第2戦 4月30日(土)~5月1日(日) 富士スピードウェイ
予選12位からスタートのEpson HSV-010
ウエットで苦戦するも次戦につながる完走!

土曜の公式練習に臨むEpson HSV-010

 4月30日~5月1日、2011年スーパーGTシリーズ第2戦「FUJI GT 400km RACE」が開催された。本来、4月2~3日の岡山国際サーキットがスーパーGTシリーズの開幕戦となる予定だったが、東日本大震災の影響を考慮し、5月21~22日に延期となった。そのために今回が今年の初レースとなるが、大会名は変更されずに第2戦、5月の岡山大会は第1戦という名称で開催される。「FUJI GT 400km RACE」であるが、レース距離は300kmに短縮されて争われる。また3月の公式テストが中止になったために、09年からコスト削減のために廃止された金曜日の練習走行が復活し、29日に2回の習熟走行が行われた。
 今年の幕開けの舞台となる富士スピードウェイは、全長4563m、約1.5kmの長いメインストレートがあり、コース前半の高速セクションと後半のテクニカルセクションが組み合わされたコースだ。
 今季のGT500クラスは、ダンロップユーザーとして7年目を迎える「NAKAJIMA RACING」が、デビュー2年目となるホンダのHSV-010で頂点を目指して戦う。
GT300クラスは、昨年からダンロップユーザーとなった「JIMGAINER」(ジェイアイエムゲイナー)が、FIA GT仕様のニューマシンであるフェラーリF458 GTC、「JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458」で、さらなるポテンシャルアップを狙う。
 今回、ドライ用はソフト、ミディアム、ハードの3種類。ウエット用は浅溝、通常、深溝の3種類を用意。ドライの予選では、GT500とGT300は、ともにソフトをチョイスした。

道上 龍選手と中山友貴選手(左から)

【GT500】
 ダンロップユーザーとして7年目となる「NAKAJIMA RACING」、チーム加入2年目のベテラン道上 龍選手と、3年目となる中山友貴選手のペアで、今季初となる富士スピードウェイでのレースに臨んだ。昨年、デビューしたHSV-010 GTは、チャンピオンマシンとなり、今季はラジエターの位置をフロントから前輪の後方に移し、旋回性能をアップさせている。
予選日の土曜は、大型連休の2日目でもあり、風は強かったが、晴れとなり、2万4000人の入場者を数えた。9時10分にスタートした1時間45分間の練習走行は、GT500とGT300の混走となった。Epson HSV-010は、このセッションで、9番手のタイムをマーク。午後の公式予選では、道上 龍選手がタイムアタックに臨んだが、思うようにタイムが伸びずに12番手となり、トップ10が進出できるスーパーラップには届かなかった。

レースは、ウエットのため、序盤はセーフティーカーランが続いた

 決勝日、ウエットとなった午前のフリー走行では、Epson HSV-010が快調な走りを見せて2番手をマーク。ウエットが予想されている決勝レースでの活躍を予感させた。
 午後2時に決勝レースのフォーメーションラップがスタートしたが、雨が強くなり、5周目までセーフティカーランが続き、6周目にレースがスタート。午前のフリー走行でも好調だった浅溝のウエット用タイヤを装着したEpson HSV-010は、道上 龍選手がスタートドライバーを担当。だが雨が強くなってしまい、10周目にタイヤ交換のためにピットイン。Epson HSV-010は15番手まで後退となった。さらにHSV-010勢にはフロントウインドーの内側が曇ってしまうという共通のトラブルが発生して、ペースの上げられない厳しい戦いとなった。レース終盤には、さらに雨が強くなり、クラッシュするマシンも出たために、レースは61周で赤旗中断。そのまま終了、59周目終了時点の順位がリザルトとなった。後半を担当した中山友貴選手のドライブするEpson HSV-010は15位という結果だった。

道上 龍選手から中山友貴選手にドライバー交代するEpson HSV-010

「ドライ用タイヤに関しては、昨年より1歩前進している手応えを感じました。ウエット用タイヤも決勝朝の雨でのコンディションではいい感触だったので期待していたのですが、決勝の雨の量が予想以上に多くなり、用意したタイヤのゴムのレンジまで温度が上がらなかったのが、敗因だと思います」と中嶋 悟総監督はレースを振り返った。
「雨だからチャンスだと思ったのですが、予想以上の雨でした。ウエット用タイヤのポテンシャルは高いのですが、雨の量と路面温度の低さがあって、本来の性能を発揮できませんでした。ハイドロプレーニングでペースが上げられず、ウインドーが曇ってしまい、緊急ピットインもあったので、かなり厳しいレースでした。次の岡山は、去年は予選5位に入っているコースですし、全力で戦います」と決意を語る道上 龍選手。
「ウエット用タイヤは、テストでは調子がよかったのですが、コンディションに合わず、予想どおりにグリップが出ませんでした。次の岡山は、テストでも手応えがあり、自分としても結果が欲しいので頑張ります」と中山友貴選手はコメント。

 今回の富士スピードウェイは、5台が参戦するHSV-010勢の最上位が8位というには厳しいレースとなった。次戦の岡山国際サーキットは、2本のストレートと低速コーナーが組み合わされたテクニカルサーキットであり、昨年はHSV-010が制しているコースだ。路面コンディションとタイヤがベストマッチすれば、上位入賞が期待できる。
 GT500クラスで唯一のダンロップユーザーとして臨むEpson HSV-010が、どんな戦いを見せてくれるか注目したい。





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