●第8戦 10月13~14日(日)オートポリス(大分県)
予選4位のEpson NSXは、9位入賞でベストラップをマーク!
BANDAI OO DUNLOP SC430は、アクシデントもあり11位

テクニカルコースに挑むDUNLOP勢

 Epson NSXが、最後尾から猛チャージして4位入賞を果たした第7戦ツインリンクもてぎから5週間。ラスト2戦となった2007年スーパーGTシリーズ第8戦は、舞台を1周4.674kmのオートポリスに移して、65周に渡るスリリングな熱戦が展開された。
 ここは、99年にオールスター戦として1レースのみが初開催され、4年後の03年からシリーズ戦に組み込まれた。ここは高速&中低速コーナーとアップダウンが続くテクニカルコース。タイトコーナーやブラインドコーナーがあり、アクシデントが多発するコースでもある。路面は比較的荒いために、タイヤに負担が掛かりやすい。実際、300kmレースでありながら、タイヤ交換のために2ピットストップとなるチームもある。前戦では、予選2回目を3分割して、セッション1、セッション2で、それぞれ指定順位以上になると次のセッションに進出できるという、F1のノックアウト予選と同様の方式のノックダウン予選が採用されたが、ラスト2戦は再び従来のスーパーラップでトップ10のグリッドが決定される。
 ダンロップタイヤ装着車は、GT500クラスはEpson NSXとBANDAI OO(ダブルオー) DUNLOP SC430の2台、GT300クラスは宝山DUNLOP Zの46号車と47号車、クスコ DUNLOP スバルインプレッサ、LEYJUN DUNLOP MT900の4台。タイヤは2クラスともに、ドライ用はハードとソフトを用意。GT500はともにハードを選択、GT300はクスコ DUNLOP スバルインプレッサがハード、ほかの3台がソフト。GT500はタイヤの摩耗が厳しいこともあり、2ピットの可能性もあるという。

コースレコード更新した32号車

【GT500】
 金曜日の練習走行は、午前のセッション1は混走で1時間30分、午後のセッション2は混走で1時間15分、続いてGT300とGT500の占有でそれぞれ15分間ずつが行われた。この日は、Epson NSXはロイック・デュバル選手が7位、BANDAI OO DUNLOP SC430は服部尚貴選手が16位のベストタイムをマークして走行を終了した。
 土曜日は太陽が出ているが、雲も多く雨も予想される微妙なコンディション。予選1回目は、Epson NSXでアタックしたロイック・デュバル選手が9番手のタイムをマークしてスーパーラップに進出を果たした。BANDAI OO DUNLOP SC430は、セッティングを詰め切れずに、思うようなタイムが出せず、予選16位に終わった。
 午後のスーパーラップは、雨がわずかにパラつき、ウエットタイヤの使用も可能となるウエット宣言が出されたが、路面を濡らすほどの状況にはならす、各車はドライ用タイヤでアタックを続けた。ここでロイック・デュバル選手が健闘して4番手までポジションアップを果たした。また、トップ9台がコースレコードを更新するという激しい戦いとなった。

4位スタートの32号車

 決勝当日、サーキットは雲に覆われて気温は18度と涼しいレースとなった。前戦で4位入賞を果たし、ドライバーランキング5位、チームランキング6位のEpson NSXは、数字的にはチャンピオンの可能性は残るが厳しい状況。ランキング2位は狙えるポジションだ。予選4位、ウエイトハンデ15kgと十分に表彰台を射程距離にするEpson NSX。
 今年、オートポリスでは、事前テストをしていないため、07年モデルと路面にアジャストしたタイヤの造り込みが完全ではいない状況ではあった。それでも、Epson NSXは、金曜日から大きな混乱もなく、走り始めこそタイムが伸びなかったが、チームとドライバーの実力で、決勝レースまでにはトップと戦えるレベルに仕上げていた。
 ロイック・デュバルをスタートドライバーに、1ピットストップでレースに臨んだ。レースが始まる直前、スターティンググリッドに向かう予選2位のマシンが炎上というアクシデントが発生。予選2位は空白となり、レースはスタート。戦わずして1つポジションを上げたEpson NSXは19周目まで3番手をキープ。各マシンがルーティンのピットストップを終えても4番手をキープしていたが、黄旗区間での追い越しによるドライビングスルーペナルティが科せられて8番手に後退。ラスト2周で後続マシンにパスされて9位入賞。ランキングは、ドライバー6位、チーム7位にダウンしたが、最終戦での巻き返しに期待したい。

順調に順位をあげる35号車

 BANDAI OO DUNLOP SC430は、2ピットストップを選択。前戦と同様にピーター・ダンブレックがスタートドライバーとなり、予選16位から1周目に15番手、4周目には12番手に浮上。その後も十分にポイント圏内を狙える状況となっていた。だが、ルーティンのピットインでドライバー交代する直前になって、後続車との追突で左リヤフェンダーを損傷してタイヤと接触。すぐにピットインして服部尚貴選手とドライバー交代、タイヤ交換をしてピットアウトしたが、まだフェンダーとタイヤの接触が解消しておらず、白煙が上がって再びピットイン。さらに、黄旗区間での追い越しによるドライビングスルーペナルティも加わって大きくタイムロス。ポイント獲得まであと一歩の11位完走というリザルトとなった。
 最終戦(第10戦、11月3~4日)富士スピードウェイは、GTレース100戦目となる記念すべき大会となり、100戦を盛り上げる特別企画も用意されている。リニューアルオープン3年目を迎え、9月にはF1日本GPが初開催された近代的なサーキットだ。前半の高速セクションと後半のテクニカルセクションが組み合わされた攻略しがいのあるコースだ。
 第3戦の舞台にもなっているが、その時はEpson NSXは4番手を走りながらクラッシュに巻き込まれてリタイア。その後、4番手につけたBANDAI OO DUNLOP SC430も再スタート時の接触でドライブスルーペナルティを受けて、7位に終わっているサーキットでもある。今回、チャンピオンは決まってしまったが、ダンロップ勢の2台が得意とするサーキットだけに、きっと期待に応える白熱のバトルを見せてくれるだろう。





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ニュルブルクリンク2014