DUNLOP MOTORSPORT
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第8戦 10月12日(金)~10月14日(日) 第40回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2012
勝田/足立組、最終ステージで怒涛の追い上げも0秒7差の2位!
ランキングトップをキープしたまま最終戦へ!!


40回を迎えるハイランドマスターズ。乗鞍や御嶽を望む風光明媚なロケーションは何年たっても変わらない。

全日本ラリー選手権もこのハイランドマスターズが第8戦。残りはここハイランドと次戦新城の2戦のみで、チャンピオン争いもいよいよ佳境に差し掛かってきた。今回で40回目の記念大会となるハイランドマスターズはサービスパークを以前使用していた高山市南部のモンデウス飛騨位山スキー場に再び移転、新たな歴史を刻む場所として再出発することとなった。今回のステージはDAY1がサービスパーク同様、復活となった高山市東部のSS1・2駄吉(だよし)下り4.11kmとサービスパーク南側でギャラリーステージも設置している今回最長14.71kmのSS3・4無数河(むすご)→牛牧をそれぞれ2回。DAY2は駄吉林道の北に位置するSS5・6の大山線5.29kmとSS3・4の逆走となる牛牧→無数河14.56kmをこちらも2回ずつ使用の全8SSをレイアウトする。ステージの数は決して多くはないのだが、14kmを超えるロングステージが半分の4本を占めるため、勝負の行方はこのロングステージにゆだねられていると言っても過言ではない。現在ランキングトップの勝田範彦/足立さやか(インプレッサ)組は今回新車のインプレッサを投入。3年連続チャンピオンに向けて必勝体制で臨んできた。

今回新車を投入してきた勝田範彦。心配された初期トラブルもなく、順調にスタートしたかに見えたのだが、マシンセッティングに手間取りスタートステージではトップから5秒引き離される苦しいスタートとなった。

DAY1最初のステージは駄吉下り1。山間部には霧が出ているのだが天気は快晴。気温は高山市内でも明け方は5度前後と厳しい寒さだ。勝田は新車のインプレッサでスタートして行ったのだが、投入初期にありがちなマイナートラブルこそなかったものの、セッティング不足が露呈。トップタイムの奴田原文雄/佐藤忠宜(ランサー)から5秒2遅れの6番手タイムに終わってしまう。2番手には前戦ラリー北海道で復活優勝を遂げた石田正史/宮城孝仁(ランサー)、3番手には福永修/奥村久継(インプレッサ)のダンロップユーザーが続いている。ラリー中にセッティングを模索する勝田はリピートとなるSS2駄吉下り2でも奴田原から5秒5遅れの4番手。この2本で10秒以上のビハインドを背負うこととなったのだが、セッティングの方向性は見えてきているようだ。続く最長ステージのSS3無数河→牛牧1で勝田はセカンドベストだったもののトップの奴田原に0秒6にまで肉薄。一気に2位に浮上してきた。そしてこの日最後のステージSS4は無数河→牛牧14.71kmの2回目。勝田は中間地点でも奴田原を1秒以上速いタイムで通過、今回初のステージベストを目指しアタックを敢行、タイムは奴田原より2秒0上回る10分56秒6を記録し、タイム差を9秒3にまで縮めた。勝田は「最初、マシンに違和感があったんですけど、セッティングの変更とマシンに自分の走りを合わせる修正が出来たのでタイムが出るようになりました。スペアタイヤもヌタさんより残っているので明日は見ていてください」とコメントをくれた。

怒涛の追い上げとなったSS7とSS8。DAY1の苦しい戦いのなかでもタイヤマネジメントをしっかりと行い、DAY2で存分に戦える本数を確保した勝田は最終決戦の新城でどんな戦いを見せてくれるのだろうか。

きのうのDAY1ほどではないのだがこの季節の高山は冷え込む。山には霧が残っているようだが走行には問題はないようだ。勝田はこの日最初のSS5大山線1では期待していたほどタイムは出なかったのだが3分29秒1のステージベストをゲットし奴田原にじわりと近づく。リピートのSS6大山線2では確実に好タイムを連発してきたダンロップユーザーの高山仁/河野洋志(ランサー)がベストを獲り、勝田、奴田原が続く展開。ここでも勝田は奴田原との差を0秒5縮めその差は8秒5、ようやく背中が見えてきた。続いてロングステージのSS7牛牧→無数河1。勝田は10分57秒7の今回3回目のステージベスト。奴田原との差は5秒2。そして最終ステージのSS8、牛牧→無数河の2回目。最初にスタートする奴田原のタイムは10分54秒3、それに対し1分後スタートの勝田は中間地点のギャラリーポイントですでに3秒速い。これはひょっとして大逆転!?と周囲に期待をいだかせたそのタイムは10分49秒8、奴田原を4秒5も上回るスーパーベストを記録する。しかし0秒7足りず2位でゴールすることとなった。「結局DAY1のスロースタートが敗因になってしまいましたね。でも今までインプが苦手だった上り区間でのポテンシャルは確認できたので、あとはマシンを新城までにどこまで熟成させることが出来るかが鍵になります。次は絶対負けませんよ」と勝田は力強い言葉を残してくれた。タラレバを言ったところで仕方がないのだが、けっきょく最初2本のタイム差が悔やまれる1戦だった。最終戦は勝田の地元ともいえる新城ラリー。ここでの最終決戦に勝田は3年連続チャンピオンを賭けることとなる。

SS2で痛恨のスピンを喫した眞貝だったが、SS3から5連続ベストで見事逆転。最終戦では三好と今回欠場の村田との三つ巴のチャンピオン争いとなる。

SS1駄吉下り1でベストタイムを出した優勝候補最右翼の眞貝知志/田中直哉(インテグラ)のリードで始まったJN-3クラスは、続くSS2で眞貝が痛恨のスピン。30秒近くのタイムロスで下位に沈んでしまい、三好秀昌/保井隆宏(86)に首位を譲ってしまう。これで勝負あったかに見えたのだが、続くSS3から眞貝の脅威の追い上げが始まる。SS2でクラス7位だった順位はSS3で早くも3位に返り咲き、DAY1終了時には2位三好に0秒2にまで肉薄する。「SS2でスピンしちゃって頭の中が真っ白になりました。でも気を取り直して何とか3位まで盛り返しました。でもDAYポイントがもったいなかったですね」と語ってくれた眞貝は、翌DAY2最初のSS5でDAY1から3連続となるベストタイムを記録し、ついに首位に返り咲くことに成功。このあともSS6・7でもベストを叩き出し2番手と14秒以上のリードを築いて優勝。最終戦にチャンピオンの望みを繋いだ。

ロングステージで気を吐いた山口は今季3勝目。今回欠場の葛西と最終戦の新城で雌雄を決することになった。

最軽量クラスのJN-1。ランキング2位の山口貴利/山田真紀子(ストーリア)は3番手スタートだったが、ロングのSS4で2番手を20秒以上引き離すスーパーベストを記録一気に首位に浮上する。DAY2のショートステージSS5・6では苦戦し0秒3差にまで追い詰められるのだが、ロングのSS7で再び引き離し今季3勝目を手に入れ、ランキングトップに躍り出ることになり、チャンピオン争いが分からなくなってきた。このほかのJN-2クラスでは天野智之/井上裕紀子(ヴィッツ)がSS1でのスピンから追い上げ2位まで挽回、チャンピオン争いを最終戦へ持ち越すこととなった。
Global Race Category
Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014