DUNLOP MOTORSPORT
ドライバー
第7戦 9月14日(金)~9月16日(日) RALLY HOKKAIDO 2012FIA Asia Pacific Rally Championship併催
石田正史4年ぶりの勝利に輝く!
勝田/足立組は3位表彰台でランキングトップを堅持!


アジア・パシフィックラリー選手権との併催が11年目となる「ラリー北海道」。地元との協力体制もしっかりしており、全日本ラリー選手権有数のイベントとして定着している。

今シーズン全9戦の全日本ラリー選手権もラリー北海道で第7戦、残りは3戦でここから後半戦に突入する。例年どおりアジア・パシフィックラリー選手権と併催で開催されており、帯広市をホストシティに約100km北の陸別町まで北海道ならではの大きなスケールでステージを構成している。SS総距離の長さからポイント係数も高く、全日本ラリーナンバーワンのイベントとなっている。また複数の地元自治体などのバックアップで道東地区の有力なイベントに成長しており、アジア・パシフィックラリー選手権と併せ国内外から90台ものエントリーを集めている。競技のステージは金曜夕方から始まるセレモニアルスタートとそれに続くサービスパーク横のギャラリーステージ1.2km「SSS OBIHIRO 1」からLeg1(全日本選手権ではDAY1と表現)がスタート。翌土曜日も朝からLeg1の続きを再開、28.04km「NEW KUNNEYWA」を3回、陸別町の「陸別サーキット」を使用した4.63km「RIKUBETSU LONG」を2回、9.98km「PAWSE KAMUY」を3回、そしてこの日の最後に「SSS OBIHIRO」を2回走行する。翌日のLeg2は6.29km「OTOFUKE」、今回最長の29.11km「NEW ASHORO LONG」、10.78km「HONBETSU」を各2回走行後、最終SS「SSS OBIHIRO」でゴールするステージレイアウトとなっており、SS総距離が220kmとおおよそ他のイベント3戦分とマシンに対して比較にならないダメージを考慮しながらの闘いが要求される。JN-4クラスはシリーズリーダーでダンロップユーザーの勝田範彦/足立さやか(インプレッサ)、2位奴田原文雄/佐藤忠宣(ランサー)、3位柳澤宏至/中原祥雅(インプレッサ)や3戦連続ポイントゲットで調子の上がってきたダンロップユーザー石田正史/宮城孝仁(ランサー)あたりが優勝候補と目されている。

SS2の30秒が無ければ、結果はどうなっていたか分からない勝田。だがそのあとの戦いぶりには、必ずタイトルを獲ると言う意思を強く感じさせてくれた一戦だった。

金曜夜の「SSS OBIHIRO 1」でステージウィナーとなったのは石田。コンマ1秒差で勝田が続く幸先のいい展開で始まったのだが、3番手以下もコンマ1秒差でひしめき合い、その差は無いに等しい。翌土曜日から競技は本格的にスタート。天候は晴れ、十勝地方にしては朝から気温が高めだ。SS2「NEW KUNNEYWA 1」では先頭スタートの勝田が15分40秒9をマークするのだが、続く奴田原はそれを30秒上回る15分10秒0のスーパーラップを記録する。さらにそのあとの柳澤は15分9秒5と勝田は最初から5番手と苦しい展開に陥ってしまう。多くのギャラリーが集まるSS3「RIKUBETSU LONG 1」。ここでは奴田原がベストを取るのだが、これに石田がコンマ6秒で続き2位をガッチリキープしている。勝田はここで復調、3番手タイムをゲットしている。勝田はSS2を「特に大きなミスをしたわけではないのですが、様子を見ながらペースに乗れないまま走りきってしまい30秒差をつけられてしまいました。ちょっと失敗でしたね。」と話し、マシンには大きな問題もないようなので、このあとの追い上げが期待できるだろう。SS4「PAWSE KAMUY 1」では石田がこの日初のステージベストをゲット、奴田原に対し1秒2差にまで追い上げる。このあとやや膠着状態が続くのだが、石田はSS8「NEW KUNNEYWA 3」で14分49秒3のタイムを叩き出し奴田原を逆転、ついに首位浮上に成功する。石田はこのあとのSS9「PAWSE KAMUY 2」でも連続ベストを記録、この日最後のSS11終了後で2位奴田原に対し8秒3のアドバンテージを築いた。一方勝田はコンスタントに上位のタイムを記録、3位でLeg1を終えることとなった。ただ勝田は石田、奴田原と遜色ないタイムを出しているだけに、SS2で作った30秒の借金が無ければと思うと悔しい3位なのかもしれない。

