第5戦 7月8日(金)~7月10日(日) 第39回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2011
開幕戦以来のタ―マックラウンド。ダンロップは3クラス中、2クラスを制覇!

今回はギャラリーステージがサービス会場の隣で開催されたため、セレモニアルスタートにも多くのギャラリーが訪れた。

 全日本ラリー選手権第5戦は今回のハイランドマスターズから後半戦。開幕戦唐津以来のタ―マック路面で開催された。39回目の開催となる今回より開催時期を10月から真夏の7月に変更、使用するステージの全てとサービスパークを高山市内南部に位置する久々野町に移動、主催者にとっても心機一転の開催となった。使用されるステージはDAY1が無数河(むすご)上り5.52km、下り5.55kmと牛牧上りギャラリーステージの2.46km、下り5.52km、DAY2は鳥屋峠4.10km、その逆走6.25kmの6本のステージをそれぞれ2回使って全12SSの構成となっている。注目の優勝争いは開幕戦以来の優勝を目指すダンロップユーザーの勝田範彦に昨年のこのラリーで優勝に手をかけた同じくダンロップユーザーの福永修、これに奴田原文雄がどう絡んでくるのか目が離せない。天候はDAY1途中で一時雨の予報が出ており、タイヤ選択のマネジメントにも各チーム神経を使うことになるのだろうか。

福永は初優勝を今回も手に入れることが出来なかった。トップとの差は確実に縮まってきており、もうそこまでの段階に到達。今シーズンこそ夢を実現させてほしい。

土曜日のDAY1は朝から快晴。気温もぐんぐん上昇しており最高気温は30度を超す予報が出ている。しかし朝の段階でも15時ごろに一時雨が降るとの予報に変わりはなく、昼過ぎに設定されている45分のサービスタイムでタイヤ選択に違いが出てくるかもしれない。ただ、ラリーにおいてはサービスパークが晴天でも山の裏側にあるステージは豪雨ということもしばしばあり、装着する4本をドライ用、車載するスペア2本にウエット用を装備、ステージスタート前にフロントをウエットに交換、リアにはより溝が残っているドライを装着したり、最初の装着段階でフロントをドライ、リアとスペアをウエットにするなど組み合わせは多岐にわたり、走り以外でも神経戦が繰り広げられるため選手も油断できない。まず最初のステージSS1「無数河下り1」は福永修/奥村久継(ランサー)と奴田原文雄/佐藤忠宣(ランサー)が4分30秒1の同タイムでステージベストをマーク、勝田範彦/足立さやか(インプレッサ)は1秒3遅れの2番手発進と悪くないスタートを切った。続くSS2「牛牧上り1」でも福永と奴田原は同タイムでステージベストを叩き出し首位をキープしている。このあと福永はややタイムダウンし2番手をキープするのだが、SS6「無数河上り1」5.52kmで4分21秒9のステージベストを記録、奴田原を1秒9まで追い詰める。勝田もこの段階で6秒3のビハインドを追いながらも確実にトップを射程距離圏に捉え続けている。DAY1も残りステージは2本、5.44kmのSS7「牛牧下り2」でセッティングに苦しんでいた勝田がこの日初めてのステージベストをマーク、この後のSS8「無数河上り2」で福永がこの日4回目のステージベストで奴田原を逆転トップに浮上、勝田もしっかりと3位をキープしている。

最終ステージの勝田のアタックは鬼気迫るものがあった。残念ながらコースアウトで3位に終わってしまうのだが、チャンピオンの走りは迫力充分だった。次戦は必ず巻き返してくれるだろう。

