特別戦 11月12日(金)~14日(日) 富士スピードウェイ(静岡県)
JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2010(富士スプリントカップ)

Epson HSV-010は、第1レース6位、第2レース4位で好バトルを展開
DUNLOP SARD SC430は、第1レース10位、第2レース8位でゴール!

予選で好調さを見せたEpson HSV-010

 今季のスーパーGTシリーズは、第8戦もてぎGT250kmレース(10月23~24日)で幕を下ろした。そして3週間のインターバルを経て、新たに今季からシリーズ戦とは別の特別戦として誕生した「JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2010」が開催された。
「富士スプリントカップ」は、シリーズ戦とは違い、レース距離が100km(22周)と短く、ドライバー交代はない。さらにGT500クラスとGT300クラスは混走ではなく別のレースとして争われる。金曜に予選か行われ、土曜の第1レースと日曜の第2レースは、それぞれ別のドライバーが走行して、それぞれのレースで順位が決定する。さらに2レースの総合成績によって、JAFグランプリのタイトルが与えられる。スタートは、いつものローリングではなくスタンティングスタートとなるので、これまでとは、ひと味違うスプリントバトルが展開されることになった。
 その舞台となる全長4563mの富士スピードウェイは、約1.5kmの長いメインストレートを持ち、コース前半は高速セクション、後半のダンロップコーナーからはテクニカルセクションとなるコースだ。トヨタのホームコースでもあり、SC430が強さを発揮することが多いコースでもある。ピット作業がない100kmレースとなる今回、ダンロップが用意したドライ用タイヤは、ソフトとハードの2種類。GT500クラス、GT300クラスともにソフト側をチョイスして予選に臨んだ。

グリッド上の中山友貴選手と道上 龍選手(左から)

【GT500】
 ダンロップを装着して戦う、「NAKAJIMA RACING」のEpson HSV-010と、「LEXUS TEAM SARD」のDENSO DUNLOP SARD SC430。「NAKAJIMA RACING」は、新加入のベテラン道上 龍選手とスーパーGT参戦2年目となる若手の中山友貴選手。「LEXUS TEAM SARD」は、最終戦ではアンドレ・クート選手が欠場したため、カルロ・ヴァンダム選手が代役として参戦したが、今回はアンドレ・クート選手が復帰。チームメイトの平手晃平選手とともに、今季最後のレースを迎えた。
 今回の予選は、土曜の第1レース、日曜の第2レースという2レースに出走する各ドライバーが、それぞれ20分間のタイムアタックを行ってスターティンググリッドが決定する。
 ドライコンディションとなった金曜の午後2時35分から行われた第1レースの予選。Epson HSV-010は中山友貴選手、DENSO DUNLOP SARD SC430は、アンドレ・クート選手がタイムアタックを行った。今回は、各予選でそれぞれ2セットのタイヤを使ってタイムアタックが行われた。中山友貴選手は予選10位、アンドレ・クート選手は予選11位でタイムアタックを終えた。
 第2レースの予選は午後3時35分にスタート。Epson HSV-010は道上 龍選手、DENSO DUNLOP SARD SC430は平手晃平選手がタイムアタックを開始。ともに後半のアタックとなる2セット目のタイヤでベストタイムをマーク。道上 龍選手は予選8位、平手晃平選手は低くなった路面温度とタイヤとのマッチングの悪化でタイムが伸びずに予選13位からのスタートとなった。
「中山選手がいい感触をつかんだセッティングを、ボクなりにアジャストしたら、1分33秒台に入っての予選8位。決勝では、さらに順位を上げたいですね」と道上 龍選手。

