え気味の無難な走りでボーダーラインより上の得点を狙い、何とかベスト16に残れる得点を獲得しました。練習走行よりも路面コンディションは悪化しており、予想以上に滑るようです。続く2本目もミスのない奇麗な走りを披露し、ここは野村さんの集中力の高さを見せつけました。完全なウェット路面でも難無く走り切り、見事に10位で1回戦を突破です!!
強敵斉藤選手をくだしてとりあえず握手
追走トーナメントベスト16
2日目の追走トーナメント初戦は、昨年度チャンピオンの斉藤選手との勝負です。斉藤選手はどんな路面コンディションでも関係なく、マシンのパワーを使いきった走りをする強敵です。
斉藤選手先行の1本目、野村さんは最終コーナーからアドバンテージを取れるようなビタビタの走りを披露します。これで若干のアドバンテージが野村さんに付きました。入れ替えて2本目、今度は斉藤選手も同じように最終コーナーからビタビタの走りを披露し、当然のように勝負はサドンデスに持ち越しです。
再戦の1本目、斉藤選手が先行で最終コーナーのライン取りをミスしてしまい、アドバンテージが野村さんに付きます。続く再戦の2本目は最終コーナーでタイミングを合わせきれなかった斉藤選手は、そのままリズムを崩して2コーナーでドリフトが戻ってしまいます。これで野村さんは見事にベスト8進出となりましたが、シリーズ争いをしている手塚選手、今村選手、日比野選手も順当にベスト8に勝ち上がってきました・・・。
手塚選手との対戦
追走トーナメントベスト8
次の対戦は今年のシリーズ争いで大きなヤマ場となる、ランキング首位の手塚選手との対戦です。この勝敗によってポイント差が大きく開くことになるので、ここは何としても負けられません。
野村さん先行の1本目、最終コーナーからストレートに掛けて若干浅目の角度の野村さんに対して、手塚選手は角度、距離共に物凄い状態で合わせてきます。・・・どうやら運が悪いことに、ここへ来て路面が乾いてきたようで、3速脱出では角度を付け辛くなってきたようです。これで若干のアドバンテージが手塚選手につきました。
続く2本目、路面状況は刻々と変わり、最終コーナーのギアの選択が非常に難しくなってきました。野村さんはウェット路面と同じように3速脱出をしましたが、ストレートでのリアのグリップが予想以上に大きく・・・ドリフトが戻ってしまいました。そこから先はノーミスで付いて行きましたが・・・残念ながらここで敗退です。
いよいよ次戦が最終戦頑張ります!
第5戦、6戦まとめ
今回は新たに製作した、ニューエンジンの低速トルクが細くなってしまったことが致命的でした。燃焼室の形だけでこれほどまで変わるとは思ってもいませんでしたが(マジでショックです・・・。) 野村さんは乗り辛いエンジンでも良く頑張ってくれたと思います。今回のエビスもノントラブルで乗り越えられたことは素晴らしいことですが、レースの結果的にはあまり満足の行く内容ではありません。
シリーズランキングも4位まで転落してしまい、トップの手塚選手との差は14ポイントもあります。
残り2戦、最後の富士も恐怖のデュアルファイナルズです。シリーズチャンピオンへの道のりは「いばらの道」でありますが、最後まで全力で戦うしかありません。
とにかく・・・最後は2連勝を目指し、チーム一丸となって頑張りますっ!!!
次戦富士が最終戦なので応援お願いします!