第9戦 11月7日(土)~8日(日) ツインリンクもてぎ(栃木県)
DUNLOP SARD SC430、安定した走りを見せて5位で締めくくる!
Epson NSX、予選13位から着実に追い上げて6位でフィニッシュ!

予選8位のDUNLOP SARD SC430

 全9戦で争われる2009年スーパーGTシリーズは、第8戦オートポリスから3週間のインターバルを経て、シリーズ最終戦となる第9戦(11月7~8日)ツインリンクもてぎを迎えた。1周4.801km、ストップ&ゴーが続くテクニカルサーキットであるツインリンクもてぎがシリーズ最終戦に設定されたのは、99年以来の通算2回目。昨年はGT-Rが優勝を飾ったが、それ以前は7戦連続でNSX勢が制しているコースだ。今回は、NSXのラストレースということもあり、チャンピオン争いとともにレースは大きな盛り上がりを見せた。
 また今年は、開幕戦から第6戦までは獲得ポイント×2kgとして設定されたハンディウェイトが、第7戦と第8戦は獲得ポイント×1kg、そして今回の最終戦はノーウエイトハンデとなり、予選はノックダウン方式で行われた。
 今季ダンロップは、ユーザーとして5年目を迎える「Epson NAKAJIMA RACING」:Epson NSXと、2年目となる「LEXUS TEAM SARD」:DUNLOP SARD SC430の2チーム、2台にタイヤを供給。ダンロップがツインリンクもてぎに持ち込んだドライ用タイヤは、ソフト、ミディアムの2種類。Epson NSXとDUNLOP SARD SC430は、2台ともに、ノックダウン予選のQ1とQ2はソフト、決勝レースと同じタイヤを使わなければならないQ3はミディアムタイヤをチョイスした。

13番手からスタートのEpson NSX

【GT500】
 予選日の午前9時55分から行なわれた1時間45分の公式練習走行は、終始ドライとなり、DUNLOP SARD SC430は6番手、Epson NSXは13番手をマーク。
 午後12時50分にスタートした公式予選1回目は、2人のドライバーが予選通過基準タイムをクリアすることが目的で、それをクリアしたマシンがノックダウン方式の予選2回目に進出する。DUNLOP SARD SC430とEpson NSXは、ともに予選通過基準タイムをクリアして、予選2回目への進出を果たした。
 GT500クラスのノックダウン予選は、午後2時35分に10分間のセッション1がスタート。DUNLOP SARD SC430は平手晃平選手が9番手のタイムでセッション2に進出。Epson NSXはロイック・デュバル選手がアタックしたが、13番手に終わり、セッション2へは進めず、13番手グリッドが決まった。セッション3では再び平手晃平選手がタイムアタックをしたが、タイヤがソフトからミディアムになったこともあってタイムアップは果たせず、8番手グリットから翌日の決勝レースをスタートすることになった。

平手晃平選手と今回新しく加わったエンジニアのリカルド・ディビラ氏

 決勝当日、午前8時45分から行われた30分間のフリー走行では、DUNLOP SARD SC430は3位、Epson NSXは13位のタイムでセッションを終えた。
 決勝スタート時刻の午後2時には、風はあったが、気温20度、路面温度は23度とレース観戦にも適度なコンディションとなった。53周、250kmの決勝レースがスタート。DUNLOP SARD SC430は、スタートドライバーのアンドレ・クート選手が、予選順位キープの8番手で1周目を終え、3周目には7番手、4周目には6番手に浮上。その後も上位争いをしながら、25周目にピットインして平手晃平選手に交代。各車がルーティンのピットインを終えた時点では7番手となり、36周目には前車をパスして6番手に順位を上げた。37周目にセーフティカーが入ってレースは仕切り直し。再スタート後もポジションをキープした平手晃平選手は、4番手争いのマシンがスピン&コースアウトしたために、50周目に5番手に浮上、さらなるアップを試みたが、そのまま5位でチェッカーを受けた。
「前戦の後にミーティングを重ねて、今回投入したソフトタイヤがベストマッチでQ3まで残れました。今回、進歩するシーンが見られて最後にふさわしいレースができました。来年につながる一戦ができました。今季は、第4戦SUGOでは表彰台に上がれるなど、いろいろな意味で多くの経験ができて、ドライビングの引き出しが広がりました。内容の濃い自分にとってプラスになった1年でした」と平手晃平選手は今季を振り返った。
「今季はタフなシーズンだったが、今回は私たちにとってグッドなレースウィークでした。全車ハンデエイトがゼロで、コンペティティブなバトルができた。ダンロップタイヤのグリップもよく、予選から好調で、トップ5でゴールできて満足している」とアンドレ・クート選手。
「私たちは2年間ダンロップで戦ってきましたが、今季は2位も獲得できましたし、最後も予選から手応えを感じられての5位でした。今回はリカルド・ディビラ氏というエンジニアが加わり、チームもさらに引き締まりました。来年は優勝できるように頑張りたいと思います。平手選手は、実力かあり、十分な活躍をしてくれました。さらに経験を積んでいけば、さらによくなるドライバーですね。」と加藤眞総監督はコメント。

決勝で速さを見せて6位のEpson NSX

 予選13位のEpson NSXは、スタートドライバーのロイック・デュバル選手が、ポジションキープでクリアなスタートを切った。7周目には12番手、10周目には11番手と着実にポジションアップ。ルーティンのピットインとしては最後となる33周目に中山友貴選手にチェンジ。34周目には10番手となったが、その後はグングンとポジションアップを果たし、6位まで挽回してチェッカーを受けた。
「予選の速さは足りないが、決勝ではコンスタントに走れているというのが、今年の流れでした。いろいろな条件をうまく引き出せずに、それぞれがかみ合っていませんでした。中山選手は、コンスタントラップではロイックに匹敵する速さを見せているし、1年目としては合格点。さらに経験を積むことが、今後の課題かな」と語る中嶋悟総監督。
「今回は、32周を目安に最初からロングスティントの予定でした。マシンは、オーバーからアンダーに変化して、バランスがいい状態ではなかったが、タイヤの状態を感じながら走っていました。今季の結果はリセットして、シーズンオフの間に、いい形で来シーズンを迎えられるようにすることが大事ですね」とロイック・デュバル選手はコメント。
「今季は、結果はともかく内容的にはよかったと思います。昨年までのF3とは大きく違う経験ができた。自分ひとりで走るし、レース距離やラップ数も違い、タイヤの変化した時の走り方など、いろいろと勉強になった、自分の任されたスティントは、できたのではないという自負はあります」と、ルーキーイヤーを振り返る中山友貴選手。

今季のダンロップ勢は優勝を果たせなかったが、来季の活躍に期待したい

 これで今季のスーパーGTシリーズは全9戦が終了。ダンロップ勢は勝利を飾ることはできなかったが、決勝では第6戦スポーツランドSUGOでDUNLOP SARD SC430が2位入賞、予選では第7戦富士スピードウェイでEpson NSXがポールポジションを獲得というベストリザルトを残し、熱いバトルで今季のスーパーGTを盛り上げた。
 来季の開幕戦鈴鹿サーキット(3月20~21日)に向けて、ダンロップの勝利を目指した戦いの準備は、シーズンオフの間も絶え間なく続いていくだろう。


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ニュルブルクリンク2014