10位となったDENSO DUNLOP SARD SC430

【第1レース】
 土曜に行われたGT500クラスの第1レースは午後3時18分にスタート。グリッドに静止してからのスタンディングスタートということで、いつもとは違う緊張感があった。ここでロケットスタートを見せたのが、DENSO DUNLOP SARD SC430のアンドレ・クート選手だった。1コーナー進入では、前後と左に他のマシンが並ぶ状態となり、白煙を上げながらの激しいブレーキングとなってインからパスして6番手に浮上。ダンロップコーナーでも2台をパスして4番手でオープニングラップを終えた。その後も果敢な走りを見せたアンドレ・クート選手だったが、6周目に5番手、10周目に6番手と順位を落とし、20周目にはピットインして、大きく順位を落とした。
 一方、Epson HSV-010の中山友貴選手は、スタートでは順位を落とし、1コーナーの混乱を後方から見守りながら13番手での進入となった。前2台のHSV-010勢とのデッドヒートが展開され、4周目には10番手、10周目には9番手と2台を抜き去って順位を上げた。その後もハイペースな走行でバトルを続けながら6位でフィニッシュ。アンドレ・クート選手は10位となった。
「スタートはエンジンストール気味で出遅れました。マシンフィーリングが良く、毎周プッシュして順位を上げられ6位でゴールできました。今回はシリーズ戦とは違い、決勝では予選で履いたタイヤではなく新しいタイヤを使えたので条件は違いますが、このレースは自信にもなりましたし、今後に繋がるいいステップになったと思います」と中山友貴選手。
「スタートが決まり、1コーナーの混乱をクリアして序盤はハイペースでプッシュできましたが、途中で厳しい状態になってしまい残念でした」とアンドレ・クート選手は語った。

道上 龍選手が駆るEpson HSV-010

【第2レース】
 翌日の日曜日午後3時14分、第2レースがスタート。予選2位のマシンがスタートで抜け出すが、それ以降のマシンは団子状態で1コーナーを目指した。Epson HSV-010の道上 龍選手は9番手、DENSO DUNLOP SARD SC430の平手晃平選手は11番手で1コーナーに進入。前方では2台のマシンが接触していたが、これに後続車は巻き込まれずにクリア。1周目、道上 龍選手は7番手、平手晃平選手は後ろの2台にパスされたが、上位の2台のアクシデントにより11番手をキープ。
 快調に周回を重ねる道上 龍選手は、3周目に6番手、7周目に5番手と着実に順位をあげていく。前をいく4番手には、前日ポールポジションの#12 GTR 松田次生選手。そこから、10周にわたり激しいバトルを繰り広げ、17周目には4番手とポジションアップし4位でチェッカーを受けた。平手晃平選手は10周目に9番手となるが、それ以降はペースアップを果たせず、9位でフィニッシュ。

DENSO DUNLOP SARD SC430は8位でゴール

「今回は、新タイプのタイヤを履いたのですが、コンディションにマッチして、決勝でも良好な走りができました。周りのクルマのタイヤのタレ具合からすると、安定して走れていたのだと思いました。今季は厳しい状況が続きましたが、来季につながるレースができたかなと思います。」と道上 龍選手。
「序盤はよかったのですが、途中で路面のタイヤカスを拾ってマシンバランスを崩してしまい、ペースを上げられませんでした」と平手晃平選手は、レースを振り返った。

来季に向けてダンロップ勢のさらなる戦いは続く

 これで今季のスーパーGTの全レース日程は終了した。ダンロップ勢は、勝利には届かなかったシーズンとなったが、熱いバトルを展開して、今季のスーパーGTを全力で戦い抜いた。
「今年は、初めてのダンロップタイヤと新型マシンの開発が重なり、いろいろと大変な1年となりました。なかなかいい結果が出せませんでした。タイヤの開発は難しいものですが、今年のデータをベースにしてシーズンオフのテストを確実にこなしていけば、来年は必ずいいシリーズを迎えられると思います。期待していてください」と道上 龍選手は、来季への決意を語る。
 来季の開幕戦岡山国際サーキット(4月2~3日)に向けて、ダンロップの新たな戦いは始まっている。





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ニュルブルクリンク2014