第8戦 ツインリンクもてぎ

2016/01/01

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歯車が噛み合わなかったEpson NSX CONCEPT-GT
予選、決勝とも本領を発揮できず、今季ラストレースを終える

11月11〜13日、SUPER GTシリーズ2016の第8戦、「SUPER GT GRAND FINAL」がツインリンクもてぎを舞台に開催された。今年もダンロップはGT500に、長い関係を築き上げているNAKAJIMA RACINGの「Epson NSX CONCEPT-GT」(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)で挑む。今回はシリーズ初の試みである2レース大会となり、土曜日に第3戦の代替レースを行ったばかり。まだサーキット全体が興奮も冷めやらぬうちに、今季最後の戦いに挑むこととなった。
開幕戦から思うような走りができず、第2戦の10位が最高の結果だったが、それでも諦めることなく開発を続け、第7戦では予選8番手から5位フィニッシュと、今季最高位を一気に更新した。
その勢いのまま、もてぎに乗り込んだものの、猛暑のタイではパフォーマンスを発揮したタイヤが、初冬のコンディションには合わず、12日に行われた第3戦の予選こそ今シーズン最高の5番手を記録したが、決勝では大きく遅れをとって13位。
だが、チームもドライバーも、この1年を無駄に過ごしたわけではない。少しずつではあっても、確実に進化している。それを証明するためにも結果を残そうと、強い決意とともに最終戦を迎えることとなった。

ベルトラン・バゲットがアタックを担当した前日の第3戦予選は、セミウェットの路面にダンロップのウェットタイヤがパフォーマンスを発揮して5番手に入ったものの、完全なドライとなった最終戦の予選は、まさかの展開となってしまう。
コースインと同時に、中嶋大祐は入念にタイヤへ熱を入れていたが、これからアタックに入ろうという計測3周目のヘアピンでコースアウトしてしまったのだ。「Epson NSX CONCEPT-GT」の左フロントが、ウォールにヒット。幸いダメージは軽く、自力でピットに戻って修復は可能であることが確認されたものの、これでアタックはできずじまい。最下位に終わってしまったのだ。

今季最後のレースとあって、スタート前に行われるセレモニーは普段より長めで、早々に「Epson NSX CONCEPT-GT」はスターティンググリッドに並べられることとなった。この車両でのレースはこれが最後、来シーズンからはGT500の車両すべてが新規定の車両に改められるからだ。そして中嶋が前日の決勝で予定外のピットインをして試したタイヤが、決勝では用いられることとなった。

引き続きスタートを担当したのはバゲットで、躍進の期待がかかるも状況は第3戦とほとんど変わらなかった。

最下位から脱出できず、19周目にピットに戻って中嶋にバトンを託す。タイヤ交換をしてコースインしたが、それでも状況は変わらない。ライバルとの戦いではなく、不安定なマシンと格闘するようなドライビングをしいられ、結果はトップから1周遅れの14位となった。
ラストの2連戦は、パフォーマンスを見せずじまいで終わってしまった「Epson NSX CONCEPT-GT」。しかし、この悔しさを忘れてはならない。来シーズンの飛躍を誓って、チームスタッフとドライバーはもてぎを後にした。
「厳しいレースウィークでした。もてぎに来てから、解消できるようなことではありませんでした。シーズン途中に開発の方向転換をしましたが、それがかえって難しい方向に行ってしまったような気がします。これからいろんなところを見直して、解決して行かないと。すべて根本的に」(中嶋)
「GT500はいいところがなかったですね。結果的に、昨日からピックアップ(タイヤ表面にタイヤかすがこびりついて、振動を起こし、性能が十分に発揮できなくなる状態)でどんどん順位が落ちて行ったんですが、今日も同じような状況で、同じようなレースになったような感じです。悔しい1年でしたが、来年はクルマも変わるし、いろんなことがリセットされるので、常に上位争いができるよう、明日から頑張るしかありません」(ダンロップモータースポーツ/斉脇課長)