第4戦 6月12日(土)~6月13日(日) 久万高原ラリー
雨が降りしきる戦いを勝田が制し今季3勝目を獲得!
ダンロップ勢は今シーズン2度目の全クラス制覇を達成!


天候の良い状態でのセレモニアルスタート。DAY2では雨へと天候が変化し戦いを更に厳しいものとした。

 全8戦で争われる全日本ラリー選手権も中盤戦に差し掛かる第4戦。前戦の北海道からまたもや本州を飛び越し竜馬ブームに沸く四国へと戦いの舞台を移した。そんなブームを楽しむ事無く、各チームは2戦連続で続いたグラベルラリーからこの第4戦の久万高原ラリーはターマックラリーとあり、短い期間での仕様変更に各チームは慌しかったようだ。
 競技が行なわれるのは愛媛県の中央に位置する久万高原町、四国に8つあるスキー場のひとつである美川スキー場をメイン会場とし冬はスキー、夏はラリーといった年間を通し楽しめる四国屈指の会場だ。そして気になるのは天候、土曜日には九州地方が梅雨入りした事もあり西日本では週末の日曜日は雨の予報になっている。この雨が競技にどの様に影響を与えるかが心配になる。この久万高原ラリーに挑むダンロップユーザー達が使用するタイヤはもちろん「DIREZZA 03G」。競技最後の表彰台には多くの黄色い帽子を被った選手が立っていることに期待しよう。

昨年に続きこの久万高原ラリーを制した勝田範彦/足立さやか(インプレッサ)。

 競技は全10のステージ、105.76kmで争われる。初日のDAY1は午後4時にゼッケンNo.1のダンロップユーザー勝田範彦/足立さやか(インプレッサ)からスタート。このDAY1は4つのステージ(18.72km)を走りサービスに戻る設定となっていて、SS1「神岡I」3.56kmから競技が本格的にスタート。幸先良くスタートを切ったのは前戦のラリー北海道を制した奴田原文雄/佐藤忠宜(ランサー)が2分45秒4のステージベストをマークしトップに立つ。続くSS2「大谷I」5.80km、SS3「神岡II」3.56kmでも奴田原がトップタイムで3連続ステージベストを獲得し後続を引き離しに掛かる。DAY1最終のステージSS4「大谷II」5.80kmでは奴田原の独走を阻止すべく石田正史/竹下紀子(ランサー)が4分43秒9のステージベストを獲得し喰らいつく。これに勝田が1秒差で続き、DAY1を終えてトップは奴田原、その5秒差に勝田が2位と全105.76kmの5分の1に満たない初日距離だけではまだまだ先が解らない状況、明日のDAY2は必ず降りだすと予想される雨がどの様に影響を与えるのだろうか。
 競技は2日目のDAY2を迎え天候は予報どおりの雨、昼前には四国、中国、近畿と梅雨入りが宣言される事となる。そしてその雨は朝の段階でかなり大粒の雨となりこの久万高原一帯に降りしきる。この雨の中、各車がSS5「大谷リバースI」4.98kmへとスタートを切った。このステージでベストタイムを出したのは現在トップの奴田原、これに勝田が3秒2差で追撃。このステージを終えた頃から降っていた雨は霧雨状態に落着きだした。続くSS6「美川リバースI」はこの久万高原ラリーの名物とも言える全日本のターマックラリー最長の24.38kmのステージ。JN-4クラスのマシンでも20分前後掛かる走行時間で体力的な戦いが強いられ、1本走ればハンドルを握る腕が疲れきってしまう。そんな過酷なステージから勝田の驚異的なスパートが始まった。勝田は奴田原のタイムを3秒1上回り19分18秒6のステージベストで5秒1にまで奴田原との差を縮める。連続するSS7「大川嶺I」14.16kmのステージでも勝田が2本目となるステージベストを獲得し、遂にこのステージで奴田原を1秒2差で逆転し今ラリーはじめてのトップ立つ。SS8「大谷リバースII」4.98kmでも勝田がステージベストをマークし奴田原に対して0秒4と僅かだが、その差を広げる事となった。そして本日2回目となる最長ステージの「美川リバースII」24.38km、ここから更に勝田の速さが加速する。霧雨の中、24.38kmのステージで勝田は19分10秒5のタイムをマークし、2番手に続く奴田原に10秒1の決定的な差を積み重ねる。迎えた最終ステージのSS10「大川嶺II」14.16kmでも勝田のスピードは衰える事は無く出したステージベストは11分35秒3。SS6から5本立て続けにマークしたステージベストで最終的に2位奴田原との差は24秒8にまで広がっていた。この勝因として勝田は必ず降るであろう雨に向けたタイヤ戦略がバッチリ決まったとコメント。これで勝田は今シーズン3勝目を挙げ、ライバル奴田原との差を更に広げる事となった。

