第5戦 7月24日(日) SUGO西コース
各クラスで激戦が展開されたSUGO
川脇一晃が今季2勝目を挙げる!


関係者の努力により無事、全日本ジムカーナ開催にこぎつけたスポーツランドSUGO。ここで真夏の暑い闘いが繰り広げられた。

北の大地で行われた第3戦から3週間、全日本ジムカーナ第4戦は宮城県村田町にあるスポーツランドSUGOで7月24日に開催された。東北大震災から4ヶ月余り、未だ復興過程にある中でのビックイベントの開催。東北6県を中心に北関東からの支援もあり、これまでのイベントに負けるとも劣らない運営に参加した選手たちからも感謝の言葉が聞かれた。時折小雨が降る曇りの中で行われた土曜日の公開練習から、日曜日決勝の天候は晴天に。夏の強い日差しが予想され、多くのダンロップユーザーがM2コンパウンドを選択。全日本チャンピオン獲得目指し、各クラスで激しさを増すポイント争い。スポーツランドSUGO西コースで行われたイベントの模様を早速お届けしよう。

2本目に逆転で今季2勝目を挙げた川脇一晃。失敗気味だったターンセクションで頭を切り替え、オーバー気味の走り方に変えてゴールしたらトップでびっくりしたとのこと。

アップダウンに加えカントもついて予想だにしない挙動が現れる西コース。今回も外周とショートカットを組み合わせた周回に、2箇所のターンセクションが設けられた。特に観客席側に設置されたのは、1本目のパイロンを180度でクリアし2本目に360度ターンが出てくるという複雑なもの。SA3クラス1本目、トップに立ったのは昨年のチャンピオン天満清。これに川脇一晃、津川信次が続く。多くの選手が最重要攻略ポイントと見ていた360度ターン。2本目に向けてどんどん上がる気温に路面にはラバーが刷り込まれ、ターンセクションでは滑りやすい部分も。その車重から大きく回し込むターンが苦手なエボX勢。その攻略方法をダンロップのサポートドライバー津川信次に聞いてみた。「(サイドブレーキ)1回でターンを終わらせたいところだけど、エボXには厳しい。ラバーが乗っていたからなおさらだよね。だから最初に諦めて2度引きして確実にクリアする方法を早く見つけたもの勝ちだったかもしれないね」と語る津川だったが、後半のターンセクションでパイロンタッチを犯してしまった。結局1本目のタイムで4位に。ここで飛び出したのが川脇。1本目トップの天満がタイムダウンする中、積極的な走りでゴールするとタイムはコンマ3秒アップの1分20秒365。逆転で今季2勝目を挙げた。

ここ数戦、今ひとつ歯車がかみ合っていなかった川脇だったが、今回は状況が一変。川脇の意思にエボXが付いてくるようになり、表彰式では明るいコメントが復活!

早速今回の勝因を聞いてみたが、川脇は口を開くと意外な言葉を口にした。「たまたまや(笑)。2本目で上がるとは思っとったけど、(1本目)ターンで失敗しとったからその分だけやと思ってた。それが2本目もターン失敗しとったから、こら絶対ダメやと思っとった。でもそれで頭切り替えて、オーバー気味に運転したほうがフロントが抜けなくていいかなって?運転も切り替えてゴールしたら、アレッ?116番が一番上にあるやんって。こんなこともあるんやね。だけどよう考えたら、1本目にプッシュアンダーで焦ってアクセル踏みすぎてたところがあった。でも最後のターンは自分でもびっくりするくらいクルマが前に出たからね。やっとエボXとコミュニケーション取れるようになってきたのかな?」と川脇。表彰式では、そんな心中を巧妙にコメントして会場を大爆笑させた。とはいえ今季2勝目を挙げてポイントは川脇65、津川60、天満59とほぼ横並びから川脇が頭ひとつ抜け出しシリーズリーダーに返り咲いた。「やっぱ4勝せなアカンやろね。次のもてぎがポイントやね。チャンピオンになるには3勝2位2回が最低条件やろね。それで捨てポイントで決まるんじゃないかと思ってますけどね」厳しい残暑が予想される8月末。灼熱の第6戦もてぎが大きな意味を持つことは間違いない。

