DUNLOP MOTORSPORT
チーム紹介
第8戦 10月27日(土)~10月28日(日) ツインリンクもてぎ(栃木県)
ウエット路面で快調な追走劇を展開!
Epson HSV-010が3位で連続表彰台獲得

Epson HSV-010が3位でゴール

 全8戦で争われる今季のスーパーGTシリーズは、ツインリンクもてぎを舞台にした2012年スーパーGTシリーズ第8戦「もてぎGT250kmレース」で、ついにファイナルを迎えた。
 ツインリンクもてぎのロードコース(1周4.801km)は、減速と加速が続くストップ&ゴーのテクニカルサーキット。抜きにくいコースといわれるが、レースが始まれば、メインストレートからの1コーナー進入、ヘアピン、90度コーナー、ビクトリーコーナーなど、激しいデットヒートが展開され、スリングなパッシングシーンが披露される。
 最終戦では、前戦までの成績に応じて搭載されていたウエイトハンデがゼロとなる。第6戦までは獲得ポイント×2kgとして設定され、前回の第7戦では獲得ポイント×1kgと半減。今回はノーウエイトハンデとなり、ポテンシャルを最大限に発揮したバトルが見られる。
 ダンロップは、GT500クラスとGT300クラスの各1台にタイヤを供給。GT500クラスは、今年でダンロップユーザーとして8年となる「NAKAJIMA RACING」が、デビュー3シーズン目の「Epson HSV-010」で参戦。GT300クラスは、昨年のFIA GT耐久仕様(LM-GTE)のフェラーリF458 GTCからFIA GT3仕様の最新モデルであるAudi R8 LMS Ultraにマシンをスイッチ。今季からチーム名は「JIMGAINER」(ジェイアイエムゲイナー)から旧来の「GAINER」(ゲイナー)に戻され、「GAINER DIXCEL R8 LMS」で戦う。
 今回用意したタイヤは、GT500用、GT300用ともに、晴れ用のスリック、雨用のレイン小雨用のインターミディエイトの3タイプ。それぞれミディアムとソフトの2種類を揃えた。
 ツインリンクもてぎは、昨年、震災の影響で路面の約7割を改修しているが、今年に入って残り部分の改修工事も行われたため、今季のスーパーGTでは、全面改修を終えた新しい舗装路面でのレースとなった。9月17~18日には、ツインリンクもてぎで、合同の公式テストも行われた。ほぼドライで行われた公式テストでは、Epson HSV-010は1日目は総合15位、2日目は総合14位で終えている。

Epson HSV-010は予選14位

 ベテランの道上 龍選手と、ルーキーから期待される中堅へと成長した中山友貴選手がドライバーとして戦う「NAKAJIMA RACING」。マシンはホンダHSV-010 GT、デビューシーズンの2010年にチャンピオンに輝き、昨年はサイドラジエターに変更、3年目となる今シーズンは、アップデートで、コーナリング性能に加えて、トップスピードも追求している。
 前戦のオートポリスでは、小雨が降ったり止んだりのコンディションで、タイヤ無交換作戦で戦い、終盤には見事にトップに立った。優勝こそ逃したが、2位表彰台を獲得した。
 レースウィーク初日の土曜日は秋晴れとなりドライコンディションでの幕開けとなった。午前9時30分から2時間の公式練習では、Epson HSV-010は、予選に向けてのタイヤ選択とセッティングを行いながら15番手のタイムで走行を終えた。
 今回の予選は、前回と同様にノックアウト方式を採用。予選1回目は上位11台、2回目は上位7台が次の予選に進出して順次順位が決定。予選3回目でトップ7のスターティンググリッドが確定する。
 午後2時15分から行われた15分間の予選1回目は、道上 龍選手がタイムアタックを担当。順調にタイムアップしたが14番手に終わり、予選2回目への進出は果たせなかった。
「合同テストよりはタイムアップしたのですが14番手でした。最終戦となるだけに、最後を締めくくるレースにできるようにがんばりたいと思います」と道上 龍選手。

