第1戦 4月9日(金)~4月11日(日) ツール・ド・九州2010 in 唐津
勝田が唐津を5連覇!
タイトル奪回に向け開幕戦を快勝!


毎年恒例の唐津神社で行われる交通安全祈願とスタート振興。

 約5ヶ月のシーズンオフが明け、遂に全日本ラリー選手権の2010年シーズンが開幕。今シーズンからは一部クラス区分が変更される等、昨年とは違う形となり新たな闘いが繰り広げられるはずだ。その闘いの舞台となるのは毎年、開幕戦でお馴染みとなった佐賀県は唐津市。例年同様に唐津神社でシーズン中の交通安全を祈願し唐津神社の鳥居をくぐってのスタートを切った。エントリーは全部で43台、この内ダンロップユーザーは半分を超える22台がエントリー。この数こそダンロップタイヤの信頼性が実証されるのではなかろうか。
 今年も「ツール・ド・九州 2010 in 唐津」は二日間に渡り開催される。SSの総距離は100kmを超える101.19kmで開幕戦から長丁場の厳しい闘いが予想される。そのスペシャルステージは「林の上」、「浮岳」、「三方」の三箇所が基本となり、それぞれのステージに順走と逆走が設定され全22ステージで構成されている。この唐津のステージにダンロップ勢は「DIREZZA 03G」で闘いを挑む。

マシンとドライバーと共に戦闘力を増した勝田とインプレッサ。

 2010年シーズンの全日本ラリー選手権が遂にスタート。SS1 7.41kmの「三方リバース1」でスタートダッシュを見せたのはチャンピオン奪還に燃える勝田範彦(インプレッサ)。女性コ・ドライバーの足立さやかとの新コンビで幸先良くSS1からステージベストを獲得する。2番手には九州を地元とする榊雅広/井出上達也(ランサー)が地の利を活かして勝田に喰らい着く。これにチャンピオンの奴田原が3番手に続きスタート直後ながら今ラリーの激しさが顔を出し始める。SS2 4.49kmの「林の上1」ではダンロップユーザーでこちらも女性コ・ドライバーと新コンビを組む石田正史/竹下紀子(ランサー)がステージベストを獲得しトップ争いに絡む。SS3 3.11kmの「浮岳1」では奴田原文雄/佐藤忠宣(ランサー)にステージベストを奪われるも、SS5「林の上2」で勝田が2つ目となるステージベストを獲得。しかしチャンピオン奴田原がここからスパートを開始しSS5・6・7・8と4連続ステージベストで2位勝田に対して4秒の差を広げトップへ浮上しセクション1を走りきった。このセクション1終わりのサービスで3位石田正史がサービスインするも吸気系トラブルによりまさかのリタイヤを喫してしまう。
 そして各車、サービスでの車両調整を済ませセクション2が始まる。SS9「三方1」7.56kmから勝田が反撃を開始。ステージベストをマークすると共に奴田原と4秒あった差を僅か1秒にまで縮める。追いつくと思われたSS10「林の上リバース1」4.58kmでトップの奴田原が石田同様、吸気系トラブルにより順位を大きく下げてしまい結局SS12でリタイヤとなる。これにより勝田が再度、トップに返り咲くこととなった。続いて2位には地元九州の吉谷久俊/高田新二(ランサー)が、3位に高山仁/広田沙貴子(ランサー)、4位に松岡孝典/木村裕介(インプレッサ)とダンロップ勢が上位を独占するポジションが形成されることとなった。SS11終わりにはこれに古谷哲也/横川紀仁(ランサー)と福永修/奥村久継(ランサー)のサンラーエボリューションXの2台のダンロップ勢が加わり一時的ではあるが1位から6位までの入賞圏内全てがダンロップ勢となった。SS12以降は勝田、高山、松岡でステージベストを奪い合う争いでセクション2を終了と同時にDAY1が終了。見事、勝田が初日トップを獲得。2位高山に対して27.5秒のアドバンテージを築き明日のDAY2へと向かう。

タイトル奪回に向けて大きな一勝を飾った勝田。

 2位に27.5秒と大きなマージンを持つ勝田が優勝に向けDAY2に挑む。SS17「林の上4」では昨夜中に雨が降った事でコースは全面的にウエットコンディションとなっていた。そんな路面に対して勝田はDAY1にアタックを行った影響でDAY2に新タイヤを2本しか使えない。それによりドライ仕様のコンパウンドで走る事を余儀なくされるがそこは築いていたアドバンテージにより余裕を持ってトップをキープ。続くSS18「浮岳5」は吉谷がステージベストを獲得しトップの勝田を追いかける。しかしSS19「三方リバース3」以降でも勝田との差は詰まる事なく全てのステージが終了。最後まで勝田が今ラリーをリードし続け見事、開幕戦を制覇。この優勝で勝田はなんと「ツール・ド・九州 in 唐津」で5連覇を達成。また勝田はタイトル奪回に向けて好発進に成功。表彰では「まず一勝できて本当うれしいです。」とコメント。2位以降には吉谷をはじめとするダンロップ勢が7位までを独占。総合順位を含めれば8位までダンロップが獲得するラリーとなった。

新たにメロンブックスカラーに彩られた眞貝のインテグラ。

 今年からの新クラス区分で大きく変わる事となったJN-3クラス。昨年までのJN-3クラスとJN-2クラスとが統合される形となりより一層、車種の幅が広くなった新生JN-3クラス。このクラスでは1,500cc以上3,000cc未満の2輪駆動車が対象となる。そんな新クラスでフロント駆動VSリア駆動による激しい戦いが繰り広げられた。それはダンロップタイヤを履きフロント駆動のインテグラを駆る眞貝知志/田中直哉(インテグラ)と同じくダンロップタイヤでリア駆動のS2000をドライブする筒井克彦/永山聡一郎(S2000)これにイギリスの名門自動車メーカー、リア駆動のロータスエクシージ松本琢史/石田一輝(エクシージ)の3台が熾烈なトップ争いを繰り広げた。まず最初にこのクラスをリードしたのは昨年の第2戦京都以来の参戦となる眞貝、その眞貝を筒井が交わしSS3でクラストップを奪取。筒井がそのままSS5からSS8までクラスベストをマークし2位の松本に対して12秒2のアドバンテージを広げていた。しかしその後、筒井がまさかのコースアウトでリタイヤとなってしまいその座を松本へ明け渡してしまう。そのまま松本がリードするかと思われたこのクラスだが、翌日のDAY2が始まってみればコースは全面がウエット状態でリア駆動の松本には酷な状況となる。その状況をみて眞貝が猛追を開始。SS17で眞貝は松本と3.8秒あったその差を逆転し、さらには4秒もの差を築きクラストップに返り咲く。その後は眞貝が松本に対し序々にタイム差を広げ最終のSS22を終えて10.6秒の差を広げ優勝をその手に収めた。

JN4クラスで2位入賞を果たした吉谷。

 昨年の第2戦京都以来のエントリーとなった眞貝は「昨年の京都で車両を全損してしまいラリーを続けるか悩んでいましたが、ラリーが無い生活は考えられないと思い念願叶って今年から復帰する事ができました。そんなラリー復帰戦で優勝できてとても嬉しいです。」とコメント。また勝因は「DAY2前に雨が降り天候が自分に有利な状況に働いた事です。」と運も味方に付けた眞貝が復帰第一戦で早くも優勝を手にする結果となった。


 次戦は同じ九州は宮崎で行われるグラベルラリーのひむか。今シーズン初のグラベルラリーでもダンロップ勢が活躍するに違いないはずだ。
Global Race Category
Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014