第4戦 富士スピードウェイ

2014/12/24

確かな手応えを感じたEpson NSX CONCEPT-GT
タフなレースで11位フィニッシュを果たす

8月8〜9日、SUPER GTシリーズの第4戦となる「FUJI GT 300km RACE」が静岡県の富士スピードウェイで開催された。全8戦で開催されるSUPER GTシリーズもこのレースで前半戦が終わり、次戦からは後半戦に突入することになる。ダンロップとともにGT500を戦う、NAKAJIMA RACINGの「Epson NSX CONCEPT-GT」(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)は、前回のチャン・インターナショナル・サーキット(タイ)でのレースでは接触とトラブルで結果こそ残せなかったものの、決勝レースにおいて上位争いができる実力を見せた。今季まだ見ぬチェッカーに向けて、ダンロップとチームが一丸となってレースに臨んだ。
富士スピードウェイでのレースは、5月の第2戦に続き、今回が2回目となるが、500kmレースだった第2戦とはレース距離が異なり、今回は300kmレースとしての開催となる。レース距離が短いこともあり、ピットインのタイミングについてはさまざまな戦略が想定される。また、レース距離以上に異なるのがコンディションで、今回は真夏である上に猛暑日が続いている。当然、タイヤチョイスもその戦略に大きく影響することになる。
土曜日の午前中には1時間45分の公式練習が行われ、ふたりのドライバーがマシンのセットアップを進めていった。ベストタイムは22周を走ったバゲットがマークした1分30秒548で、大佑は11周を走り、ベストタイムは1分31秒040だった。
また、午後に行われた公式予選では、Q1でバゲットがタイムアタックを行ない、1分29秒613のベストタイムをマークしたが、Q2への進出はならず、決勝レースのスターティンググリッドは14位となった。
そして、迎えた決勝日。午前中に行われたフリー走行では1分31秒222のベストタイムをマークして、このセッションでは3番手となった。
真夏の日差しがサーキットを照りつける中、66周の決勝レースがスタート。今回は中嶋がスタートドライバーを務め、オープニングラップでひとつ順位を落としはしたものの、コンスタントな走行で周回を重ね、13周目には12番手まで順位を挽回することとなった。前のマシンに追いつきこそしたものの、オーバーテイクは困難とチームは判断し、レース折り返しより早い29周目にピットストップをするという戦略が取られた。しかし、ブレーキトラブルが生じたバゲットはペースを上げられないままの走行が続く。
そして、先行車両の脱落により、44周目に11番手にまで浮上したものの、難しい状況のままレースを終えることとなった。タイヤ自体は今回のコンディションにも合っており、ドライバーも手応えを感じていただけに、残念な結果となってしまったが、今季初完走によって得られたデータは決して少なくない。
レース後、中嶋は「スタート直後はマシンバランスが今ひとつだったのですが、5周ほど経過したあとは悪くないラップタイムで周回を重ねることができました。ただ、ポイント獲得まであと一歩のところでレースが終わってしまったのが残念です。もっと力をつけて上位で戦えるようにしていきたいです」と語った。そして、中嶋悟総監督は「もうひとつでしたね。特に後半は無理ができる状況ではなく、それでも上位陣と同一ラップでチェッカーを受けることができたのは良かったと思います。この流れを次の鈴鹿1000kmにつなげたいと思います」とコメントした。「残念ながら、今回も難しいレースになってしまいました。GT500については、なかなかポジションを上げることができなかったので、早めのピットストップで前に出ようとしたのですが、ブレーキにトラブルを抱えて、ペースが上げられず、そのままレースが終わってしまったという形になってしまいました。ただ、今シーズンはマシントラブルなどもあり、最後まで走り切ったのはこれが初めてなので、そのデータを今後のレースに活かしたいと思います。次は鈴鹿での1000kmレースになりますが、速さはあると思うので、少しでもいい結果を残すべく、頑張りたいと思います」とレースを振り返ったのは、ダンロップモータースポーツ部の斉脇課長。そのコメントどおりの巻き返しが、今後期待される。