第1戦 岡山国際サーキット

2016/01/01

A28D8093

3シーズン目のEpson NSX CONCEPT-GT
開幕戦で確実に完走を果たす

4月9〜10日、SUPER GTシリーズ2016の開幕戦、「OKAYAMA GT 300km RACE」が岡山国際サーキットを舞台に開催された。今年もダンロップはGT500に、長い関係を築き上げているNAKAJIMA RACINGの「Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)で挑む。新規定で3シーズン目となるGT500ながら、Honda陣営は大改革に討って出て、ハイブリッドシステムを外して挑むことに。この変更がどう勝負に影響を及ぼすのか、大いに注目されていた。

2016年開幕戦の舞台は岡山県北部の山あいに位置する岡山国際サーキット。コースを囲むように点在する小高い山々の緑が色づき始める中、本格的なモータースポーツのシーズンインを告げる「OKAYAMA GT300kmRACE」の公式予選が始まった。中嶋大祐とベルトラン・バゲットのコンビは今年3年目、お互いのセッティングの好み、走り方などもすでに熟知している。「昨年までのひとつの目標だった予選のパフォーマンスは良くなってきた。その流れの中で決勝でのパフォーマンスを上げていきたい。昨年までと違うアプローチで色々トライしている」とタイヤ、マシン、チームスタッフ、ドライバーも含めた総合力アップの手応えを感じていた中嶋。

NSX CONCEPT-GTが、ハイブリッドシステムを降ろすことは「プラマイはゼロ」との事前評価だった。ところが予選前の練習走行ではGT500クラス参戦15台中下位5台がNSX勢だったのだ。予選が始まってもその状況は変わらず、バゲットがQ1に出走したが最下位の15番手。中嶋につなぐことなく予選を終えることになってしまった。
「マシンのセットアップは良くなったが、ライバルに対して良いパフォーマンスを見せることはできなかった」とバゲット。NSX CONCEPT-GTは事前のテスト段階から少しずつ進化しているが、ライバルたちの進化のスピードの方が速い。中嶋も「楽観できる状況ではないが、レースは長いので、何があるか分からない、あきらめずにポイントゲットを狙いたい」と、厳しい現状を認める。その状況でも決勝の粘り強い走りで、打開策を見いだそうとしていた。

迎えた決勝日は朝から曇り空。暖かさを感じさせるが、事前の予想よりは気温、路面温度ともに低い状況。「僕たちにとっては路面温度が上がった方がありがたい」と中嶋。タイヤパフォーマンスで、ポジションアップを狙っていたチームにとっては、厳しい状況のままだ。それでも、「Epson NSX CONCEPT-GT」は、一筋の光を求め、中嶋がステアリングを握ってスタートを切った。
だが、序盤こそ他のNSX CONCEPT-GTと接戦を演じたものの、そこまでだった。次第にペースが落ち始め、早目の37周目でピットインてバゲットに交替。だが、状況は変わることなく、次第にポジションも後退。14位でレースを終えることになった。


「序盤だけは他のNSX勢と同じペースで走れたが、次第にペースが落ち始めて、スティントの後半はGT300クラスのマシンを抜くのも難しいほど、厳しい状況だった。それでも少しはデータが獲れたので、他チームとの差をしっかりと認識して改善していきたい。時間はかかると思うが、諦めずにいきます」と中嶋。そしてダンロップモータースポーツ部の斉脇課長も「ハイブリッドが下りて、クルマの仕様が変わって初めてのレースで、正直タイヤの合わせ込みができていませんでした。ただ、レースをやってみて課題が見えてきたので、しっかり潰していきます」と巻き返しを誓っていた。次回のレースに期待がかかる。