DUNLOP MOTORSPORT
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Epson NSX CONCEPT-GT、波乱のレースに
8月30~31日、鈴鹿サーキット(三重県)においてSUPER GT第6戦がシリーズ最長の1,000kmレースとして開催された。ダンロップは昨年同様GT500クラスのNAKAJIMA RACING「Epson NSX CONCEPT-GT」(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)、GT300クラスの「GAINER Rn-SPORTS SLS」(10号車=植田正幸/山内英輝)、「GAINER DIXCEL SLS」(11号車=平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)の2台、計3台にタイヤを供給。今回準備したタイヤはGT500/300両クラスともドライ(ミディアム/ハード)、レイン浅溝(ミディアム/ハード)、レイン深溝(ミディアム/ハード)の3タイプ6種類を持ち込んだ。
入場者数:予選日25,000人 決勝日 36,000人

予選日朝の公式練習に備え準備中のEpson NSX CONCEPT-GT。しかし予期せぬトラブルに

夏休み最後の週末、恒例の耐久イベントが開催された鈴鹿は例年よりも涼しい天候。予選日から家族連れを中心に多くのファンがサーキットに詰めかけた。GT500車両は開幕戦以来のハイダウンフォース仕様のエアロを装着。前回から調子を上げ始めたホンダ勢の中でも比較的軽量なEpson NSX CONCEPT-GT(ウエイトハンディは24kg)は、前回のレースで3位表彰台を獲得しており、ホンダのホームコースでの活躍が期待された。しかし朝に行われた公式練習開始早々にエンジンルームに火災が発生。直後から車輌の修復作業が実施され、公式予選への出走は不可能となってしまった。

ピットウォークに姿を見せた中嶋とバゲットだが、表情はやや硬い

31日の決勝日朝、前夜のうちにスタッフたちの懸命な作業により修復された車両はカラーリングも施されて姿を現した。朝のフリー走行ではバゲットが15台中8番手と、他車両に遜色ないタイムをマークして、決勝レースへの出走が認められることとなったが、グリッドはGT500最後尾の15番目となった。

二日間で6万人以上と大勢のファンを集めた伝統のビッグイベント。各車が続々とコースイン

1,000km、173周の決勝レースは12時24分にスタート。ステアリングを握るのはバゲットで、オープニングラップでいきなり5台を抜き10位へ順位を上げた。バゲットは4周目には9位、15周目には8位まで順位を上げる活躍を見せ、さらに19周目には7位へとポジションアップ。当初の予定どおり20周でピットインし、タイヤ交換と給油だけを済ませた。11位でコースに戻ったバゲットは、他車両が最初のピット作業を始めると順位を上げていき、35周目には6位へ。そして40周でピットインして中嶋に交代した。

最後尾スタートから素晴らしい追い上げを見せたバゲット

中嶋は11位でコース復帰すると、この週末で初めての連続周回。70周目あたりで周囲の車両が2回目のピット作業をし始めると、7位まで順位を上げて順調なレースを展開していた。しかし75周目、予定どおり3回目のピットインをしようとしていた中嶋がピットロードに入ろうとしたその瞬間、背後から接触を受けてしまい中嶋はスピン&ストップ。何とかそのままピットへ戻って来てバゲットに交代。タイヤ交換と給油、そして接触により破損した部分の修復を急ぎ行ったが、13位へと順位を落としてしまう結果となった。

粘りの走りで最後まで諦めない走りをしていた中嶋とバゲットだったが、残念な結果に

バゲットは83周目のデグナーカーブでコースアウトを喫した。これは直前の接触により破損したボディとタイヤが干渉したため。時間をかけてピットへ戻り、さらにボディの修復作業に時間がかかり、上位陣とは大きな差ができてしまうこととなった。それでもチームは諦めることなくレースを続け、110周でピットインして中嶋に交代。しかし中嶋は車両のトラブルを感じ、予定より早めの124周でピットイン。ブレーキのチェックを行ったが、接触が原因でブレーキの冷却系が破損しており、これ以上のレースは無理と判断。残念ながらここでレースを終えることとなった。レース結果は12位だった。

決勝日には中嶋の地元、岡崎のキャラクター、オカザえもんも応援に駆けつけた

「スタッフが一生懸命に修復してくれたおかげで決勝レースに出られることになりましたが、決勝でも不運なアクシデントに見舞われてしまいました。何とかピットには戻ることができましたが、結果的にチェッカーまで走ることができず残念です。ただ前回からドライコンディションでも速さを見せられるようになりました。次のタイは暑い環境でしょうし、面白いレースになると思います。気持ちを切り替えて残り2戦を戦います」とレース後の長いミーティングを終えた中嶋は悔しさを隠さなかったが、既にサバサバとした表情を見せていた。





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ニュルブルクリンク2014