ダンロップユーザー同士の戦いを制し優勝を飾った眞貝知志/田中直哉(インテグラ)。

 JN-3クラスではダンロップユーザーが上位を独占する健闘を見せた。DAY1のSS1でクラスベストをマークしたのは開幕戦を制した眞貝知志/田中直哉(インテグラ)でスタートダッシュに成功。2番手に曽根崇仁/桝谷知彦(セリカ)、3番手には第2戦の宮崎で全日本初優勝を飾った香川秀樹/船木一祥(インテグラ)、4番手に昨年JN-2クラスでシリーズ2位の高橋悟志/箕作裕子(レビン)と上位はダンロップユーザーが独占。更に眞貝がSS2・SS3とクラスベストでマークしトップを維持する。これに曽根が続くがSS4でのタイムダウンで惜しくも順位を落としてしまう。DAY1を終えてトップは眞貝、2位に高橋、3位に香川とダンロップ、ワン・ツー・スリーを形成。DAY2ではSS6・8・9は眞貝、SS10は高橋、SS5・7では香川とこの3人でクラスベストを獲得し他を寄せ付ける気配が無い。クラスベストを多く獲得した眞貝が結局、トップを維持し続けそのままフィニッシュ。見事、今季2勝目を飾ると共に2位には高橋が3位に香川が表彰台に続きダンロップ、ワン・ツー・スリーを達成。混戦が予想される今年のJN-3クラスでは誰がタイトルに最有力かまだまだ予測が付かず面白い展開と言えるだろう。

ラリー北海道に続き久万高原ラリーも制した天野智之/井上裕紀子(ヴィッツ)が連勝で首位を独走中!

 JN-2クラスはラリー北海道の勢いをそのままにダンロップユーザーの天野智之/井上裕紀子(ヴィッツ)がこの久万高原ラリーに乗り込みその実力の差を見せ付けた。ドライ路面でのDAY1ではスタート後のSS1からSS3まで3連続でクラスベストを獲得。SS4では本名修也/湊比呂美(ヴィッツ)にクラスベストを奪われるがDAY1をトップで折り返す。翌、二日目のDAY2、雨の激しいSS5ではクラス3番手タイムに甘んじるが2番手に付ける青島功/谷内壽隆(フィット)に対して8秒6のマージンをキープしておりこの時点でもトップは天野が死守。その後、SS6からSS9まで4連続でクラスベストをマークし、この時点で2位に付けていた同じダンロップユーザーの村田康介/平山真理(デミオ)に1分47秒2もの大差を広げていた。残る最終のSS10では無理をせずクラス3番手タイムで無事ゴールを迎えた。天野はこの優勝でラリー北海道に続き2連勝を達成。ポイントラインキングでも首位をキープしタイトル獲得へ大きな一歩となった。次戦へもこの勢いのまま是非とも3連勝を達成して欲しい。

今シーズン初参戦で初優勝を飾った西山敏/三好明宏(マーチ)。

 昨年このJN-1クラスのチャンピオンに輝いた西山敏の参戦に注目を集めた。西山は昨年からコ・ドライバーとマシンが代わっての参戦。今シーズン初参戦となる西山敏/三好明宏(マーチ)は初日のDAY1ではSS1からSS4でクラスベストをマークしトップ独走状態に入る。続く2日目、雨のDAY2では雨脚の強いSS5と終盤3つのステージではペースをコントロールしてかクラスベストを譲るかたちとなるがトップの位置はそのまま代わらず。結果、全10SSを終え、クラスベストは6本のステージで獲得。ベテランの風格が漂う西山が余裕の感じられる安定した走りで見事クラス優勝を果たした。

各クラスのウィナーが集ってのシャンパンファイトではダンロップユーザーが独占。

 今シーズン2度目の全クラス制覇を成し遂げたダンロップ勢。雨という状況ながらタイヤ性能を十二分に発揮した事でダンロップ勢に優勝をもたらした。次戦は約1ヶ月のインターバルを挟み梅雨の無い北海道へと戦いの舞台を移す。2戦連続での全クラス制覇を是非とも達成して欲しい。
Global Race Category
Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014