DAY2は昨夜一部で降った雨が路面に残っていたものの、早朝からの高い気温で見る見るうちに乾いてきた。しかしコースのあちこちで山からしみ出た水と路面のコケで日陰の部分はかなりスリッピーな状態のようだ。今回のラリーで最大の難所「鳥屋峠」で福永と奴田原がステージごとに順位を入れ替えながらラリーは進んでいく。最終ステージのSS12「鳥屋峠リバース2」6.25kmを前に、奴田原と福永の差は僅か0秒1、3番手の勝田も4秒7差と、選手たちから「ヤバい!」と言わしめた鳥屋峠だけにワンチャンス、ワンミスで何が起こるか全く想像できない。この僅差の戦いを2日間、3人で続けてきたのだがいよいよ雌雄を決する時がやってきた。まずは先頭の福永からアタックに入る。1回目のSS11より2秒以上のタイムアップを果たす5分10秒2。続いて奴田原がスタート、峠を登り切ったスタートから2kmの中間地点では福永とほぼ同タイムで通過するのだが、残りの下り区間でスパート、5分9秒2で福永を抑えこの時点での首位を確保する。そして一発逆転を狙う勝田が奴田原に続きスタート。中間地点で福永、奴田原を早くも2秒弱リード、大逆転を予感させる猛アタックを仕掛ける。しかしゴールまで1km地点で無念のコースアウト、タイムロスで万策尽きることとなり、福永2位、勝田は3位に終わることとなった。しかし近年まれにみる三者による激しい優勝争いはこのクラスでも新たな戦国時代に突入したことを意味するのかもしれない。勝田、福永の次戦での巻き返しに期待しよう。

タ―マックで絶対の自信を持つ眞貝。今回新しく設定されたコースでも、確実にタイムを刻みDAY1で早くも独走態勢を築き、今季初の2勝目をゲットした。

毎回勝者が入れ替わり、今回は誰が優勝するのか、それとも今季初の2勝目をゲットする勝者が出るのか興味が尽きない激戦のJN3。タ―マックでは絶対の自信を持つ眞貝知志/田中直哉(インテグラ)が予想通りSS1からステージベストをマーク。このあとSS5まで5連続でステージベストを獲り、2番手の筒井克彦/永山聡一郎(S2000)に20秒弱のアドバンテージを確保する。この後もSS6を筒井に奪われるものの、SS7・8を再び眞貝が獲り、2番手をキープする筒井との差を22秒以上に広げた。翌日のDAY2の鳥屋峠を「難しいコースなので慎重に走りたい、そのためにもDAY1ではある程度のマージンが必要になってくる」と警戒していた眞貝だったのだが、4本の鳥居峠のうち2本のステージをしっかり制し、2番手筒井との差を36秒以上に広げ、全く危なげなくこのクラス今季初の2勝目をマークすることとなった。

今シーズンも毎戦、多くのライバルと渡り合っている天野。新型マシン熟成の重責を担いながら負担の大きいラリーが続く。今回でも下り主体のステージでの速さは群を抜いていた。

ヴィッツ、フィット、デミオ、コルトなどのNA1500ccで毎戦激しい戦いを繰り広げるJN2。昨年のチャンピオン天野智之/井上祐紀子(ヴィッツ)はSS1をステージトップの丹羽和彦/谷内壽隆(フィット)にコンマ4秒差の2番手で発進する。SS4では天野が待望のステージベストをゲットし、丹羽の追撃態勢に入る。続くSS5でも連続ベストをマークしてその差を2秒6まで詰め寄る。このあとも丹羽とのステージ毎にシーソーゲームを続け、DAY1終了時でも2秒3差と息詰まる闘いを繰り広げる。翌DAY2では上り主体の「鳥屋峠1・2」で丹羽が引き離せば、逆走で下りになるSS11「鳥屋峠リバース1」で天野が今ラリー4回目のステージベストで食らいつき、最終SSのSS12「鳥屋峠リバース2」でも天野が連続ベストを獲り、丹羽に肉薄するのだが追いつくことが出来なかった。だがこの最終ステージ終了後に丹羽がトラブルでリタイヤとなり、あっけなく天野の今季3勝目が決まった。
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Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014