第4戦 6月19日(金)~6月21日(日) MSCC東京ラリー2009
悪天候、悪路の中、石田正史2位入賞。
JN3ではダンロップ勢が1、2フィニッシュ!!


悪路に濃霧と悪条件の中2位に入賞した石田正史/澤田茂(ランサー)

 第4戦目を迎えた全日本ラリー選手権。前回第3戦のひむかラリーで始まったグラベル3連戦の2戦目にあたるMSCC東京ラリー2009の舞台は福島県南部の棚倉町周辺で開催された。2DAYで行われる今大会は、20日(土)の午前に選手たちがコースの状況を確認するレッキを行い、午後3時にはスタートという慌ただしいスケジュールだ。SS1 NagareOkada(4.30km)、SS2 ManahataYamizo(11.26km)、そしてそのリピートとなるSS3の計3つのスペシャルステージを走行。翌日はMuroOodairagusa(5.01km)、Higashimaeda(2.29km)、Renaissance(0.50km)、Mikabubokuya(2.76km)、Higashinobokuya(2.40km)と中、短距離の5つのステージをそれぞれ2本ずつ、計10本を走行。総距離52.74km、全13SSの構成となっている。
今大会、ディフェンディングチャンピオンの勝田範彦は不参加ではあるが、石田正史/澤田茂(ランサー)や福永修/奥村久継(ランサー)などのダンロップ勢には、過酷なグラベルラリーでの活躍に期待が掛かる。
 DAY1梅雨真只中の天候は曇り、気温こそ15度程度と高くはないが湿度は高く、少し動くだけで汗ばむじめじめした気候であった。路面状況はドライ、ダンロップ勢はDIREZZA 86RWを履いてスタートへ向かう。SS1、上位をエボX勢が独占。2シーズン前からエボXを投入し研究を重ねてきた奴田原文雄/佐藤忠宜(ランサー)が、4分2秒でクラスベストをマークする。しかしそのわずか1秒差の2位に石田正史がつけ、追いすがった。続くSS2、10kmオーバーのロングステージでまたもやトップに立ったのは奴田原、前走者が掘り起こした土から雨水がにじみ出る路面に苦戦したのか、3位でフィニッシュした石田正史は奴田原との差が15.9秒まで広がってしまう。SS2のリピートとなるSS3で遂に石田正史が牙を剥く。午後6時前にスタートするこのステージ、辺りは薄暗くなりゴールの約4km手前は霧が発生、ほとんどのクルーがタイムダウンを余儀される中、石田正史は奴田原に4.6秒の差を付けトップで上がってきた。結果、両者のタイム差は11.3秒となりDAY2で十分巻き返しのできる射程圏内にその身を置いてDAY1を終えた。福永も4位という好位置につけ勝負をかけたDAY2へと闘志をみなぎらせる。

山頂付近は、視界を遮る濃霧が発生。

 一夜明け迎えたDAY2、夜半から降り出した雨は夜明けに近づくにつれ雨量が増大し路面を悪化させた。早朝のSS4から全開の石田正史は、轍だらけの悪路を果敢にアタックし続け奴田原を追う。SS4、SS5と立て続けにステージベストを叩き出した奴田原のすぐ後ろに張り付き「その時」を虎視眈々と狙っていた。SS11、三株の山頂は少し手前の視界さえ遮られる程の濃霧に覆われる悪条件の中、石田正史はステージベストをマークし最後まで諦める事をしなかった。すぐ目の前にいる奴田原を最終SSまで手を緩める事なく追い続けた結果、過酷さに悪条件の重なった今大会のグラベルラリーで見事2位入賞を成し遂げその実力を証明する形となった。健闘を見せた福永も見事完走、6位に入った。

大きなアドバンテージを活かしJN3を制した森博喜/藤綱和敏(セリカ)

 JN3クラスはDIREZZA 86Rを履いて挑んだ香川秀樹/船木一祥(インテグラ)と森博喜/藤綱和敏(セリカ)のダンロップ勢が大活躍をみせた。SS1、香川が4分23秒4のタイムでクラスベストをマークすれば、続くSS2で森がクラスベスト。さらにSS3では再び香川が制し、そのわずかコンマ3秒差の2位に森がつけた。クラスベストを交互に奪い合いDAY1終了時点でその差わずか1.4秒、後続を大きく突き放した両者のガチンコバトルとなった。

猛追撃の末、2位入賞を果たした香川秀樹/船木一祥(インテグラ)

 DAY2に入ると森が一気に仕掛けSS4、SS5を連続で制し香川との差を42.2秒にまで広げた。香川はガチンコバトルをここで終わらせまいとペースアップするが、逆に森は悪条件の重なった状況にペースダウン。しかし、これまでに得たアドバンテージが大きくクラストップをキープしたままSSを消化していく。最終SSを終えてそのまま森が優勝、2位に入った香川は最後33.2秒までタイム差を縮めた。今大会、終始ダンロップ1、2体制を形成し続けた森と香川はハイレベルなバトルで魅了してくれた。


 JN2の高橋悟志/箕作裕子(レビン)とJN1.5の天野智之/井上裕紀子(ヴィッツ)の両クルーもそれぞれ3位入賞を果たしダンロップ勢の大健闘ぶりが目立った大会となった。次戦、2009シーズン最後のグラベルラリーである「RALLY HOKKAIDO」。北海道十勝の壮大な大地で繰り広げられるラリーいうドラマをダンロップ勢はどの様に演じるのだろうか、アジア・パシフィックラリーとの併催もあり、何を成し遂げてくれるのか大いに期待したい。
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Motercycle
ニュルブルクリンク2014