第5戦 7月10日(金)~7月12日(日) RALLY HOKKAIDO
グラベルラリー最終章
全開で駆け抜けたラリー北海道!!


北海道の雄大な大地をハイスピードで疾走。

 全日本ラリー選手権の第5戦目、全9戦で行われる2009シーズンのちょうど中間に当たる今大会。グラベルラリー3連戦の最終章として、アジア・パシフィックラリー選手権との併催で行われるラリー北海道は、この舞台に何の申し分もないだろう。北海道十勝帯広エリアの雄大なコースをハイスピードで疾走する今大会は、総距離230.54kmのSSは、18のステージが設定され、総移動距離は994.33kmにも及ぶ。3部構成となるこのラリーは7月10日(金)のDAY1aでセレモニアルスタート、その後SS1に設定されたスーパーSSをギャラリーの見守る帯広市街近郊の帯広特設コースで行い、翌日11日(土)のDAY1bではSS2~SS11、そして12日(日)のDAY2でSS12~最終SS18までを行う全日本では特異的なWRC仕様のスケジュールとなっている。そして今回、勝田範彦はアジア・パシフィックラリー選手権にエントリーし世界を相手に戦う。

特別席でラリー観戦?

 SS1のOBIHIRO 1(1.2km)。昼間に降った雨は上がったものの、気温は13度と肌寒い、ウェットの路面にダンロップ勢はDIREZZA 86RWをチョイスし午後7時30分スタート。1.2kmのショートステージを制したのは、奴田原文雄/佐藤忠宣(ランサー)だった。陽が沈み雨の降る中、ステージベストを奪う、それに1秒7差の1分7秒をマークし続いたのがダンロップユーザーの桑田幸典/井川宏美(ランサー)、次に石田正史/澤田茂(ランサー)となり翌日からの本格的なスタートに備えた。
 DAY1b、心配された12日(土)の天候は曇りではあるが時折陽が顔をだし、気温は18度程と過ごしやすい気候、ダンロップ勢にとって逆襲の条件は整った。
SS2 RIKUBETSU 1(2.73km)、路面はドライではあるが掘り返し、所々に点在するウェットな路面や浮砂利に滑りながらも北海道の大地をハイスピードで駆け抜ける。そんな中ステージベストを奪ったのは奴田原、3秒6差の2分20秒9の2位に桑田、4秒8差の2分22秒1で5位に石田正史、そのコンマ3秒後ろの6位に福永修/奥村久継(ランサー)とダンロップ勢は好順位に着けた。SS3 今大会最長のKUNNEYWA 1(28.75km)、アベレージの高いこのステージで石田正史はぴたりと2位につける。SS4 SIPIRKAKIM 1(24.81km)、SS5 RIKUBETSU 2(2.73km)では順位を落とし、3位に後退してしまうのだがSS3のリピートSS6のKUNNEYWA 2(28.75km)で奴田原と同タイムの15分37秒4をマークしステージベスト!再び2位に浮上した。が、SS7 SIPIRKAKIM 2(24.81km)スタート直後にリアをヒットさせてしまい破損はメンバーにまで及んだ。真直ぐ走る事も困難というマシン状況ながら石田正史は順位を1つ落としただけの3位に位置し続け、そのままDAY1bを走り切った。桑田はSS5でコースアウトによりリタイア、福永も苦戦を強いられた。ダンロップ勢は、背水のDAY2へ態勢を立て直し挑む事となる。

最後まで全開!!実力を遺憾なく発揮した石田正史/澤田茂(ランサー)

 DAY2に入り、天気は晴れ気温も高く夏らしい陽気を取り戻した。SS12 SINOTCAKI 1(6.29km)から石田正史は全開!トップの奴田原と僅かコンマ3秒差の4分23秒9で走り抜けた。更に石田正史のマキシマムアタックが続く、SS13 NUPRIPAKE 1(12.73km)ではステージベストをマークし遂に本領を発揮、2位の奴田原に6秒5の差をつけた。勢いは衰える事なく続きSS14 HONBETSU 1(10.78km)でも石田正史がトップでフィニッシュ、前に位置する大嶋治夫/井出上達也(ランサー)とのタイム差を縮めて行く。福永も石田正史と4秒1差の3位で奴田原の前に入った。SS12のリピートとなるSS15では掘り起こされた路面やギャップに苦戦するものの、石田正史の快進撃はまだまだ続きSS13のリピートとなるSS16でもステージベストを叩き出した。自己の実力を発揮すべく全開で走り抜け、最終SS18は帯広のスーパーSSを疾走した。途中、トラブルに見舞われながらも終始全開のドライブで見事3位入賞を果たし過酷なグラベルラリーを終えた石田正史。更には5位に福永、6位に鎌田恭輔/保井隆宏(ランサー)が入りダンロップ勢がこのラリー北海道で活躍を見せてくれた

DAY2では全7SS中5つを制し、2位に輝いた小倉雅俊/平山真理(ブーン)

 JN2クラスでは、ダンロップユーザー小倉雅俊/平山真理(ブーン)が活躍を見せた。
2.73kmのSS2で、ベテラン田中伸幸/遠山裕美子(ミラージュ)に3秒差をつける2分35秒6のタイムを叩き出しクラスベストを奪う。SS3、SS4を立て続けに田中がクラスベストをマークすればSS5では小倉と、いきなり一騎打ちの様相を呈し始めた。その後SS7、SS11を小倉が制するが、DAY1b終了時で田中とのタイム差は1分40秒6と、この先一切の油断を許されない状況となった。
 DAY2、小倉は期待どおりの猛追撃!SS12でいきなりクラスベストを奪うと、SS14、SS15を連続で制しSS17、スーパーSSのSS18でもクラスベストを叩き出す。結果、田中には届かなかったがその差を46秒9にまで縮め2位をその手におさめた。

リタイア続出のサバイバル状態を見事完走、2位入賞を果たした鷲尾俊一/鈴木隆司(スイフト)

 JN1.5ではライバル達が続々と姿を消していく中、ダンロップユーザーの鷲尾俊一/鈴木隆司(スイフト)が、生き残りを賭けたサバイバルゲームのようなグラベルラリーを堅実なドライブで走り切り見事完走、2位入賞を成し遂げた。


 多くの観客を集めたラリー北海道。アジア・パシフィックラリーとの併催という事もあり、WRCクラスの今大会でもダンロップ勢は確固たる結果を残した。2009シーズンも半分の日程を消化しいよいよタイトル争いが激化し始める中、ダンロップ勢がいかなる戦いを見せてくれるのか期待は更に高まる。
Global Race Category
Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014