ピットインするEpson HSV-010

 決勝日の日曜日は、前日とは一転して、朝から曇り空となり、朝のフリー走行前には小雨もパラついたが、サーキットサファリに続いて行われた午前9時15分から45分間のフリー走行はドライとなった。Epson HSV-010は14番手のタイムで走行を終えた。
 フリー走行のセッションが終わると、天候は次第に崩れ始め、レース前には、コースは完全なウエットとなっていた。午後0時55分、決勝直前の8分間のフリー走行では、各チームはウエットセッティングに向けた走行チェックを行った。
 53周で争われた決勝レースは、ウエットのレースとなったために、セーフティカー先導によるSCスタートとなった。2周でセーフティカーがピットに入り、レースは本格的なスタートが切られた。前車の水煙で前方が見えにくいコンディションだったが、大きなアクシデントもなくレースは進行。3周目には道上 龍選手のドライブするEpson HSV-010は13番手に浮上。コースは水膜に覆われる部分もあって、コースアウトするマシンも続出。だが、道上 龍選手は、順位を上げて中山友貴選手にチェンジするために、果敢に攻めながら周回を重ねた。
 5周目には10番手、7周目には90度コーナーでコースからマシンが外れる場面もあったが無事に復帰、9周目には9番手、10周目には8番手まで浮上。16周目に4番手まで追い上げて、31周目にピットイン。当初は前戦と同じタイヤ無交換作戦の予定だったが、実際の判断は道上 龍選手に任されていた。リヤタイヤの内圧が上昇してグリップダウンしている状況だったため、リヤタイヤの2本を交換。中山友貴選手が6番手でコースに復帰し、追走した。35周目には4番手となり、SC430の39号車を追った。
 Epson HSV-010は絶好調で、36周目には1分51秒792というレース中のベストタイムをマーク。中山友貴選手は、39号車の背後にピタリとつけて、プレッシャーを与えながら攻め続けた。39号車はタイヤ無交換作戦で3番手に浮上したこともあり、厳しい状況だったのか、3コーナーのブレーキングで自らコースアウト。44周目に単独で3番手に浮上。だが、2番手のマシンまでは届かず、3位でチェッカー。前戦の2位に次ぐ今季2度目の表彰台となった。

3位表彰台の道上 龍選手と中山友貴選手

「前戦に続いてドライバーの頑張りもあって表彰台を獲得することができいい形で締めくくることができました。タイヤは、コンディションにピッタリと合って、最高のレースができました」とレースを振り返る中嶋悟総監督。
「前戦のオートポリスと同様なウエットレースだったので、なんとしても勝ちたいと思っていました、レインタイヤのマッチングもよく、追い上げることができましたが、リヤタイヤの内圧が上がってグリップ感が落ちていたので、無交換ではなくリヤタイヤ2本交換で行きました。中山選手は、速いペースで追い上げてくれたので3位でゴールできました。全力を尽くした、いいレースができたので、今日の3位は納得しています。あとはいかにして予選順位を上げるかが課題ですね。JAF GPは、また違う展開になると思いますが、優勝を目指して頑張ります」と道上選手はコメント。
「道上選手が順位を上げてバトンタッチしてくれたので、後半もいいバトルができました。リヤタイヤ2本交換が決まり、ハイペースで追い上げることができて、3番手まで上がることができました。 3順位を上げることができました。優勝できなかったのは残念ですが、最後に2戦続けて表彰台に上がれたのはよかったです。次のJAF GPでも、いい走りを見せたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします」と中山友貴選手。

Epson HSV-010、JAF GPでの活躍にも注目したい

 これで今季のスーパーGTシリーズは全8戦が終了。Epson HSV-010は、ダンロップタイヤとともに進化を続け、第7戦は2位、最終戦は3位と2戦連続で表彰台を獲得して、いい形でシーズンを締めくくることができた。ポイントランキングでは、ドライバーは2回の入賞で14位、チームは13位という結果だった。
 残すは今年最後を飾るJAF GP FUJI SPRINT CUP(11月16~18日)。これは3年目を迎えるノンタイトルの特別戦で、金曜に予選、土曜と日曜にドライバー交代のない100kmのスプリントレースが各1回、GT500とGT300の各クラスは、それぞれ別レースとして争われる。
 フォーミュラ・ニッポンのスプリントレースも同時開催で、中嶋 悟監督、星野一義監督をはじめとする、往年の名ドライバーが参戦するレジェントカップなども行われる、レースファン必見のイベントとなっている。





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ニュルブルクリンク2014