第6戦 9月5日(土)~9月6日(日) 久万高原ラリー
久々のターマックラリーで勝田が大暴れ!
ダンロップ勢が四国決戦で3クラス制覇!


一瞬、欧州を思わせるこの絶景。この壮大な自然の中をラリーカーが疾走する。

 全日本ラリー選手権、今シーズンの第6戦目は愛媛県上浮穴郡久万高原町を舞台に久万高原ラリーが開催された。前戦、7月上旬のラリー北海道から約8週間という長い夏休みが明け、2009年シーズンの後半戦がついに始動。この長く続いた休み改めインターバルを利用し各チームはどの様にレベルアップを果したか進化が問われるラリーと言えるだろう。
 この久万高原ラリーは四国屈指のビッグゲレンデ「美川スキー場」をメインに2日間の日程でターマックラリーとして開催。標高約1500メートルクラスの山々が連なり、他のラリー以上にアップダウンに富んだコースが久万高原ラリーの特徴とも言える。その久万高原の路面に対してダンロップ勢は全車「DIREZZA 03G」を履き、DAY1のスタートを迎える。

夕焼けをバックに勝田が疾走。久々のターマックラリーにその強さを見せ付けた。

 そして9月5日、朝から天候にも恵まれDAY1がスタート。午後4時のスタートはやや遅めの進行とあってこの日のスケジュールは「大谷I」5.44kmと「大谷II」5.44kmの2本同じステージを走行。注目を集めるJN-4クラス、この最初のSS1では現在2連勝中でポイントランキング、トップに立つ奴田原文雄/佐藤忠宜(ランサー)が4分40秒3のトップタイムをマーク。SS1のリピートとなるSS2「大谷II」ではダンロップユーザー石田正史/澤田茂(ランサー)の走りが爆発。石田は自身のSS1でのタイムを5秒近くも縮める4分36秒4をマークし奴田原を交わしてトップに立つ。ディフェンディングチャンピオンの勝田範彦/保井隆宏(インプレッサ)はこの2台に離される事無く、トップ石田から4秒9差、3番手の好ポジションで初日を終えた。

今季3勝目をゲットしポイントランキングも2位へ浮上。

 翌9月6日、DAY2はSS3「大谷リバースI」4.98kmからスタート。このSSは下りが主体となったステージで勝田が最も得意とするレイアウト。このステージで4分19秒1のトップタイムを獲得し勝田がDAY2のスタートからスパートを掛ける。そして、続くSS4はこのDAY2(久万高原ラリー)の最大の見どころと言える「美川リバースI」24.38km。このベリーベリーロングなスペシャルステージが注目すべきポイント。これほどに長いステージは全日本ラリーではラリー北海道以外に設定される事が無く久万高原ラリーならではと言えるステージ。ここではささいなトラブルやミスでさえタイムに大きな影響を及ぼす、精神的・技術的・身体的にもタフさを求められるまさに心・技・体の全てを要求されるステージである。この注目のステージを誰よりも早く走り抜けたのはトップを快走する石田正史。24.38kmの距離を19分23秒1もの時間に渡り戦い続けステージベストを獲得。このタイムに僅かコンマ2秒差に続いた勝田が奴田原を交わし2位へとポジションアップ。ついにダンロップユーザーのワン・ツーを形成。
 続くSS5は「大川嶺I」14.16km。ここでまさかのアクシデントが発生。トップを行く石田正史がマシントラブルによりコースアウト、復帰は難しくリタイヤを喫してしまう。このSS5を終え石田に代りトップに立ったのは11分48秒4の驚異的なタイムを叩き出した勝田。続くSS6「大谷リバースII」4.98kmでも勝田が本日3度目となるステージベストを獲得し着実にアドバンテージを築く。そしてSS4のリピート、本日2回目の最長ステージSS7「美川リバースII」24.38kmでも勝田が19分23秒8のステージベストで2位以下を11秒近くも引き離し優勝に向けさらに大きなアドバンテージをプラスさせた。残す最終ステージSS8「大川嶺II」14.16kmここでも勝田がステージベストを獲得。結果8つのSS中、5つのSSでステージベストをマークした勝田が第2戦ぶりとなる今季3勝目をマーク。ポイントランキングも2位へとポジションアップ、連続タイトルに向け猛チャージを開始した。

曽根とのガチンコバトルを制した村瀬。タイトル獲得に向けもう追撃開始。

 JN-3では、連続したグラベルラリーからこの久万高原ラリーでターマックラリーへと移行。このターマックを得意とする各ドライバー達がこぞってエントリーを果し。その中でもダンロップユーザーの村瀬太/宮部弘陽(シビック)をはじめ、森博喜/藤綱和敏(セリカ)、岡田孝一/石田裕一(セリカ)の3名に曽根崇仁/桝谷知彦(セリカ)を加えた4台が絡む戦いが繰り広げられた。DAY1のSS2本で村瀬がステージベストを獲得し2位の岡田に対して11秒3の差を付け初日を終了。翌日のDAY2ではSS3・SS4・SS5とDAY2スタートから曽根が3本立て続けにステージベストを獲得しトップへ立つ。SS6・SS7では村瀬が底力を見せ、連続でステージベストを奪取しトップに帰り咲く。SS8も村瀬が5つ目となるステージベストで曽根との一騎打ちの激戦を制し、今季3勝目を飾った。最終的に森が見事3位表彰台を獲得し表彰台の1位と3位をダンロップユーザーで飾った。

全8SS中、SS1からSS7までを高橋が独占し圧倒的な速さを見せ付ける。

 JN-2は高橋悟志/箕作裕子(レビン)が全8SS中、7つのSSでステージベストを獲得。パーフェクトウィンと言っていい程の強さを見せつけ今季2勝目を飾る。ポイントランキングトップを行く田中伸幸/遠山裕美子(ミラージュ)に対してポイント差を縮め、逆転でのシリーズタイトル獲得に大きく前進を果した。3位表彰台には松原久/山田英明(ブーン)が今季初の表彰台を獲得。JN-3クラス同様にダンロップユーザーが1位と3位のポジションを獲得。


 ついに後半戦へと突入した全日本ラリー選手権。グラベルからターマックへの変化もあり前戦までとは違った戦いが繰り広げられ、このラリーでダンロップ勢が3クラスを制覇。次戦は愛知県新城市へ戦いの場を移し、優勝を掛けた戦いは更に激しい展開となるに違いない。
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Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014