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Epson NSX CONCEPT-GT、不運なリタイアに
10月3~5日、タイ東部のブリラムに完成したばかりのチャン・インターナショナル・サーキットにおいて、こけら落としのイベントとしてSUPER GT第7戦が開催された。ダンロップは昨年同様GT500クラスのNAKAJIMA RACING「Epson NSX CONCEPT-GT」(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)、GT300クラスの「GAINER Rn-SPORTS SLS」(10号車=植田正幸/山内英輝)、「GAINER DIXCEL SLS」(11号車=平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)の2台、計3台にタイヤを供給。今回準備したタイヤはGT500/300両クラスともドライ(GT500=ソフト/ミディアム、GT300=ミディアム/ハード)、レイン浅溝(ミディアム/ハード)、レイン深溝(ハード)の3タイプ5種類を持ち込んだ。
入場者数:3日13,426日、4日(予選)42,597人 5日(決勝) 75,168人

色とりどりの日傘で埋まったスタンドをバックに快走を見せるEpson NSX CONCEPT-GT

首都バンコクから北東方向へ400km。ブリラムの街にできたばかりのチャン・サーキットはほぼフラットな一周4.554kmコース。前半は長い直線2本をヘアピンカーブでつなぎ、後半はテクニカルな中高速コーナーが連続するレイアウトで、若干の上り下りもコーナーのバンクも設定されている。ちょうどタイは雨季で天気が心配されたが、ブリラムでは雲は張り出すもののスコールもなく晴天に恵まれたレースウィークとなったのは幸いだった。また初日から大勢のファンがサーキットに詰めかけていたが、タイの人々のレースに対する興味は高いもののようだ。

セッション後のミーティングでも表情の明るい中嶋大祐とバゲット(左)

夏場から調子を上げてきたホンダ勢の中でも比較的軽量なEpson NSX CONCEPT-GT(ハンディウエイトは12kg)は、3日午後に行われたフリー走行では10番手。しかしこれはタイヤのチェックとロングランに費やしタイムアタックをしなかったための結果で、ドライバーやスタッフは走り始めからまずまずの手応えを感じていたようだ。4日朝の公式練習でもホンダ勢最上位となる堂々3位のタイムをマーク。チームは自信を持って午後の予選に臨んだ。
気温33℃、路面温度51℃のなか始まった公式予選Q1では、バゲットが6位に入り、トップ8によるQ2進出を見事決めると、Q2では中嶋が5位に順位を上げ、これで今季最高位からのスタートとなった。

5番グリッドからの決勝スタートも決めたバゲットがペース良くライバルを追う展開に

5日の決勝レースは15時にスタート。スタートドライバーはバゲットが担当した。「5位という表彰台も狙えるポジションなのでモチベーションも高く保てています。オーバーテイクのチャンスはあると思いますが、レコードラインを外れると砂や埃で滑ってしまうので、後半の担当は慎重に攻めていきたい」と中嶋。そして15時03分、66周の決勝レースのバトルが開始された。バゲットは混乱するオープニングラップでポジションをキープして、前を走るライバルにぴたりとついて周回。4周目には早くもラップ遅れが出始めコースは混雑してきた。5周目のインフィールドで4位争いをしている最中に後方の車両から接触を受けバゲットはスピン。何とか12位で隊列に復帰するも、9周目にはまたもや接触されスピン。14位まで大きく順位を落とすことになった。さらに前を走行する車両のスピンを避けようとコースオフするなど思うようなレース展開とはならない序盤となった。

序盤に後続からの接触を受けたバゲットはスピンを喫してマシンを損傷した。

レースも中盤、折り返し近くなった25周でバゲットは緊急ピットイン。接触の影響でリヤフェンダーやカウルを損傷してしまったのだった。ピットガレージに収められた車両はこの時点でレースは続行できないと判断してリタイアを選択することとなった。「いい調子で来ていただけに残念な結果になってしまい、応援していただいているファンには申し訳ないけれど、気分を切り替えて最終戦に臨むしかないですよね」と中嶋悟監督は悔しさを押し殺すように淡々と語った。





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ニュルブルクリンク2014