4年ぶりの勝利を手にした石田正史。途中からマシンセッティングを乗りやすい方向に変更。路面との折り合いも抜群で安心して走りを見ることが出来た。

日曜日のLeg2。昨日と比べ気温はやや低く、雲も多めだが今すぐ雨が降る様子ではない。
SS12「OTOFUKE 1」は帯広市からのアクセスも便利なギャラリーステージで早朝7時前のスタートながら熱心なファンが詰め掛けている。このステージでは石田がベストをマーク、2位奴田原とのアドバンテージを9秒2にまで広げる。続くSS13は今ラリー最長29.11kmの「NEW ASHORO LONG 1」。ここで石田は奴田原を14秒1凌ぐ16分46秒4のスーパーベストを記録、その差を23秒以上に広げることに成功した。このあと石田は2番手とのタイム差をコントロールしながら最終ステージまでクリア。自身にとって4年ぶりとなる勝利を手にした。石田は「勝因はステージの見極めですね。コース、路面状況の得意、不得意を的確に判断しながらメリハリをつけて走り抜きました。」と晴れやかな笑顔でこたえてくれた。勝田は30秒のビハインドを負いながらも試合巧者ぶりを発揮、3位入賞でシリーズリーダーをキープ。得意とするターマック2戦で3年連続のチャンピオンを目指すこととなった。

JN-2クラスで今季初の2勝目を手にした天野智之/井上裕記子組。残り2戦、川名との一騎打ちをいかに戦うのか?天野の中にその作戦はあるのだろうか?

これまでの6戦ですべてウィナーが違う激戦のJN-2クラス。各選手は係数の高い今回のラリー北海道でライバルを引き離しチャンピオン争いに王手を掛けたいはず。ただ軽量クラスにとって締まった路面や、フカフカの掘れ易い路面などバラエティに富んだこのステージは、スピードを維持しながら細心の注意を払ったドライビングが求められる。SS1「SSS OBIHIRO 1」のショートステージではダンロップユーザーの天野智之/井上裕記子(ヴィッツ)がトップタイムで好スタートを決める。続くロングのSS2「NEW KUNNEYWA 1」では前戦の覇者、川名賢/小坂典嵩(ヴィッツ)がベストを取るのだが、このあとのSS3からSS7まで天野が5連続ベストを決め、2番手川名との差を20秒以上に広げた。このあとも天野は手綱を緩めることなく2日間を走りきり、その差を1分以上とする独走優勝を遂げた。これでチャンピオン争いも川名との一騎打ちの様相となり、残り2戦のターマックラウンドに縺れ込むこととなった。

今回の山口は本当に強い。実はマシントラブルを抱えた2日間だったようで、簡単に手に入れた勝利ではなかった。これでJN-1のチャンピオン争いが分からなくなってきた。

こちらもチャンピオン争いが混沌としてきた、最軽量クラスのJN-1。昨年まではエントリーが集まらず競技成立出来なかったイベントがあったのだが、今季は今回を含め全戦成立と俄然活況を呈してきている。今回は今季最多勝でランキング2位の松尾が参戦をスキップ、ランキング1位の葛西一省/安田弘美(ストーリア)と同3位のダンロップユーザー山口貴利/山田真記子(ストーリア)がエントリー。葛西がチャンピオンへ盤石な体制を手に入れるのか、山口がそれに待ったを掛けるのかそこに注目が集まった。だがふたを開けてみると山口のワンサイドゲーム。全18SS中12本でステージウィンを飾り、2位の葛西に対し25分以上の大差をつけ、山口が今季2勝目の勝者となった。これで山口はランキング2位に浮上、葛西に待ったを掛けることとなった。
Global Race Category
Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014