富山県にある和合タイヤの代表村井勝が、参戦10年目にして全日本初優勝。地元富山県を中心に参戦していたが、今シーズンから全日本で各地区を転戦して初優勝を勝ち取った。

9台のヴィッツが参加したN1クラス。1本目に1分30秒979を叩き出し、2位につけたのは富山県にある和合タイヤ代表の村井勝、広島県のタカタで行われた第3戦で、自己最上位の2位を記録した村井はその好調を維持してSUGOに乗り込んできた。2本目に入っても積極的な走りを見せた村井は1分30秒176までタイムアップして後続を待つ。タイムアップを狙ってターンセクションを攻める各選手だったが、ラバーが乗った路面は予想外の挙動を誘発。ランキング上位の選手たちの多くは、ここで失敗し下位に沈んでしまう。終わってみれば2位に0.16秒差をつけて村井が全日本初優勝!2001年の初参戦から丸10年、表彰台中央で、「やっと勝つことができました。これもご協力頂いたみなさんのおかげです。またこの場所に来たいのでこれからも頑張ります」と笑顔で語った村井。今後の活躍が楽しみだ。

ライバル選手の先行を許してしまい、今回は2位に終わった茅野。15ポイントをゲットでシリーズ3位は変わらず。次戦、もてぎでの活躍に期待したい。

竹田宏太郎のシリーズリーダーで迎えた第5戦のN4クラス。SA3クラスに匹敵する1分20秒521というタイムに、茅野成樹は約コンマ5秒差まで迫るのがやっと。残念ながらシリーズリーダーの座は菱井に明け渡すこととなってしまった。「そんなに悪い状態では、ないんだけどね。まだ自分がエボXに乗り慣れていないというのもありますが、まだまだ伸び代はあるはずですから」と茅野。茅野に次ぐ3位につけたのは竹田宏太郎。「見えないタイムではなかっただけに、悔しいのひとことだけです」と竹田。だが実は竹田にとって今回は、とんでもない週末だった。まず金曜日にマシンを移動してもらっている際にリヤ部分をヒット。ボディとバンパーが凹んだもののラリーサービスさながらに現場で鈑金作業。いざ練習走行をスタートすると今度はミッショントラブル。必死でミッションを下ろし仙台市内のモータースポーツショップで修理し、現場で載せ替え土曜日の公開練習に。だが1本目の走行をスタートするとタービンがブロー。急遽群馬まで部品調達に走り、なんとか日曜日の走行に間に合った。そんな竹田のマシンを整備しスーパーメカニックぶりを発揮したのは、Tアシスト代表の古谷哲也。そんな師匠古谷の八面六臂の動きに何とか応えたい思いが竹田のコメントに現れたのだろう。全日本も残すところあと3戦。チャンピオン争いはますます激しさを増す。

小林に次ぐ2位に入った村上。ことしに入って好調さを見せているだけに、次戦のもてぎでの活躍に期待したいところだ。

第3戦のタカタでは、小林キュウテンとの一騎打ちを見事勝利で飾った村上仁。北海道での不成立もあり1ヶ月以上のスパンが開いて、ここSUGOでのイベントを迎えた。シリーズポイントは僅差ながら村上がトップに立つ。そして今回は久々に東山晃が参戦し、7台を集めてDクラスがスタート。1本目は1分17秒733で村上がトップに。だが2本目に入ってミスを修正してきた小林が1分15秒101を叩き出す。村上はコンマ5秒差まで迫るが万事休す。2位に終わる。3位には東山が入りダンロップ勢は2、3位をゲットした。各クラスでチャンピオン争いを繰り広げるダンロップ勢。全日本ジムカーナは、8月24日に栃木県のツインリンクもてぎで第6戦を迎える。残すところあと3戦、生の迫力を体験すべく、ぜひとも会場に足を運んでみて欲しい。
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Motercycle
ニュルブルクリンク2014