9月2日(金)~9月4日(日) 2011 ARK Rally 洞爺
勝田範彦、反撃開始!
目の覚めるような激走で今季2勝目。ランキングトップに再浮上!!


金曜日夜にはセレモニアルスタートが開催され、雨の中、地元の住民を含め多くのギャラリーが駆けつけてくれた。

約2ヶ月のインターバルを経ての開催となった、第6戦「2011 ARK RALLY 洞爺」は昨年使用ステージが一新された倶知安町周辺からさらに南下、洞爺湖、有珠山を望む洞爺湖町の洞爺湖温泉中心部にサービスパークを置き、その東西にステージを配置するスタイルに大きく進化することとなった。地元自治体との連携も順調なようで、この地で初回とは思えないしっかりとしたオーガナイズが随所で見られた。またギャラリーステージが2日間とも林道に設置され、現地へのアクセスを含め来場するギャラリーからの評価も大きく向上しているのではないだろうか。今回のラリーで使われるステージはSS1「クリザンティーム」が8.16km、続いてSS2「アップル」3.27km 、SS3「ストロベリー」5.97km、SS4「プラム」2.58km、そしてSS5は今ラリー最長19.37km「フルーツトラバース」の5本を2日間で3ループする全15SSで構成されている。そして注目すべき優勝争いは、総合ポイントでも混迷を極める、76ポイントの奴田原文雄/佐藤忠宣(ランサー)と5点差の71ポイントで追い上げるダンロップユーザーの勝田範彦/足立さやか(インプレッサ)の2台がどのような作戦でこのラリーを走りきるのだろうか。勝田としては残り3戦を有利に進めるために何としても優勝を勝ち取りたいところだろう。

順調にステージを消化した勝田範彦/足立さやか組。その走りは危なげなく、横綱相撲といっても良いような安定感があった。

セレモニアルスタートが行われた翌土曜日の朝6時30分からラリーはスタートした。天候は台風12号の影響からか前日もかなり強い雨が降り続いたのだが、この朝は一時的に雨もやみ薄日が差していた。しかし予報では強い雨が降るとの情報からも路面は終始ウエットコンディションの中でラリーは展開されると予想される。総合優勝を争うJN4クラス最初のステージSS1「クリザンティーム1」で前戦ハイランドマスターズでは惜しくも初優勝を逃したダンロップユーザー福永修/奥村久継(ランサー)が6分48秒3でステージベストをマーク、幸先よいスタートを切った。これに奴田原が3秒8差の2番手、3番手には勝田が4秒4差で続いている。次のSS2「アップル1」でも福永が3分5秒2の連続ベストで後続を引き離しにかかる。勝田はここで2番手でゴールし順位を2位に上げ、ダンロップワンツー体勢を築いた。勝田はこのあとのSS3「ストロベリー1」で2番手をSS距離5.97kmで6秒1も引き離すスーパーラップを記録し福永を逆転、一気に首位に浮上した。このあとのSS4でも連続ベストをマーク、SS5の19.37km「フルーツトラバース1」でもステージベストの柳澤宏至/中原祥雄(ランサー)のコンマ3秒落ちの2番手でゴールし、全体の3分の1を消化した段階で2位を10秒7引き離すことに成功する。首位の勝田はSS8と2度目のロングステージSS10でもステージベストをマーク、それ以外のステージでも確実に2~3番手をキープし続けDAY1終了時には2番手柳澤に24秒8、奴田原にも25秒8引き離すセーフティマージンをゲットすることになった。

2ヶ月間マシン開発に取り組んできた勝田。「残り2戦全勝するつもりで頑張ります。でも最終戦までもつれ込むかな~!?」と連続タイトルに向け明るい表情で語ってくれた。

日曜日のDAY2。今日は残り5本のSS総延長36.08kmが控えている。勝田は24秒以上のマージンを持っているものの、グラベルラリーにつきもののタイヤバーストがあれば一気に順位が変動する危険性もはらんでいるので気が抜けない。勝田にとってこのラリーは何としても勝ちたいイベント。タイヤバーストに気をつけながら好タイムを刻み続けなければならない難しい対応を要求される。前夜からの大雨は朝には上がり、なんとか曇天のまま持ってくれそうな状況だ。この日最初のSS11「クリザンティーム3」では奴田原が2番手勝田を7秒引き離すステージベストでその差を一気に18秒8にまで詰め、奴田原は追撃をあきらめていない。それに対し勝田は続くSS12「アップル3」で奴田原を4秒6差のステージベストでお返し、その差は再び23秒以上となった。そして残り3本となったSS13「ストロベリー3」。奴田原はトラブルで優勝争いから脱落。あっけなく勝負が決することとなった。このステージを含め勝田は最終のSS15でもステージベストを記録、2位に浮上してきた柳澤を42秒7引き離す独走で今季2勝目、ランキングでも奴田原を逆転、再びトップに返り咲くこととなった。優勝した勝田は「ハイランドマスターズからの2ヶ月間、スピードがいまひとつ足りないと感じていたので、マシンを徹底的に見直しました。今回はトラブルもなくライバルと充分対抗できるスピードも手にすることが出来たので満足しています。」と締めくくってくれた。

初優勝の山口貴利/山田真記子組。最終ステージでのどんでん返しで初優勝となったが、それまで確実に2位をキープし続けた結果が朗報をもたらすことになった。

今回の第6戦で4回目の成立イベントとなったJN1。ランキングトップの西山敏は今回不参加。追い上げるライバルは第2戦優勝の村田康介/平山真理(ストーリア)。村田は今回のラリーで勝利して、西山に追いつきたいところ。その村田はSS1からライバルを寄せ付けず、ステージベストを連発。DAY1も見事トップで終了した。翌日のDAY2でも村田は快走、全ステージでベストを取る完全優勝を目前にした最終SS15。スタートから4km付近で村田のストーリアが突然ストップ。マシントラブルでまったく動けなくなってしまった。無念の村田はここでまさかのリタイア、チームメイトで2番手をキープしていた山口貴利/山田真記子(ストーリア)が代わって首位に浮上、そのまま全日本初優勝を飾ることとなった。優勝の山口は「初優勝はもちろん嬉しいのですが、SS15でチームメイトの村田に起こった状況はすんなりと受け入ることが出来なかった。ちょっと複雑です。」と初優勝を語ってくれた。手元での計算ではあるが、これで西山と同ポイントで並び、このクラスも他のクラス同様、誰がタイトルを獲得するか判らない状況になってきたようだ。


次戦は今月末のアジアパシフィック選手権と併催の「ラリー北海道」は今回と同じく北海道での連続開催。全日本最長のSS総距離を誇るこのラリーはポイント係数も高いだけに、リザルトによってはチャンピオンを決定するクラスも出てくるかもしれないこのラリーでもダンロップユーザーの活躍を期待したい。
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Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014